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30歳、未経験の飲食業界へ飛び込んだ女性のリアル。居酒屋店長に【30歳からの挑戦③】

30歳を過ぎて“好きなこと”に飛び込んだバイラ世代の女子にその道のりを聞きました。迷いながらもあきらめずに突き進み、チャレンジしてみれば、充実した日々が待っているのかも…! 今回ご紹介するのは、飲食店店長の松原絵里さんです。

私、30歳から好きなことに“飛び込み”ました!

松原絵里さん 34歳

職業:飲食店店長

好きなこと:お酒を飲むこと。料理をつくること

飛び込んだ時期:転職に迷走していた30歳
 

【私が好きなことに“飛び込む”まで】

30歳、未経験の飲食業界へ飛び込んだ女性のリアル。居酒屋店長に【30歳からの挑戦③】_1

~18歳

服飾系の専門学校に入学


20歳

成人し、お酒好きに。さまざまなお店に飲みに行くようになる


21歳

専門学校を卒業

30歳、未経験の飲食業界へ飛び込んだ女性のリアル。居酒屋店長に【30歳からの挑戦③】_2

23歳

クラブのバイトを経て転職。アパレルの販売員に

30歳、未経験の飲食業界へ飛び込んだ女性のリアル。居酒屋店長に【30歳からの挑戦③】_3

24歳

一人暮らしをスタート。自炊するようになる


26歳

Instagramのアカウントを開設。自炊した食事をアップするように

30歳、未経験の飲食業界へ飛び込んだ女性のリアル。居酒屋店長に【30歳からの挑戦③】_4

28歳

会社の異動に伴い「一生この仕事でいいのか」と考えるように

 
29歳

アパレル業界の中で転職活動開始するも、経歴不足でうまくいかず

30歳、未経験の飲食業界へ飛び込んだ女性のリアル。居酒屋店長に【30歳からの挑戦③】_5

30歳

思い切って未経験だがやりたかった飲食業界へ転職。正社員に

30歳、未経験の飲食業界へ飛び込んだ女性のリアル。居酒屋店長に【30歳からの挑戦③】_6

32歳

中目黒の居酒屋『路地裏酒場 青コーナー』店長に

経験不足を食への愛で飛び越えた

30歳でアパレル業界から未経験の飲食業へ。勉強や準備期間を特に設けなかったというのがすごい!

「突然、好きなことに飛び込む踏ん切りがついてしまったんです(笑)。30歳を目前に転職を考えたときでした。当時は販売員をやっていたのですが、異動先で仕事のやりがいを見失ってしまって……。異動願いを出していたけどかなわず、転職しかない!と決めたんです」


アパレル業界内のステップアップを考え、販売員から本社勤務の職種への転職を目指していたそう。

「プレスへの転職を希望していたけれど、やはり30歳近くの転職は、経験重視。未経験の私を採用してくれる会社は見つからなかった。そのとき、どうせ未経験ならば、ずっと好きだった“食”に関する仕事にチャレンジするのもアリなんじゃないか?という考えに至ったんです。30歳から環境を変えたいという思いもあり、飛び込んでしまいました(笑)」


実は、23歳で転職したときにも飲食業に就きたいと思っていたという。

「学生時代からお酒が好きで、クラブでアルバイトをしていたことから、飲食業もいいなと思っていました。けれど、服飾系の専門学校に通っていたため、親を納得させられそうになかった。もちろんファッションも好きだったので、あまり悩むこともなく、アパレル業界に就職しました」


販売員として働きながら、趣味として料理や飲食店巡りをしていた。

「料理をし、きれいに盛りつけたものをインスタグラムにアップするのが趣味だったんです。色みにこだわったお弁当を毎日作ったり、ホームパーティでオードブルを作ったり、おいしいお店を巡ったり。食に関するこだわりと愛はどんどん大きくなっていった気がします」


転職活動の舵を大きく切り直し、飲食業を目指そうと決意したとき、力になってくれたのは同じ服飾系の専門学校に通っていた先輩。その先輩は、飲食業を始めてお店をいくつか持っていたそう。

「もともとその先輩のお店に通っていたんです。仕事として“食”とかかわるのっていいなぁ……と思ったりもしていた。その先輩に“飲食をやってみたい”という相談をしたら、先輩はインスタを見て私を買ってくれていたようで、なんと“じゃあ、うちに来てみる?”と誘ってくれたんです!条件も悪くなく“、ラッキー!”と、すぐ転職を決意」

30歳だからこそ目標に邁進できた

思い切って飛び込んで、勉強は現場でやる。そう決めて勤めていた会社を退職。

「飲食については、本当に右も左もわからない状態でした。持っていたのは、飲食への興味と好きだという気持ちだけ。最初は飲食店の仕事の流れとスピード感を覚えるため、ひたすらお店に立ち続けた。そのおかげで、自分が何を学ばなければならないのかもわかっていなかった状態から、働いていくうちに必要な知識に気づけるようになりました。何匹も魚を買って仕込みの前にさばく練習をしたり、酒蔵に行ってお酒を学んだり……。勉強しなければならないことがたくさんあり、目まぐるしい毎日で大変なこともたくさんありましたが、好きなことだから楽しかった」


そして32歳。異例の早さでお店をまかされた。現在も中目黒にある隠れ家的居酒屋『路地裏酒場 青コーナー』の店長を務めている。

「販売員の経験も、役に立っています。アパレルも飲食も、同じ接客業。“お客さまにもう一度来ていただくにはどうしたらいいか”を考える仕事です。転職するときは、キャリアを捨てるのが怖かった。けれど、違うジャンルでの接客経験があるからこそ、気づけることがある。積み重ねてきたキャリアは、決して無駄にはならないんですよね」


時間をかけず、すぐに飛び込む決断をしてよかったと話す松原さん。

「飛び込む業界にもよりますが、飲食は“現場で学ぶ”のが効率的。料理の練習を一人でやっていてもお店のスピード感は学べないし、調理師免許は実務経験があると取りやすいし。20代じゃないから、時間がもったいない。そう思える30歳だから、できた決断かもしれません」

【まとメモ】

Q 好きなこととの出会い方

A「趣味から派生することにも興味を持つ。私はお酒が好き→居酒屋が好き→食べ物も好き→料理も好き、という流れでした」


Q 飛び込むにあたっていちばん迷ったこと

A「収入。飲食は給料が少ないこともあるので。先輩から提示された給料が、前職から少し下がる程度だったので、迷いが消えました」


Q 飛び込む決意のきっかけ

A「“このまま同じ仕事を一生続けるのか”と考えたときに無理だと感じたこと。知り合いに飲食業に誘ってもらえたこと」

撮影/島袋智子 イラスト/とんぼせんせい 取材・文/東 美希