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【女性のカラダ大百科 まとめ】<不妊>の要因や治療方法など基本情報まとめ

妊娠することがこんなに大変だとは……。そんな悩みを持つ人が多い今、不妊の実態に迫ります。最先端の不妊治療に取り組んでいる、竹内先生にお話を伺いました。

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※記事発信時点での情報のため、アイテムの価格や仕様が変更になっている場合や、販売が終了している場合があります。

1.不妊治療の基礎知識

妊娠のメカニズムと女性側の不妊要因

精子と卵子が出会い、着床するまでの過程に問題があると不妊に

精子と卵子が出会い、着床するまでの過程に問題があると不妊に

卵巣から飛び出した卵子と子宮に放たれた精子が卵管の中で出会い、受精して子宮に着床。これが妊娠です。なんらかの理由で一連の流れがうまくいかないのが不妊。不妊は複数の要因が重なっている場合がほとんどですが上図では女性側で認められる要因をピックアップ。

【子宮因子】

子宮内に到達した受精卵が着床せず妊娠にいたらないことも。原因としては子宮筋腫や子宮の先天的な形態異常などによる子宮内膜の問題、子宮内の炎症、癒着が考えられる。

【卵管因子】

卵管がふさがったり癒着が生じると精子と卵子が出会えなくなってしまう。子宮内膜症やクラミジア感染症などの影響が原因となっている場合も。

【排卵因子】

本来なら成熟した卵胞は卵巣から飛び出すはずが何らかの要因で排卵できない状況に。過度なダイエットやストレスによるホルモンバランスのくずれ、卵胞の未成熟などが原因とも。

【頸管因子】

腟から最も近い頸管に異常があり、精子が子宮内に入りにくい状況に陥ること。頸管粘液の分泌が少なかったり、粘液の粘りが強いなどの分泌不全がその原因として考えられる。

【免疫因子】

子宮頸管や卵管の中で精子を攻撃する抗体(抗精子抗体)が働き、精子の運動性が失われてしまうことも。結果、卵子に到達できず妊娠にいたらず。

Q 自分が妊娠しやすいか、しにくいか、判断する方法はありますか?

A 月経が順調にあるかが自己判断の目安。残された卵子の数を調べる検査もありますよ。

「きちんと排卵しているか、着床に必要なホルモンがしっかり出ているかは基礎体温を測ることである程度わかります」(竹内先生)。また、卵胞から分泌されるホルモンAMH(抗ミュラー管ホルモン)の数値から、卵巣に残っている卵子の数が何歳相当であるかを表す「卵巣年齢」を検査することもできる。妊娠力の目安に。

Q 結局のところ、不妊症の定義とは?

A 避妊をせず性交渉をもちながら1年たっても妊娠しないとき

日本産科婦人科学会では妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一般的に1年間妊娠しない場合を不妊と定義づけ。「ただし、年齢上昇とともに妊娠はどんどんしづらくなるため、不妊症かどうかは別として30歳以上で半年たっても妊娠しないときは治療を開始することをおすすめします」(竹内先生)

Q 不妊症の原因は、何ですか?

検査を経て判明する女性・男性・双方の由来は上図のとおり

A 原因の半分ははっきりしません。検査を経て判明する女性・男性・双方の由来は上図のとおり

「一般的な不妊検査でわかる原因は限られていて、女性、男性、双方に由来したものがほぼ同数。ですから、検査や治療は男女一緒に始めることがベストです」(竹内先生)。なお、米国ART協会が体外受精を実施した人を対象に行った調査によると女性因子は45%、男性因子は17%、男女双方の要因は18%という報告も。

Q 今は子どもが欲しいと思っていなくてもしておいたほうがいいことは何ですか?

A 病気の治療と妊娠力を保つためのライフスタイルは常に心がけて

「婦人科検診を受けて妊娠の妨げになる問題があれば治療を行ってください。そして、適度の運動、栄養バランスのとれた食事、ストレスの軽減、禁煙など卵子がよい状態で保たれるライフスタイルを心がけて」(竹内先生)。また、現代の医学をもってしても加齢とともに妊娠しづらくなることは頭に入れておい

Q 不妊と直結しがちな婦人科系の病気は?

A クラミジアと子宮内膜症には特に注意が必要です。

「クラミジアは特に卵管やその周囲の炎症が起こりやすく、卵管がふさがったり、卵管周囲の癒着が生じることも。子宮内膜症も卵管周囲の癒着を招き、卵子が卵管に入れなくなることがあるほか、骨盤内環境の悪化が受精卵の成長や着床を妨げることが指摘されています」(竹内先生)。ほかの婦人科系の病気にももちろん注意を。

Q 不妊で悩む人が増えた背景とは?

単純に、結婚年齢や妊娠したいと思う年齢が上がってきたことが大きいです

A 単純に、結婚年齢や妊娠したいと思う年齢が上がってきたことが大きいです

「不妊を引き起こす要因はさまざまありますが根本として、妊娠にトライする年齢が上がったことで妊娠しにくくなっている人が増えているというのが実態といえます」(竹内先生)。卵子は年齢を重ねるごとにその数が減り、老化していく細胞。平均寿命が延びても妊娠可能な年齢が上がるわけではないのが現実。

Q 30代になると妊娠の可能性は下がるのでしょうか?

A 30代前半までは、20代後半とほぼ変わりませんが、35歳を境にぐんと妊娠率は低下します

結婚時年齢による不妊症の確率は30~34歳が9.3%、35~39歳は29.6%とのこと。「女性は35歳を境に妊娠できる力が徐々に弱くなります。その要因は卵子の老化現象。卵子は誕生したときに一度しかつくられないためその直後から卵子の老化現象が始まります。妊娠の可能性が低くなるのは必然と考えてください」(竹内先生)

2.不妊治療のステップやリスク

Q 妊娠したいと思ったらとっておくべきサプリは?

普段どおりの食生活では不足しがちな葉酸とビタミンDを補って

A 普段どおりの食生活では不足しがちな葉酸とビタミンDを補って

妊活に必要な栄養素としていわれているのが葉酸、ビタミンD、鉄、亜鉛。「最近特に気になるのはビタミンDが欠如している女性が多いこと。紫外線が気になるからというのが理由だと思いますが、日光に当たらないと産生されないためサプリメントで補うことをおすすめします」(竹内先生)

妊娠を望むなら、葉酸の摂取量は一日400〜800㎍が目安。ビタミンDの場合、個々人の不足量は個別検査が必要なものの、おおよそ4000IUが必要に。クリニック発の一日の必要量を補えるサプリメント。リプロサポート葉酸180カプセル¥3500・同ビタミンD60カプセル¥1500/リプロダクションサポート

Q 不妊治療と仕事の両立を可能にするには?

A 体外受精になると負担はさらに大。心身に配慮した病院選びが重要

体外受精になると通院回数も増え、手術などは半日がかり。厚生労働省が行った調査によると、仕事と不妊治療との両立ができず16%の人が離職したという結果も。「夜間や休日診療を行っている病院や、悩みを打ち明けられる不妊症看護認定看護師がいる病院を選ぶのも一案です」(竹内先生)

Q 不妊治療とはどういうもので、 どんなステップがあるの?

【検査】男性は精液や精索静脈瘤の検査、女性は基礎体温測定、ホルモン検査、子宮卵管造影検査、超音波断層検査などで不妊の原因がどこにあるのかを探る。費用の目安:2万〜3万円

【タイミング法】経腟超音波検査などをもとに排卵日を推定し、妊娠しやすいといわれている排卵日の前々日から前日に性交のタイミングを合わせる治療。回数の目安:3回(35歳未満) 費用の目安:1万〜2万円/3回

【人工授精】あらかじめ採取した精液から良好な精子だけを採取。妊娠しやすい期間に細いチューブで採取した精子を子宮内に注入し妊娠を試みる方法。回数の目安:5~6回(35歳未満)費用の目安:10万〜15万円/5〜6回

【体外受精】腟から細い針を穿刺、卵巣から卵子を取り出し、体外で精子と受精させる。順調に発育した良好な受精卵を子宮内に移植させる方法。35歳以上の場合、年齢または残存卵子数に応じて人工授精の回数を控え、早めに体外受精へ移行。費用の目安:20万〜80万円/1回

Q 不妊治療には、どんなリスクがありますか?

A 腹腔内出血や卵巣過剰刺激症候群などの危険性が。多胎妊娠の可能性も高まります

「より高い効果を狙う排卵誘発剤による治療を行った場合、卵巣が大きく腫れおなかに水がたまる卵巣過剰刺激症候群のおそれがあります。また、治療の特性上双子や三つ子などの多胎妊娠が増える傾向が」(竹内先生)。排卵誘発中に下腹部不快感、ふくらんだ感じ、下腹部痛があったときには医師に報告し、慎重に治療を進めていくことに。

3.不妊治療の気になる疑問

Q 妊娠のタイムリミットはどう考えるべき?

A 年齢とともに流産率も上昇。助成金適用対象の42歳を目安に

芸能人が高齢出産したといったニュースを見聞きすると「まだまだいける」と思いがちだけれど、現実はなかなか厳しいものが。「治療しても必ず妊娠、出産できるとは限らず36歳を過ぎると流産率も上昇。不妊治療の助成金対象の上限となる42歳はひとつの目安になるかもしれません」(竹内先生)

Q 男性に気をつけてもらうべきことは?

よい精子をつくるために日常生活の改善を

A よい精子をつくるために日常生活の改善を

「パートナーが喫煙者であれば禁煙をすすめてください。肥満度を示すBMIは20~24をキープ。飲酒は適量を心がける。睾丸の温度上昇を招く長風呂、長サウナなどを避け、よい精子をつくり出せるような生活スタイルを心がけて」(竹内先生)。男性も35歳以降は精子の質が低下しはじめるので加齢のリスクも意識しておくこと。

Q 妊娠しやすくなる方法はある?

日本人は性交回数が極端に少なすぎ。確率を上げるには頻繁にセックスを

A 日本人は性交回数が極端に少なすぎ。確率を上げるには頻繁にセックスを

セックスの回数が最も多いギリシャの年に138回に比べ、日本の平均は年に45回。「それでは当然妊娠の確率は下がります。試してほしいのは1カ月間できるだけ毎日セックスをすること。チャンスを逃さない最善の方法です」(竹内先生)

Q セックスレスでも妊娠したいんです

A 挿入行為をせずとも、人工授精・体外受精による妊娠は可能です

「初めから人工授精や体外受精をすれば性行為をせずとも妊娠することはできます。これらの受精方法に関してはリスクはそれほどないので問題はありません」(竹内先生)。とはいえ、レスという状況に対して夫婦双方が本当に不満はないかなどをじっくり話し合うことも重要。

Q 先天異常のリスクは高くない?

自然妊娠と体外受精に大きな差はなし。女性の加齢による影響が最大の要因です

A 自然妊娠と体外受精に大きな差はなし。女性の加齢による影響が最大の要因です

「出産にかかわるリスクは治療そのものよりむしろ加齢によるものがほとんどと考えられます。流産や妊娠糖尿病、前置胎盤など高齢出産で高まるリスクにもぜひ関心を寄せてください」(竹内先生)。40歳になると流産率は40%、染色体異常は66人に一人と、リスクは着実に高くなる

Q 卵子凍結はしたほうがいい?

A 技術は進歩していますが、卵子の老化にあらがうことは現段階では難しいです

できるだけ若いうちに卵子を凍結保存。妊娠を望むときが来たら解凍し、体外受精を行う。そんな選択も実は可能。費用は病院によって異なるものの排卵誘発から凍結に30万~50万円ほど。そのほか検査代や保管代を合わせると100万円近くかかることも。また、排卵を誘発することによる卵巣過剰刺激症候群や採卵時の出血や炎症などの副作用のリスクも。「卵子凍結はもともとはがんなどの悪性疾患で化学療法や放射線治療によって卵巣機能が低下したときのために行われているものです。日本では卵子の採取は40歳まで、保管は45歳までとしている病院が多く、卵子凍結自体、日本産科婦人科学会では推奨しないという見解を打ち出しています」(竹内先生)。国内ではまだ実例も少ないことから、「卵子凍結さえしておけば安心」と安易に考えるのは避けて。

イラスト/mio.matsumoto 取材・原文/東 美希 構成/菅井麻衣子〈BAILA〉 ※BAILA2020年2月号掲載

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