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つらいPMSと生理痛を緩和。家でできる10のこと

女性に多い悩みが、生理前にさまざまな体の不調が起こるPMS(月経前症候群)と生理痛。少しでも症状を和らげるために、自分でできることって? 婦人科医の松村圭子先生に教えていただいた。

つらいPMSと生理痛を緩和。家でできる10のこと

Paisit Teeraphatsakool/shutterstock

1:骨盤周りを温める

「体が冷えて血行が悪くなると痛みの原因物質が体内に滞り、生理痛がひどくなりやすくなります。暑い時期は冷房で冷えやすいので、特に骨盤周りは温めるようにしましょう。血行がよくなれば痛みの原因物質の排出が促され、痛みが緩和しやすくなります。温めて血行をよくすることは、PMSの頭痛や腰痛や肩こりなどの改善にも効果的です。方法は、入浴がおすすめ。生理中でも問題ないので、ゆっくり入浴をしましょう。また、冷房のきいた室内では、おなかや腰にカイロを貼ったり、夏用の腹巻きをしたりするのも◎」
 (松村先生)

2:ストレッチで骨盤周りの血行を促進

「ストレッチで骨盤周りの血流を促すのも、PMS、生理痛のどちらにも効果的。たとえば、ひとつが、仰向けに寝て両膝を立て、左右にゆっくりと膝を倒すストレッチ。もうひとつが、仰向けに寝て、右膝を曲げて内側に倒し、左膝も曲げて足首を倒した右膝にかけ、右の股関節から太ももを伸ばすストレッチ。左右の脚を入れ替えて同様に行いましょう。この2つを寝る前に行うと、リラックスを促す副交感神経が優位になり、睡眠の質も高まります」

3:婦人科系の不調の特効ツボ「三陰交」を押す

「子宮・卵巣の働きを活性化し、PMS、生理痛、生理不順、不妊とあらゆる婦人科系の不調の改善によいと言われているのが〝三陰交さんいんこう〟というツボ。このツボを刺激するのもおすすめです。場所は内くるぶしから指4本分上で、押すと痛みがある人も多いかもしれません。ここを親指で3秒押して離します。これを3回ほど繰り返しましょう。毎日の習慣にすると症状が改善しやすくなります」

4:トリプトファンやビタミンB6が多い食品を摂る

「PMSの改善によいとされている成分がビタミンB6とトリプトファン。生理前には、〝ハッピーホルモン〟とも呼ばれ、精神を安定させる神経伝達物質のセロトニンが減るためイライラしやすくなりますが、このセロトニンの材料となるのがトリプトファン。また、セロトニンを合成するために必要なのがビタミンB6。ですからこれらを含む食材を摂るようにすれば、イライラを防げます。鮭やささみなどは、この2つの成分が同時に摂れるのでおすすめです」

5:PMSのむくみ対策にはカリウム&水分補給を

「PMSの症状でむくみが出やすい人も多いと思いますが、だからといって水分を控えると、水分の巡りが悪くなり逆効果。水分はしっかり摂りながら、余分な水分や塩分の排出を促すカリウムを多く含む食品を摂るのがおすすめです。カリウムは、バナナやいも類、葉野菜、小豆、ナッツなどに多く含まれるので、意識して摂りましょう。もちろん塩分の摂り過ぎはむくみを招くのでNG」

6:PMSの便秘には水溶性食物繊維を

「PMSの症状として、便秘がひどくなるという人は、食物繊維をしっかり摂りましょう。食物繊維には、水に溶けない不溶性食物繊維と、水に溶ける水溶性食物繊維があります。不溶性食物繊維は、根菜類や玄米、きのこ類などに含まれますが、人によっては、摂るとおなかが張って逆効果になる場合も。ですから水溶性食物繊維を摂るほうがおすすめ。果物や海藻、大麦などのほか、オクラやモロヘイヤなどのネバネバ食品に多く含まれます」

7:生理前のニキビ対策には、動物性の食品を控える

「生理前にニキビが増えるのも多い症状。ニキビは動物性脂肪の摂り過ぎでできやすくなるので、普段から肉類や乳製品などの動物性食品は少し控えめにしましょう。ちなみにチョコを食べるとニキビができやすいと言われていますが、これは根拠はありません。食べ過ぎなければOK」

8:イライラや落ち込みには「PMS日記」をつける

「生理前に、イライラや落ち込みなどのメンタル的なトラブルが起きやすい人は、生理の何日前くらいから症状が出やすくて、いつ頃ラクになるかということや、その日の出来事などを記録する〝PMS日記〟をつけましょう。自分のパターンを把握して前もって心構えができるだけで、気分が軽くなります。またイライラしやすい日がわかれば、毎月そのあたりの日には人と会う予定を入れないようにするなど対策もできます」

9:生理痛の対策には青魚の油に含まれるEPAを

「生理痛は、生理中にプロスタグランジンという物質が分泌されて子宮を収縮させることが原因と言われています。青魚の油に含まれているEPA(エイコサペンタエン酸)という成分には、このプロスタグランジンの分泌を抑える働きがあるので、青魚を摂るようにするのもよい方法です。マグロやサバ、カツオ、ブリ、さんまなどの青魚を食事に取り入れて」

10:薬を飲む

「生理痛がひどい場合は、無理に我慢せずに痛み止めの薬を飲みましょう。薬を飲んでも問題はありません。痛みがひどくなる前に飲むほうが効果的です。また、婦人科や薬局で相談して、漢方薬を処方してもらうのもよいでしょう。生理痛に効く漢方薬としては、桂枝茯苓丸けいしぶくりょうがんや、当帰芍薬散とうきしゃくやくさん、加味逍遙散かみしょうようさんなどがあります。体質によって合う漢方薬は違うので、医師や薬剤師に必ず相談したうえで飲みましょう」
 

教えてくれたのは…松村圭子先生

教えてくれたのは…松村圭子先生


成城松村クリニック院長。日本産科婦人科学会専門医。月経のトラブルから更年期障害まで、女性の一生をサポート。漢方やサプリメント、点滴療法など幅広い治療法で不調をケア。『女30代からのなんだかわからない体の不調を治す本』(東京書店)など著書も多数。https://www.seijo-keikoclub.com

取材・文/和田美穂

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