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【まとめ】読むだけで心が楽になる!今ドキの怒りと上手につきあう方法

仕事、プライベート、お店、SNS…。イレギュラーな毎日に誰もが疲れているせいか、さまざまな場所で「怒り」にふれることが増えている現在。今回はバイラ読者から寄せられた「怒りエピソード」をご紹介。あるあると共感したら、少し気がラクになるかも!?

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1.コロナ禍の“怒り”あるある5タイプ! 今、怒ることが増えてるってホント?

バイラ読者135人に聞きました!最近怒りに直面すること増えてませんか?

ニュースやSNSの情報にイライラ

  約8割の人が怒りの増加を感じている! 

「ネットや街中に、怒りを抑えられない人が増えた」(33歳・営業)、「自分はコロナを意識して行動しているため、無配慮な人に対しささいなことでイライラ」(31歳・事務)など、やはり今の状況が大きな原因のよう

自分の、周りの、世間のあるある怒りエピソード

ニュースやSNSの情報にイライラ

 CASE1  ニュースやSNSの情報にイライラ

理解できないニュースやSNSの情報に怒りを感じるようになった。さらにSNSでは悪意のあるリプライまで見てしまい、心がすさんでしまう(33歳・看護師)

  

怒りが増える大きな要因のひとつがテレビやSNSなどのメディア。「SNSで見かける、“自粛警察”や“マスク警察”による投稿。その人には事情があるかもしれないのに、と腹が立ってしまう」(34歳・団体職員)と、怒りの連鎖も起きているよう

家族に対していつもよりイラッ

 CASE2  家族に対していつもよりイラッ

外出しづらいのに「休日何する?」と毎週聞いてくる夫にイライラ。気にしてくれるのはわかるけど、その質問いいかげんやめてくれ!(36歳・会社員)

  

一緒にいる時間が増えたこともあり、家族に対しイライラしてしまう人も増加。「職場でのコロナ対策が息苦しく、そのぶん家族にきつめに当たってしまう。愛する人に甘えてしまい、本当に申し訳ない」(34歳・公務員)と後悔する声も多数

当たりがキツくなった同僚がしんどい

 CASE3  当たりがキツくなった同僚がしんどい

コロナの影響で収入が減ったせいか上司がイライラしている。「あいつは使えない」などとほかの職員のひどい悪口を言ってきて疲れます(37歳・介護事務) 

  

コロナ対応やリモートワークによる業務の変化、経営悪化などにより、職場の人間関係もピリピリ。「同僚に、少し注意すればすむようなことで、みんながいる前で大声で怒られた」(36歳・事務)と怒りをぶつけられてしまう人も増えている

怒っている友人の話を聞くのがツラい

 CASE4  怒っている友人の話を聞くのがツラい

コロナに関するさまざまなことに怒り、それを吐き出す友達。正当な怒りではあるけれど、聞き続けるのがしんどくなってきました…(33歳・秘書)

  

イライラはためないほうがいいというものの、聞かされる側はストレスがたまるもの。「正義を理由に、怒ることを肯定できる環境ができ上がってしまっていると感じます。正しく怒ることは必要ですが、誰かをはけ口にするのはやめてほしい」(30歳・アパレル)

見知らぬ人のイライラ行動で不快に

 CASE5  見知らぬ人のイライラ行動で不快に

レジ前で「並ぶ距離が近すぎる」他人に注意する男性客。でもその人自身も、夫婦で並ぶマナー違反客。不快でこっちもイライラ!(32歳・製造業)

他人に怒りをぶつける人との遭遇率もUP。特にお店や満員電車では見知らぬ人の怒りにふれがちなよう。
「満員電車で、マスクをした人がせきを一度しただけで周りの人たちがにらんでおり、こちらまでいたたまれない気持ちに」(34歳・公務員)

2.精神科医がズバリ。怒りとはこうつきあえば楽になる!

水島広子先生

水島広子先生


対人関係療法専門「水島広子こころの健康クリニック」院長。「対人関係療法」の日本における第一人者。『「対人関係療法」の精神科医が教える「怒り」がスーッと消える本』(大和出版)など著書多数。

怒りとは… “困っていること”の表れ

対自分: 怒りを感じたら、「自分は困ってるんだ」と考える
対人 : 相手の困っていることを“自分のため”に解決してあげる
対世間:  「きっと事情があるんだな」と認識し、向き合いすぎない

困りごとを多く抱える今、怒りが増えるのは当然

そもそも“怒り”は人間にとって必要な感情だと言う水島先生。
「怒りの根源は“困る”という気持ち。怒りは、事態の改善を図るために必要なんです。たとえばパートナーが部屋に靴下を脱ぎ散らかしたときに感じる怒りも“部屋をきれいにできなくて困っている”ということですよね。そして今は、コロナによる困りごとを常にたくさん抱えている状態。ハッピーな時代の靴下は許せても、今は許せない、と余裕のなさが怒りの増加につながっていますね。また、身近な人の怒りに対しても“困っていて悲鳴を上げているんだな”と解釈してあげるのがいいと思います。“困っていることを怒らずに伝えてくれたらもっと共感できる”とお願いしてみてもいいでしょう。そして相手が困っていることを解決してあげる。何で私がそこまでしなきゃいけないの!?と思うかもしれませんが、これは自分のため。自分が平穏に暮らすためだと考えて」
 
また、自分に関係ない怒りには向き合わないことも大切。
「無関係な人の怒りにはふれない。自分に理解できなくても、それはきっと相手の事情を反映した怒り。人それぞれだと考え、向き合いすぎないようにしましょう。“相手が正しい”と認めるのではなく、綱引きの綱を手放すイメージです」

「怒り」から「困った」へ 頭のスイッチを切り替える

「怒り」から「困った」へ頭のスイッチを切り替える

「頭の中に自動変換器を置いて、怒りを感じたときは、“私は困っているんだな”とスイッチを切り替えるように考え直すクセをつけるといいですよ」

3.「坊主バー」店主&僧侶の藤岡善信さんの「怒りを減らす方法」

浄土真宗 僧侶  藤岡善信さん

浄土真宗 僧侶 藤岡善信さん


浄土真宗本願寺派僧侶。さまざまな宗派の僧侶が店員として在籍するバー「坊主バー」(東京都新宿区荒木町6)にて店主を務めている。

公式サイトhttp://vowz-bar.jp/

公式Twitter@yotsuya_vowzbar

怒りとは… 三毒のひとつ。克服できないもの

対自分: 怒っている自分を俯瞰して、ブレーキをかける
対人 : 意識を遠くに切り離し、怒りを受けすぎないようにする
対世間:    怒りとの縁をつくらない。怒りがある場所を避ける

自分も相手も正しくないと思えば楽になる

「人間には貪り、怒り、愚痴という代表的な三つの煩悩があり、これをなくすのは非常に難しいんですよ。なので、“怒り”自体をなくそうとするのは遠回りです」
 
仏教的にも、“怒り”自体は消し難い感情。ではどうすれば?
「怒っている自分を俯瞰できるようになるといいですね。“今私は怒っているな”と認識するだけでもブレーキになります。最初はできないかもしれませんが、修行です。“俯瞰できる自分になりたい”と思い、繰り返し気をつけていくことで、身についてきます」
 
怒りをぶつけられたときも、“俯瞰”で考えることが大切。
「相手の怒りの中にある本質を探してください。正しい指摘なら受け止めるべきですが、理不尽なことであれば、意識だけでもその場から遠くに離してしまいましょう。正しさも間違いも時代によって変化するもの。絶対的に正しいものなんてない、自分も相手も正しくない、“娑婆なんてこんなもんだ”と思うと気が楽になりますよ」
 
対世間や対見知らぬ人の怒り対策は“縁をつくらない”ことだそう。
「怒りと縁ができてしまうから、つらい気持ちになってしまう。“見る”という縁をつくらないよう、怒りがある場所を避ければ、心を乱されることはありません」

怒っている自分を見つめる もう一人の自分を意識

怒っている自分を見つめるもう一人の自分を意識

「“自分を俯瞰する自分”は感情にブレーキをかけてくれます。自分と向き合い、“自分だって正しくない”と思うことも、怒りを減らす一歩です」

4.幡野広志さんがアドバイス。「怒りって、憂さ晴らし!」

人生相談のプロ  幡野広志さん

人生相談のプロ  幡野広志さん


写真家。血液のガンにより余命宣告され、思いを書いたブログが話題に。コラムサイトcakesでの悩み相談連載『なんで僕に聞くんだろう。』はサイト史上最も読まれ、幻冬舎から書籍化も。

怒りとは… 憂さ晴らし

対自分: ものごとを損得勘定でとらえ、「怒るのは損だ」と考える
対人 :  「地球に来て日が浅い人間なんだな」と心の中で思う
対世間:  「かわいそうな人だな」と声に出してみる

怒りを“出す”ことは損。心の中で怒るのは自由

「怒りをコントロールするには、損得勘定でものごとを考えるといいと思います。怒りを外に出すのは、疲れるうえに信頼も落ちるのに、効果は薄い。損得で考えると、怒るのって意味ないなあと思いませんか? じゃあなぜ人が怒るのかというと、その正体は憂さ晴らしだと僕は思っています。憂さ晴らしなんかのために、身近な人を傷つけるのはマイナスでしょう」
 
とはいえ、怒りは誰しも感じてしまうもの。幡野さんは、“表に出さない工夫”をしているのだそう。
「僕は怒りをためないために、誰にも見せないデスノートみたいなものを作っています。発信せず、ただ書くだけのものです。他人からぶつけられた怒りも、自分の中だけで処理していますね。僕は変に怒っている人を見ると“地球に来て日が浅いのかな?”と思うようにしているんです(笑)。怒りをそのまま出すなんて、子どものやること。大人ならば、理解してもらえるように、相手を萎縮させないように、センスよく言葉を選ばないと。SNSなどで見かける変な怒りに対してもそうです。僕は画面をスクロールさせながら“かわいそうな人だな”って声に出して言っちゃう。その気持ちを本人にぶつけなければ、心の中で何を思おうが自由だと思います」

誰にも見られない場所で怒りをしっかりと文章に

誰にも見られない場所で怒りをしっかりと文章に

「スマホのメモなどに、嫌だったことを具体的に書く。汚い言葉も使ってOK。不思議なもので、1000文字くらい書くと怒りが収まりますよ」

5.壇蜜さんの一言で、すっと心が軽くなる。壇蜜流怒りの解消法

壇蜜さん

壇蜜さん


だん みつ●1980年12月3日生まれ。TBS系「サンデー・ジャポン」レギュラー出演中。著書『結婚してみることにした。』(文藝春秋)発売中。

怒らないことはあきらめること。発散や共有より忘れるを選びたい

「怒りって“思ってたんとちゃう!”というものが多いように感じますが、それは期待があるから出る感情。期待を放棄すれば、怒らずにすみます。誰かにぶつけても、共有しても、期待は手放せません。忘れるのが得策だと思います」

ちょっといい石けんを買って丁寧に使う。ものも、時間も、自分も有限だと思うと怒りが消えていく

「石けんがすり減っていく様子を眺めてほしい。今って減っていくものを見る機会が少なくて、すべてが永遠にあると勘違いしてしまう。有限を意識すると、“大事にしよう”という気持ちが生まれて、正気を取り戻せますよ」

怒りの感じ方、表し方は性能の違うガスコンロみたいなもの

「とろ火の人、すぐ火が消える人、鍋からはみ出るほど強火の人。怒りの火がどんなものかはその人の性分次第。怒り方が自分と違う人を見たとき、“おたくのガスコンロはそんな感じなのね”くらいの感覚でいられると楽です」

怒りが消えない日は深夜の通販番組

「通販番組はいいことしか言わない。称賛ばかり聞いていると、何も考えずにすむんです。いつの間にか“へーお尻痛くならないんだ”“生卵が!?”って見入っちゃってます(笑)。これは壇ノーベル賞ものの大発見です」

怒るのって下手で当然。上手だったら芸人さんやキャバクラの方のようにそれだけでお金がもらえるんですから。

「キャバクラ嬢は、“来るのが遅いよ!”って上手に怒ってお客さんをいい気分にさせるんですよ。怒りをタイミングよく適切に出せる人は、プロとして技術を磨き、お金を稼いでいる。怒りを扱うのってそれくらい難しいんです」

なにかと怒られがちな人はせめて「人の目を見て挨拶する」何かが変わるかもしれません

「見た目や言い方を強くして怒られにくくしようという風潮がありますが、なかなか難しい。でも、挨拶なら、誰にでもできると思います。目を見て挨拶してくる人に、なかなかいちゃもんはつけられないものです」

壇蜜

ワンピース¥120000/ランバン コレクション

“負けるが勝ち”の精神で怒りをやわらげる

“怒り”とは無縁のように見える壇蜜さん。その理由は……?
「通っていた中学と高校が、女子校ならではの厳しい校風で、感情を激しく出すのはよくないことだとしつけられていたんですね。早いうちから怒りの感情を抑える訓練ができていたんです。そのおかげで、無意識のうちに怒りを手放すことができているような気がします」

現在、怒りに直面する場面が増えているのは、「自分の考えとまったく同じであることを求めすぎているから」だと壇蜜さんは分析。
「たとえばコロナ予防にも、意識のグラデーションがあるじゃないですか。そのなかで自分とまったく同じ色の人を求めてしまうと、怒りを抱いてしまう。“なんでコーラルピンクじゃないの?”と差に敏感になりすぎるのではなく、“なんか紫っぽいけど、同じピンクだしいいかぁ”くらいの寛容さを持つことが大事なんじゃないでしょうか」

また、他人からの怒りは“譲る”ことで対処しているそう。
「私は、“負けるが勝ち”“譲るが得”という向き合い方で怒りを処理します。ぶつかるのではなく、回避ですね。相手の落としどころや逃げ道を探しながら、負けてるふりをして、自分や相手の怒りをやわらげる。これは、人によっては“そんなの弱い!”“だから相手がつけ上がるんだ”と感じてしまうようなやり方だと思います。対男性の場合は特に。でも、相手と強くぶつかったり、論破したりするやり方は私には向いていません。怒りも人それぞれなら、対策も人それぞれ。怒りのかわし方も多様であることを認めて、こちらの方法を否定しないでほしいなと思います。みんな“怒りは嫌だ”という気持ちは同じなんですから」

イラスト/描き子 取材・原文/東 美希 構成/菅井麻衣子〈BAILA〉 撮影/押尾健太郎 ヘア&メイク/妻鹿亜耶子 スタイリスト/奥田ひろ子 ※BAILA2020年10月号掲載

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