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【30代女子のおすすめコミック】吉田秋生の最新作『詩歌川百景』をレビュー

漫画を愛するライター・中川 薫がバイラ女子におすすめの漫画をピックアップ! 今回は、多くのヒット作品を生み出す吉田秋生の最新作『詩歌川百景』をご紹介。小さな温泉町で暮らす人々の営みをやさしく、鋭く描き出した人間ドラマは必読です。

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中川 薫

中川 薫


漫画、酒、旅、K-POPを愛するライター。念願の最新タブレット購入。が、初期不良が続いて寝不足に。

『詩 うたがわ 歌川百景』

©吉田秋生/小学館


TVアニメが話題となった『BANANA FISH』、実写映画化された『海街diary』など、多くのヒット作を生み出す筆者の最新作が『詩歌川百景』だ。『海街〜』の主人公・すずの義理の弟・和樹を中心に、温泉町の人間模様を描く。

町民全員が顔見知りという田舎暮らしにはプライバシーはなく、ハラスメントに対するリテラシーも低い。好意と悪意がごった煮の町で、和樹は湯守をしながら、小学生の弟と認知症の義母の面倒をみている。幼なじみの高校生・妙は実家の温泉旅館を手伝いながら、軽薄で頼りない母親を見張る。親から虐待を受けたり、捨てられたりなど、それぞれ深刻な事情を抱えているのは『海街〜』と通じる世界だ。街並みや四季のみずみずしい描写がモノローグとリンクし、美しい映画を観ているかのよう。子どものままでいさせてもらえない子どもたちは、身勝手な大人たちと自然の厳しさに鍛えられ、強くなっていく。「いいことばかりじゃないけど悪いことばかりでもないわ」と妙が和樹に語る言葉に胸が詰まる。

『詩 うたがわ 歌川百景』

©吉田秋生/小学館

『詩歌川百景』

吉田秋生  

小学館 1巻~ 591円

山形・河鹿沢温泉町が舞台。主人公の和樹は異父弟・守を育てながら温泉旅館“あづまや”で働いている。小さな温泉町で暮らす人々の営みをやさしく、鋭く描き出した人間ドラマ。

 

漫画好きならこれも必読!

『猫奧』

『猫奧』 

山村 東 

講談社 1巻~ 640円 10月23日発売 


“大奥”で生きる女性と猫の、ほのぼのとした日常に癒される

時は江戸時代。“大奥”仕えの女性たちが愛でたのは猫だった。作者の確かな時代考証と猫のゆるい描写のギャップにクスッ。

イラスト/ユリコフ・カワヒロ ※BAILA2020年11月号掲載

【BAILA 11月号はこちらから!】

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