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島本理生の直木賞受賞サスペンス、衝撃の映画化!『ファーストラヴ 』をレビュー【30代のシネマナビ】

海外エンタメ好きなライター・今 祥枝が、30代女性におすすめの最新映画をピックアップ! 今回は、第159回直木賞受賞の、島本理生のベストセラー小説を映画化した『ファーストラヴ』をご紹介。父親を殺した娘の動機を解き明かしていく衝撃作は必見です!

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今 祥枝

今 祥枝


海外エンタメが大好きなライター。一年365日、映画&ドラマざんまいの日々。
Twitter:@SachieIma 
Instagram:sachie.ima

『ファーストラヴ』

©2021 「ファーストラヴ」製作委員会

『ファーストラヴ』

アナウンサー志望の女子大生、聖山環菜(芳根京子)が逮捕された。著名な画家である父・那雄人を包丁で刺し殺し、血まみれで川沿いを歩いていたのだ。ところが警察の取り調べで彼女が語ったのは、「動機はそちらで見つけてください」という挑発的な言葉だった。

なぜ、彼女は父親を殺さなければならなかったのか?環菜の心の奥に隠された真実を求めて、全身全霊で事件に向き合う公認心理師の真壁由紀(北川景子)は、彼女の義弟で弁護士の庵野迦葉(中村倫也)と協力し合いながら、犯行の動機を探っていく。

第159回直木賞を受賞した、島本理生のベストセラー小説を映画化した『ファーストラヴ』。冒頭から俳優陣の圧巻の演技と相まって、息詰まるようなテンションの濃密な映像世界に引き込まれる。

ジャンルとしてはサスペンス・ミステリー。だが、由紀もまた胸にしまっていた父親のこと、そしてやさしく理解ある夫・我聞(窪塚洋介)の弟である迦葉との過去と対峙しながら、“女性であること”で生じる自らの深い苦しみを環菜の中にも見いだしていく。その過程は、重いテーマを扱った社会派ドラマの側面も。なぜなら、由紀や環菜が体験してきた異性からの“性的な視線”に対する不快感や、本能的に身の危険を覚える恐怖は、多くの女性が肌感覚でわかるはずだから。

日常ではなんでもないフリをしているけれど、実際にはこんなことぐらいで……と誰にも言えずに、悲しかったり悔しい気持ちを押し殺してしまう。もしもそんな経験があるならば、魂が共鳴した由紀と環菜が、ついに口にする心の叫びに、思いがけず理解者が現れたような気がして、癒される自分がいるかもしれない。


監督/堤幸彦

出演/北川景子、中村倫也、芳根京子

公開/全国にて2/11より

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『『43年後のアイ・ラヴ・ユー』

©2019 CREATE ENTERTAINMENT, LAZONA, KAMEL FILMS, TORNADO FILMS AIE, FCOMME FILM . All rights reserved.

『43年後のアイ・ラヴ・ユー』 

アルツハイマーを患い、施設に入居した昔の恋人で人気舞台女優リリィのために、自らもアルツハイマーの"フリ"をして入居する元演劇評論家のクロード。彼女が大好きなユリの花で部屋を埋め尽くしたり、ガーシュインの名曲にのせたダンスから思い出のシェイクスピアの『冬物語』まで、全編を彩るロマンチックな要素に心ときめく愛の物語。


監督・脚本/マーティン・ロセテ

出演/ブルース・ダーン、カロリーヌ・シロル

公開/新宿ピカデリーほかにて1/15より


『すばらしき世界』  

©佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会

『すばらしき世界』 
実在の人物をモデルにした小説『身分帳』を原案に、『永い言い訳』の西川美和が映画化。恵まれない生い立ちから人生の大半を裏社会と刑務所で過ごした三上が、身元引受人や近所のスーパーの店主らの助けを得て再出発する姿を描く。まっすぐな性格ゆえ、社会と摩擦が生じてしまう三上を、愛すべき人物として体現する役所広司の名演が涙を誘う。
 
脚本・監督/西川美和

出演/役所広司、仲野太賀

公開/全国にて2/11より

イラスト/ユリコフ・カワヒロ ※BAILA2021年2月号掲載

【BAILA 2月号はこちらから!】

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