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【大人の女友達まとめ】もっと軽やかなつながりでいいのかも! 今あらためて考える心地よい“つながり”とは?

コロナ渦を経て「女友達」との距離感はどう変わり、どんな関係になった? 金原ひとみさんが考える女の友情についてやバイラ読者の本音やリアルレポートなどを参考に、あらためて「大人の女友達」について考えてみませんか。

目次

  1. 1.作家・金原ひとみさんインタビュー。新著に込めた女の友情のかたちとは?
  2. 2.どんなとき女友達との距離感に悩んでる?理想の女友達って?バイラ読者のリアルな声をお届け!
  3. 3.社会人になってからできた女友達との付き合い方とは?〈3人のリアルレポート〉
  4. 4.白鳥久美子さん、長田杏奈さん……など4人がリコメンド。今どきの「女友達」を考える本やドラマって?
  5. 5.「女友達がいないのは変ですか?」に精神科医が回答!ココロのもやもや処方箋

1.作家・金原ひとみさんインタビュー。新著に込めた女の友情のかたちとは?

「『友達』というカテゴライズにしばられない、もっと個人的な関係があっていいんじゃないか。新著『ミーツ・ザ・ワールド』にはそんな提案も込めました」

金原ひとみさん

自分の価値観がいかに脆弱か、他者と出会って気づかされる

今年初めに上梓された金原さんの新著『ミーツ・ザ・ワールド』。雑誌『SPUR』で連載されていた長編小説で、主人公は、焼肉擬人化漫画(!)をこよなく愛する27歳の腐女子・由嘉里。これまで誰ともつきあったことがなく、「推し活」に情熱を注ぐ彼女が、新宿・歌舞伎町で美しいキャバ嬢・ライと出会ったことで物語は動きだす。

「最近、私の周りにも腐女子が増えていて、彼女たちの話を聞いていると、みんなパワフルでバイタリティにあふれていて、たゆまぬ愛情で自分の推しを応援しているんですね(笑)。私はそこまで何かにハマったことがないので、それがとてもうらやましくて、こういう人たちを書いてみたいという思いが最初にありました。そしてそんな彼女が、まったく違う考えをもった女性と共同生活を送ったらどうなるか。人と人が出会って、関係を築いていくことの可能性を書けたらと思いました」

生き方も価値観もまったく違うものの、惹かれ合い、互いに向き合おうとする二人。固定観念にしばられて生きてきた由嘉里もライと出会ったことで、次第に新たな世界の扉が開かれていく。

「人の価値観や理想は、主に育った家庭やコミュニティによって形成されていきますけれど、それに対して、『それおかしくない?』と突っ込みを入れてくれる人と出会うことで、自分の信じる価値観が思い込みにすぎなくて、いかに脆弱なものか、初めて気づくことができると思うんですね。その中で、あらためて自分が信じられるものを見つけることは、大変な作業ですけれど、これからは、自分で生き方を決めていくことが必要とされる時代だと思います。由嘉里も、人の手を借りながらも少しずつ自分のあり方に自覚的になって、ちょうどいい着地点を見つけられたのかなと思います」

それにしても作品に登場する焼肉擬人化漫画『ミート・イズ・マイン』なるものが、あまりにリアルで、現実に存在するのかと思ってしまうほど。

「友人が国を擬人化した『ヘタリア』という漫画にハマっていて、擬人化というモチーフに興味を持ちました。それで何かにハマっている主人公を書きたいと思ったとき、せっかくなら自分の好きなものにしたいと思って、それなら肉かなと(笑)。焼肉なら細かい設定もつくりやすいし、長い連載の間も楽しいだろうと思って。実際、『ミート・イズ・マイン』の設定を考えているときはすごく楽しかったですね」

「人間関係って流動的だし、瞬間的なつながりがあっていい。友情も四季の移り変わりのように変化するものだと思う」

自分の個人的な思いで人間関係は成り立っていることを自覚して

本著の中で描かれる由嘉里とライの関係は、一般的な「女友達」のそれとはかなり異なっている。心が通う一瞬があっても二人は同化せず、むしろお互いの差異を尊重し、受け入れることで強く結びついていく。金原さんは、二人にどんな思いを託したのだろうか。

「そもそも『友達か、友達じゃないか』というくくりをすることの野蛮さってあると思うんですね。男女の関係もそうですけれど、レッテル貼りとかカテゴライズをするのではなく、もっと個人的な関係があっていいんじゃないか。そういう提案もこの本には込められているので、由嘉里とライの関係もはっきりさせてないですし、この二人にしか築けなかった関係と私はとらえています。

『誰が本当の友達なのか』とか、『友達と親友の違いはなにか』とか、正直、私はどうでもいい話だと思っていて。そうやってカテゴライズするから、そこに付随するイメージとか、思い込みにしばられて、『友達なのに……』みたいに苦しい気持ちになったりするんだと思います。これは恋愛や親子関係にも当てはまりますよね。自分と相手の個人的な思いで人間関係は成り立っているということに自覚的になれば、ややこしい人間関係で悩むことも減るのではないでしょうか」

そもそも「友達」という言葉のイメージに、私たちがしばられすぎているのではないかという。

「友情は永遠に続くもの、揺るがないものだと考えがちですけれど、人間関係って、もっと流動的だし、瞬間的なつながりがあっていいと思うんです。人生を長く生きていると、友達でも恋人でも人生がクロスする瞬間があって、また離れることも普通にあります。学生時代の親友と、卒業後は疎遠になっちゃったけど、子育てを終えた頃に、今度は『今、BTSにハマってて』『えっ、私も~!!』みたいに友情が復活するかもしれないし。人間って“生もの”なので、いろいろな偶然の中で、関わったり、関わらなかったりするものだと思うんですね。コロナ禍で友人関係に変化があった人も、友情とはそういう四季の移り変わりのようなものだと思うと楽になるんじゃないかな」 

そして、「移ろう友情は決してむなしいものではない」とも。

「今、偶然ここに一緒にいるという感覚のほうが、その瞬間、瞬間を大切にしようと思えるし、相手に何かを課すこともなくなるだろうし。友情って、本来、そういう自然発生的なものであるべきなんじゃないかと思います」   

彼女といるとすごく開放感があって、純粋に個と個でつきあえる感じ

そんな金原さんには、実は片思い!?している女友達がいるのだそう!

「私がフランスで暮らしていたときに出会った友達で、彼女は旦那の転勤でパリにいたんですね。今はお互いに日本にいるので、よく二人で飲んだくれています。会うとくだらない話をしてるだけなんですけど、一つひとつのエピソードが面白くて、彼女といるときほど、楽しい時間はなくて。私は彼女のことが好きで好きでしょうがないんですけれど、彼女はむちゃくちゃコミュニカティブで友達がわんさかいるタイプなんですよね。最近も『また海外に行くかも』と言ってて、『海外に行ったら会えなくなるじゃん、寂しい!』と私が言うと、『来ればいいじゃん~』って、私と離れることなんて何とも思っていない感じなんです。でもそれがよくて、さらに『好き』ってなるんです(笑)」

なんともユニークな関係!

「お互い何かに悩んで相談しても破滅的なことしか言わないし(笑)、支え合うとか、全然ないんですけれど。ただ、彼女のいいところは、自分と誰かを比べることはしないし、カテゴライズとかレッテル貼りとかを一切しないところなんです。自分の人生を真正面から生きている人なので、一緒にいてすごく開放感があって。ママ友っていう関係でもなくて、純粋に個と個でつきあえる感じなんです」

うらやましい! これぞ理想の大人の女友達かも。では、どうしたら、こんな自由な関係を築けるのだろう。

「根本的に自分の中に揺るがないものがあって、自分の人生は他人の人生とは違うということを身体感覚で受け入れることができるようになったら、人間関係もラクになると思います。ただ、そう簡単にはいかないですよね。もし友人関係でつらい思いをしたり、心が激しく揺れ動いてしまうようだったら、すべてシャットアウトするというのもありかも。それで健康な精神を保てるのなら、長いスパンで考えて、2~3年は友達とは連絡をとらなくてもいいと思うし。そしてそういうときこそ、由嘉里のように心に推しをもっていると、意外と強いと思いますよ(笑)」

金原さん新刊はこちら!

『ミーツ・ザ・ワールド』

『ミーツ・ザ・ワールド』
金原ひとみ著 集英社 1650円
焼肉擬人化漫画にハマる腐女子の由嘉里は、夜の新宿歌舞伎町で、美しいキャバ嬢・ライと出会い、一緒に暮らすことに。価値観も理想も違うライの存在が、由嘉里の世界を大きく変えていく。

「歌舞伎町という、言ってみれば動物園みたいなところで、いろんな生き物を見て、自分がどんな生き物なのかを把握していくという体験が、由嘉里の中でできたかなと思います。トモサン、ミノくん……といった焼肉擬人化漫画のキャラは、焼肉に関する本を読み込んで作り上げました」

金原さんからバイラ読者へ
“女友達”について考えるおすすめの本

『カンバセーションズ・ウィズ・フレンズ』

『カンバセーションズ・ウィズ・フレンズ』
サリー・ルーニー著 山崎まどか訳
早川書房 2530円
大学生で詩人のフランシス、元恋人のボビー、ジャーナリストのメリッサとその夫ニック。濃厚な四角関係に現代の病理が映し出される。アイルランド出身の著者は本作で文学界のスターに。

「フランシスとボビー、二人の女性の会話が知的で生き生きとしていて劇的だったのと、二人の関係性がなれあいではなく、自立した者同士の厳しさがあって普遍性を感じました。また、主要人物4人はそれぞれ現代的な生きづらさを抱えていて、こんなに今っぽい小説は久しぶりでした」

作家・金原ひとみさんインタビューの記事

2.どんなとき女友達との距離感に悩んでる?理想の女友達って?バイラ読者のリアルな声をお届け!

Q.コロナで女友達との関係はどうなった?

なんとなく集まっていた人とは疎遠に。誰が大切で長くつきあいたいのか外出自粛を機にクリアになった!
感染拡大する前は、いろんな女友達と頻繁に連絡を取り合い、ごはんや飲み会も積極的に参加していた。でも外出を自粛するようになり、“とりあえず集まっていた人”と“会いづらい状況下でも連絡を取り合いたい人”との違いに気がつけた(30歳・公務員)


日々の小さなことが共有しづらくなり、寂しさを感じてしまう瞬間も…
これまで、楽しいこと、またはちょっとした不満などは女友達と笑ったり怒ったりすることで共有し、ストレス解消&元気を補充し合っていたと思う。コロナ禍で気兼ねなく会うのが難しい今、それなりに寂しさを感じている(32歳・会社員)

Q.理想の女友達って?

大久保佳代子さんと友達になりたい!(32歳・金融)


阿佐ヶ谷姉妹の関係性に憧れる
(37歳・自営業)

バイラ読者の「女友達」事情って?

Q.女友達との距離感に悩むのはどんなとき?

相手の近況がまったくわからない女友達。どんな話題を振ったらいいのか困る
SNSをまったくしない女友達。「元気にしているかな?」と連絡を取りたくとも、彼女の近況がまったくわからないまま何年もたっているので話題のとっかかりがない……。一体どういう距離感で声をかけたらいいのか迷う(34歳・会社員)

結婚、出産…。ライフイベントの話題に乗れず、みんなを遠く感じてしまう
学生時代からの女友達グループの中で、たまたま結婚や出産などの個人的なイベントがいちばん遅かった私。その時々でみんなが盛り上がり&共有する話題に一人だけついていけず、今でも彼女たちとの会話には、距離を感じることが多い(36歳・会社員)

Q.女友達がいてよかった!と思う瞬間は?

リアルな体の悩みや美容について共感&励まし合えるのは、女友達ならでは!
30代も半ばを過ぎた今では、体の変化についての悩みや、エイジング対策、美容情報を本音で語り合える女友達は心強い存在! ときにはギャグを交えたりしながらも「お互い、この先も励まし合って生きていこう」と思える(38歳・会社員)

心のモヤモヤを分かち合える安心感と、くだらないネタでも盛り上がれる楽しさ
恋愛、仕事、人づきあい。ささいなことかもしれないけれども、女性目線で感じたモヤモヤを分かち合えたときに、女友達のありがたみを感じる。また、オチのないくだらない話題で延々と盛り上がっているときも楽しい!(30歳・受付事務)

【大人の女友達】バイラ読者のリアルな声の記事

3.社会人になってからできた女友達との付き合い方とは?〈3人のリアルレポート〉

1.大人になった「今」の自分の価値観を共有

林 由里さん(34歳)

ブランドコンセプター

林 由里さん(34歳)

遊び方、仕事への意識。彼女と一緒にいると学ぶことが多い!

結婚、出産、仕事復帰などのライフイベントを経た今、数年前に知り合った3歳年上の女友達といい距離感でつきあうようになった林さん。旅行にも一緒に行く仲間の一人。「彼女はいつも気さくに接してくれる人。ファッション系エディターという職業柄、トレンドに詳しく視野も広い! 共通の話題もあり、仕事の学びを得る機会も多いです」。実は林さん、ここ2年ほどで女友達とのつきあいを見直したという。

「今の私は仕事や家庭に集中したい時期。学生の頃から定期的に集まってきた仲間も好きだけど、大人としての価値観を共通し、いい距離感を保てる人間関係も大切にしたいと思いました」

エディターの女友達とは、こんな交流をしている。「お互いのパートナーも交えて家を行き来したり、月1のペースでお茶しています。美味しいものが好きな働く女性同士、選ぶお店に気をつかわなくていいのもラク。近からず遠からず。でもリラックスと刺激を与え合える関係を楽しんでいます」

Q.「女友達」ができたきっかけは?

A.「今から数年前に同業の友人が主催した会に参加したのがきっかけ。美味しいものや旅行好きの人たちが集まる中で意気投合し、自然と二人で会う仲に」

Q.林さんにとって「女友達」って?

A.「お互いをいい距離感で受け止め合いつつ、人としての刺激や尊敬も与えてくれる存在。比べ合ったりマウンティングする関係は違うかなと思います」

右が林さん。プライベートだけでなく、仕事でもあるファッションにも刺激を受け合っている。今日のコーデ、なんだか似ている!?

右が林さん。プライベートだけでなく、仕事でもあるファッションにも刺激を受け合っている。今日のコーデ、なんだか似ている!?

仲間数人と海外旅行にも。

仲間数人と海外旅行にも。「旅で距離が縮まりました。敬語で話すけれど気をつかわない心地いい関係」

「お互い独身時代に出会い、今は二人とも結婚、私は出産。ライフステージが変わって会う頻度は減っても、変わらず話せるのが嬉しい」

「お互い独身時代に出会い、今は二人とも結婚、私は出産。ライフステージが変わって会う頻度は減っても、変わらず話せるのが嬉しい」

2.昔の友人&共通の趣味から新たな仲間が

大谷玲奈さん(35歳)

スタイリストアシスタント

大谷玲奈さん(35歳)

年齢や職業も別々。だからこそ気負いすぎず、仲よくできる関係に

音楽やアウトドア好きな女友達3人のうち、ひとりは幼なじみ、二人は大人になってできた友人。「2歳年上、7歳年下と年齢も違い、職種もバラバラ。最初、年上の女友達には敬語を使うべき?と迷ったのですが、プライベートで知り合った大人同士だし、と敬意は持ちつつ自然な言葉遣いにしたら、いい関係に。今では彼女が好きな料理の話をしてくれたりと、話題にも広がりが! 年下の子も、委縮せずに接してくれるのが嬉しいですね。私自身、年齢を重ねるにつれ、いろんな年齢や価値観の人とふれあおうと意識している部分はあります。いつも同じコミュニティにいると、話題が閉塞的になるときもありますし。今は幼なじみ、そして二人の趣味友達とたまに集まる関係が、風通しがいいなと感じています」

Q.「女友達」ができたきっかけは?

A.「中学時代の親友が、音楽好きな私と、趣味の近い二人を紹介してくれたのがきっかけ。コロナ前はフェス、今はアウトドアを楽しむグループになりました」

Q.大谷さんにとって「女友達」って?

A.「束縛し合わず、相手の好きなものを尊重し合える。そしてときには言葉だけではなく、行動で優しさを示し合ったり……。お互いが自由でいられる関係です」

「出発はフェス仲間。幼なじみのパートナーなども交えて、キャンプへ行くように。私は力仕事担当です(笑)」

「出発はフェス仲間。幼なじみのパートナーなども交えて、キャンプへ行くように。私は力仕事担当です(笑)」

「山中湖畔でキャンプをしたときに記念撮影」。新たなコミュニティを通じ、"深く狭く"以外のつながりもいいなと実感している

「山中湖畔でキャンプをしたときに記念撮影」。新たなコミュニティを通じ、“深く狭く”以外のつながりもいいなと実感している

3.オンラインのつながりが心地いい居場所に

太田 冴さん(32歳)

スーパーバイラーズ

太田 冴さん(32歳)

特別な反応がなくても「彼女とつながっている」ことで安心できた

緊急事態宣言中に、オンラインで新たな友情を育てた太田さん。「実はコロナ禍が始まった’20年2月にフリーランスに。4月から大学院にも入学と環境が変わったものの、新たな人間関係構築どころか人に会うのもままならない状態へ。SNS上でなにげない日常を共有できる女友達・ナースあさみさんと、つぶやきに反応してくれるネット仲間は貴重な存在でした。彼女がいなければ、孤独だったと思います。30歳を過ぎ、リアルな友人はそれぞれ忙しい年頃。話題にも気をつかいます。あさみさんとは年齢が近いなどの共通項もありつつ、ベースはネットなのでゆるくつながれるのがいいです。現実の人間関係に疲れたら、彼女が存在する空間がある。新たな居場所にいる友人として、大切にしています」

Q.「女友達」ができたきっかけは?

A.「『note』というSNSでエッセイを書くうちに、お互いの文章を読み合うようになり交流開始。彼女を中心に10~20人ぐらいのネット上の友人がいます」

Q.太田さんにとって「女友達」って?

A.「なにげない日常や、楽しいことを共有できる相手。すべてさらけ出し合う必要はなく、ゆるやかにつながり、お互いの人生を肯定できる存在だといいなと思います」

「私はキャリアや資格について、ナースあさみさんは医療や暮らしのエッセイを執筆。内面を知ることができるのもいい」

「私はキャリアや資格について、ナースあさみさんは医療や暮らしのエッセイを執筆。内面を知ることができるのもいい」

「コロナ禍直前に開かれた"推しスーパーのプレゼン"オフ会が初対面。その後二人で外出。リアルで会ったのはこの2回だけ」

「コロナ禍直前に開かれた“推しスーパーのプレゼン”オフ会が初対面。その後二人で外出。リアルで会ったのはこの2回だけ」

【大人の女友達】3人のリアルレポートの記事

4.白鳥久美子さん、長田杏奈さん……など4人がリコメンド。今どきの「女友達」を考える本やドラマって?

最近よく聞く“シスターフッド”って?

「女性同士のゆるやかな連帯」のこと。利害関係を超えて助け合ったり励まし合えるつきあいを指す。20世紀のウーマン・リブ(女性解放)運動の中で発達してきた概念。近年、#Me Tooやジェンダー意識の高まりで再注目され、エッセイや漫画、ドラマなどエンタメ作品で描かれることが増えている!

自分とは世代や趣味の違う女性たちの連帯ものに惹かれます

白鳥久美子さん

芸人・たんぽぽ

白鳥久美子さん


’08年にお笑いコンビ「たんぽぽ」で活動開始。相方の川村エミコさんはもちろん、清水ミチコさん、光浦靖子さんなど女性芸人との交流の深さでも知られる。

「同世代の女友達ももちろん大切ですが、年の離れた女性とのつきあい方も教えてくれるのが『ハイパーミディ 中島ハルコ』。また、それまで知ることのなかった世界を『腐女子のつづ井さん』で知りました。多様なシスターフッドに触れたい方におすすめの2作です」

友情ともまた違う厳しくも心温まる関係。うらやましくなります!
「38歳のいづみが出会ったのは、型破りすぎる年上の女社長・中島ハルコ。彼女がいづみに放つ人生訓は、刺さりすぎてうろたえますが、年齢が近い女同士では遠慮して言えない本音ばかり。年の差がある女性との、友情とも違う、厳しくも優しさある関係に憧れてしまう漫画です」

『ハイパーミディ 中島ハルコ』

『ハイパーミディ 中島ハルコ』
東村アキコ作画 林真理子原作  集英社 484円

腐女子たちの豊かな人間関係にときめくコミックエッセイ
「腐女子のつづ井さん&友人の日常を綴った作品。推しに対してまっすぐなゆえに、ねじれてしまう登場人物たちがキュートすぎる! 同じ価値観を共有し合ったり、いきすぎた思いはそっと見守ったり、しっかり突っ込んだり。推し活に励む乙女たちの豊かな関係性が愛おしいです」

『腐女子のつづ井さん』

『腐女子のつづ井さん』
つづ井著 KADOKAWA 1045円

ともに生き、笑い、美味しいものを食べる。大人の連帯を感じる2作

トミヤマユキコさん

ライター・大学講師

トミヤマユキコさん


『少女マンガのブサイク女子考』『夫婦ってなんだ?』ほか著書多数。現在「世界は二人組で満ちている!バディ考」を、大和書房のWeb上で連載中。

「今、Web上で“二人組”についての考察を書いていますが、もちろん女性同士の連帯も世にはたくさんあります。『胃が合うふたり』は食の好みが合うタッグ、阿佐ヶ谷姉妹の二人はともに生き、笑う、最強のコンビだと思います!」

胃から始まる友情もアリなのだと教えてくれる!
「食いしん坊の大人二人によるリレー形式のエッセイ。新井さんは書店員のかたわら踊り子業を開始。小説家の千早さんは引っ越しを経験し、とそれぞれの日常は異なりますが、美食の一点でつなぎ合わされ、友情が深まっていく一冊です」

『胃が合うふたり』

『胃が合うふたり』
千早茜・新井見枝香著 新潮社 1760円

二人の日常が尊すぎて泣けてくるエッセイ。ドラマもおすすめ
「6畳一間で二人暮らしをする江里子さんと美穂さん。自分たちを『ビジネス姉妹』と言っていますが、実態は無敵の二人組! ひとりっ子ゆえに“江里子過多”になる美穂さんと、美穂さんが好きすぎる江里子さんのデコボコ感もたまりません」

『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』

『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』
阿佐ヶ谷姉妹著 幻冬舎文庫 660円

違った二人が結ぶ友情、“見映え”を超えた関係性を見せてくれる作品をイチ押し

吉田明世さん

アナウンサー

吉田明世さん


TBS勤務を経て’19年からフリーアナウンサーとして活動中。現在、TOKYO FM「ONE MORNING」「THE TRAD」にレギュラー出演中。

「『天使なんかじゃない』は恋愛を通じて成長する二人の強い絆を描いた名作です。『レッツ・カーニバル!』はSNSが氾濫する現代社会の中での人間関係について考えさせてくれるドラマ。新旧問わず、様々な関係性を描き出す友情ものからは学びがありますね」

真逆なキャラの二人が恋を通じて絆を深める永遠の名作漫画!
「主人公でみんなの人気者の翠と、優等生のマミリン。正反対の二人が同じ生徒会に入り、好きな人のために奮闘しながら距離を縮める過程から目が離せません。どんな相手とだってきっかけがあれば心を通わせられるのだと思える作品」

『天使なんかじゃない』(新装再編版)

『天使なんかじゃない』(新装再編版)
矢沢あい著 集英社 792円

いいねやフォロワー数を超えた女友達との関係性が描かれるドラマ
「主人公はインスタのフォロワー数を増やすために、女友達と“映え旅行”に出かけます。SNS時代を生きる私たちにとって、いいねやフォロワー数だけでは測れない真実の関係を教えてくれるドラマです」

『レッツ・カーニバル!』

『レッツ・カーニバル!』
Netflix映画『レッツ・カーニバル!』独占配信中

これまでの女×女のイメージを覆す、エッセイとドラマがおすすめ

長田杏奈さん

ライター

長田杏奈さん


美容を中心に様々なメディアで活躍。性暴力や女性議員数などの社会問題に対して、等身大で発信を続けている。著書に『美容は自尊心の筋トレ』。

「テンプレートで描かれがちな女×女の関係性には違和感があります。『女ともだち』はそういった従来の枠を超えて、女性の多様な関係性に触れられる作品。『調査官ク・ギョンイ』は、仲よしではなく“好敵手”としての女同士の関係性にヒリヒリできる作品です」

女二人の関係性を徹底解剖。多様な仲があると実感できる
「“女性二人”の物語の関係性に焦点を当てたエッセイ。様々なフィクションを機知に富んだ丁寧なまなざしで因数分解&再解釈。人気作品の中に出てくる『女友達』像の解像度が上がり、幅広い関係性に触れることができる一冊です」

『女ともだち  ガール・ミーツ・ガールから始まる物語』

『女ともだち ガール・ミーツ・ガールから始まる物語』
はらだ有彩著 大和書房 1650円

大人の女たちのヒリヒリする関係。これもまた「友情」
「曲者たちがクセ強いまま、孤独に点滅し合うクライムミステリー。似た者同士でお近づきになるだけが『女友達』じゃない。腹にいちもつ抱えながらたまに背中を預けあったり、手の内を読み合う好敵手が実はいちばんの理解者だったりします」

『調査官ク・ギョンイ』

『調査官ク・ギョンイ』
Netflixシリーズ「調査官ク・ギョンイ」独占配信中

今どきの「女友達」を考える本やドラマの記事

5.「女友達がいないのは変ですか?」に精神科医が回答!ココロのもやもや処方箋

水島広子先生

精神科医

水島広子先生


対人関係療法専門クリニック院長。「対人関係療法」の日本における第一人者。著書に『女子の人間関係』(サンクチュアリ出版)など。

バイラ世代はもう大人。我慢や忖度で女友達をつくる必要はない

終わりの見えないコロナ禍の中で、女友達と会う時間が減った私たち。そこであらためて「独りぼっちだったんだ」と孤独感を深めた人も。

「物理的に女友達との接点が減ると孤独になるのは当然だと思いますよ。でも同時に、すべてのつきあいが必要だったか再考を。なんとなくつながり、社会へ参加する欲求を満たしていた関係もあったはずです。逆に今は、煩わしさから解放された分の時間を趣味に費やす、誰かと気軽に話したい気持ちが強まったら、オンライン上で雑談する空間をつくるなど、自分軸で女友達とつきあう、新たな環境をつくれるチャンスです」

一方、なぜか女友達が少ない、できない、続かないという悩みは、コロナ禍とは関係なく、普遍的なもの?

「そうですね。でもこれも無理につくる必要はないと私は思います。中には必要以上に相手へ踏み込むタイプ、周りの人に顔色を読ませるタイプなど、面倒な性質を持つ人もいますから。関わらないほうが平和に生きられる場合も(笑)。無理に女友達をつくるのではなく、自分が相手に振り回されることのない思考法を身につけましょう」

「そして人間関係は忖度ではなく、誠実さでつくられるもの」と水島広子先生。

「まず自分の心の領域を守り、相手にも示してあげること。たとえば同僚が上司に怒られていたとします。『慰めてあげなくちゃ!』と焦って動くのは忖度。相手だってあなたに何も求めていないかもしれない。そこを『私、今15分時間あるよ。なんかモヤモヤしてるんだったら聞くよ?』と声をかけるのは誠実さ。人間関係は誠実な“今”の積み重ねの連続で続いていくもの。大人の女同士のつきあいは、各自のライフスタイルが様々で、それゆえに気をつかいすぎたり、疎遠になる局面も多いと思いますが、自分ができる範囲で声がけをしたり、相手に質問をしながらつきあうのがベスト。30代はもう自立した大人の女性です。少しずうずうしく、かつ誠実に接することで、自分も周りもラクになれるはずです」

「女友達」

バイラ読者に贈る『素敵な女友達関係を築くための3つの魔法のコトバ』

違う立場も尊重する気持ちを
「仕事が忙しい人、結婚している人、子育て中の人。様々なライフスタイルを送っているのがバイラ世代。だからこそ小さなことでも『私は〇〇したい。あなたはどうする?』と質問し、相手の立場を尊重する習慣を」

ベタベタだけが友達じゃない
「密着した関係を続ける=仲よしではないです。大人になれば避けたい話題のひとつやふたつはあるはず。そんなときは無理に楽しそうに聞かない、一時的に離れるなど、“自分の心の領域”を守るのもつきあい方のコツ」

そのひと手間が相手を救うかも!?
「とはいえ、女友達との間にも、もちろん思いやりは必要。悩んでいるようだったらひと声かける、次の機会に気が紛れる何かを渡す、など。あくまで自分ができる範囲で、相手を励ましたり、見守れるといいですね」

精神科医・水島広子先生のアドバイスの記事

撮影/須藤敬一(金原ひとみさん)、イマキイレカオリ イラスト/本田佳世  取材・原文/佐藤裕美(金原ひとみさん)、石井絵里 ※BAILA2022年3月号掲載

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