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【 #吉高由里子 と好奇心《まとめ》】旅、食、仕事、人生。吉高さんの“好奇心”の現在地とは?【BAILA2・3月合併号カバーインタビュー】

デビュー以降、数々のヒット作に出演してきた実力派俳優の吉高由里子さん。BAILA2・3月合併号の表紙を飾ってくれました。人が好き、旅が好き、面白いものが好き。興味を持ったものにはどんどん飛び込み、心と体をちゃんと動かしながら人生を楽しむ。そんな彼女の“好奇心”の現在地とは?

旅への好奇心

自分の時間を確保するために飛行機に飛び乗った、20歳の頃

吉高由里子

名前と顔を覚えてもらうために多忙な日々を送っていた駆け出しの若手時代、「休日だったはずなのになぜか働いている」状況が続いてることに業を煮やして「だったら、パスポートを使って遠くに行っちゃえばいいんだ‼」と休日を獲得すべく国外へと飛び出したのが、私の“旅”の始まりでした(笑)。

幼い頃から“よその家”が大好きで、友達の実家にもよく遊びに行っていた私が、最初の旅に選んだのはホームステイ。そこで様々なカルチャーショックを経験。英語をろくに話せなくてもゲームは世界共通で、「マリオカート」さえできれば通じ合えることも学びました。

初めての一人旅はパリとロンドン。二つの国を結ぶユーロスターに乗っている途中で時差が変わり感動したのを今でもよく覚えています。

吉高由里子

あれから何十回と飛行機に乗りいくつもの国や街を旅してきました。相変わらず海外の“よその家”も大好きだし、初めて訪れる国での初体験はいつも私をワクワクさせてくれる。

でも、今はいつの間にやら“食”が旅の大きな目的に。観光よりも「この国のこれが食べたい」で行き先を決めている私がいたりします(笑)。

ニット¥12100/ゲストリスト(ステート オブ マインド) シャツ¥29700/モールド(チノ) パンツ¥20900/ステュディオス カスタマーサポート(シティ) バッグ¥324500/トム ブラウン 青山(トム ブラウン)

食への好奇心

16歳、初めてのアルバイト代の使い道は洋服でもコスメでもなく“カニ”でした

吉高由里子

今、行きたい国はスペイン。食べたいのはバルでいただく小皿料理やピンチョス。実は新型コロナウイルスが蔓延する直前にスペインでのお仕事が決まっていて、あれも食べたい、これも食べたい、夢をふくらませていたのに行けなくなってしまったんです。

一度「食べたい」と思ったらあきらめることができない、私、食に関してはしつこいんです。実際、あれから約3年、ずっとピンチョスのことを考え続けていますからね(笑)。

このエピソードからもわかるように、私は食い意地が張っています。16歳、初めてのアルバイトで稼いだお給料の使い道も“食”。コスメでもなく、洋服でもなく、まさかのカニを食べに行ったっていうね(笑)。

誰かにおごってもらったり、ご馳走してもらうのではなく自分の好きなものを、自分で稼いだお金で、自分の好きなだけ食べる。それは私にとっての至福で、きっと働く原動力にもなっているんだと思う。

仕事への好奇心

34歳の今だって『向いていない』と思う。でも、いつもこの場所に戻ってくる

吉高由里子

どんなに経験を積み重ねても緊張するし、エネルギーの配分だってつかめないまま。「無理!」「向いていない!」「もうやめる!」、逃げ出したくなったことは何度もある。毎回、半ベソかきながらやっていますからね。「怖い怖い」って言いながら。

それでもなぜ、私は女優の仕事を続けているのか。それはきっと、「一緒にやろう」と言ってくれる人がいるから。一人じゃなく、みんなで乗り越えるからこそ、目の前の壁にも挑めるんだと思う。

お芝居に関しては楽しいことばかりではなく、考え込むときはすごく考え込む。でも、自分ではない人物の感情を考えるというのが、この仕事にしかない醍醐味なのかもしれない。役柄のキャラクターや背景を踏まえながら「私だったらこうするけど、この人だったらどうするのか」考える。

今まさに、ドラマ「星降る夜に」で演じる雪宮鈴でそれをやっているところなのですが、作品の中の役柄とはいえやっぱり興味深くて。私の好奇心は「その人の内側を見てみたい」ということに向いているんだと思う。

人生への好奇心

“あきらめ”を“許す”という言葉に変えて今の自分を受け入れると人生は少し楽しくなる

吉高由里子

「私は子どもの頃から好奇心旺盛でした。気になるものを見つけると通り過ぎることができない。結果、あっちに行ったり、こっちに行ったり。父の洋服をつかんでいたはずなのにパッと見上げたら知らないおじさんだった、そんなこともしょっちゅう。今までに軽く10回は迷子センターのお世話になっています(笑)」

家族旅行に出かけた先で噴水に見とれている間に置き去りにされ、興味の赴くまま知らない道を選んで歩いては迷子になり、心配して声をかけてくれた家族の家でちゃっかりラーメンをご馳走になった過去も。

「気になったら、知りたい、やりたい。後先考えずに行動を起こしてしまうのは大人になってからも同じ」と笑う。

「パリで一人旅をしたときも、現地の若者に誘われるままバイクの後ろに乗ったら、たどり着いた場所には悪そうな人たちがたむろしていて。“あ、これはやらかしてしまったな”と後悔。でも、私は焦るどころか“仕方ないな”と(笑)。バイクの後部座席から見たパリのあでやかな夜景を思い出しつつ“こんな美しいものを見ちゃったんだもん。死んでも仕方ないよな”となぜか思ってしまった。

結果、その若者たちは外見とは裏腹にとてもいい人たちで、帰りたいと告げたらすぐに私をホテルまで送ってくれたんですけどね(笑)」

次から次へと飛び出す驚きのエピソード。好奇心旺盛ゆえに、楽しい思いも痛い思いもたくさん経験したそうだ。

「信じられない失敗をやらかすこともあるから、一概に好奇心を全肯定はできないんですけど(笑)。総合的に考えると好奇心旺盛でよかったなと思う。痛い目にもあうけれど、それ以上に楽しいことや面白いことに出会えるから」

飾らずフランクに質問に答えたかと思えば、突拍子もない発言でスタッフを翻弄。取材現場では何度も爆笑が巻き起こり、気づけば、その場にいる全員が吉高由里子の虜に。“天性の人たらし”の異名を持つ彼女だが、それもまた相手への好奇心があるからこそ。

「学生の頃は皆が横並びで“同じ”を求めていたけど、大人になるにつれその列を離れ、その人の人物像が見えてくる。それはまるで、手足が生えて歩き出す姿を見ているようで面白い。

どんどん強くなる個性を前に“同じ時代を生きているのにこうも違うのか‼”と驚くこともあれば、その違いを深掘りしたくて仲よくなることも。人への好奇心も強いんでしょうね、私(笑)。仕事現場でもよく想像するんです。現場では集中して働いている姿しか見ていないけど、この人はどういう人なんだろうって。

表面だけではなくその一枚裏側をのぞきたくなってしまう。だからこそ、現場が押して余裕がなくなったときの姿だったり、お酒に酔って社交的になったときの姿だったり、ガードがゆるんだ瞬間の姿を見るのが私は好きで。ついつい相手をイジってしまうことも。どんな反応をするのか、どこまでなら怒らないのか、その人の“人間っぽい”素顔が知りたくて(笑)」

「道路の白線の上を歩く」と決めて家に帰ったあの頃から私は変わっていないのかも(笑)

最近、彼女はゴルフにハマっている。その魅力を尋ねると「まだ下手だからこそ、上達が目に見える。大人になってからはお久しぶりなその感覚が面白くて」という答えが返ってきた。自分への好奇心もまた旺盛。

「こないだも、グラタンをオーブンに入れたときに急に思いついてしまったんです。チーズが溶けるまでスクワットしようって。そしたら、想像以上に溶けるまで時間がかかって。つらいならやめればいいのに“これは自分との闘いだ”と意地になって最後までやり遂げましたからね。足がプルプルと生まれたての子鹿のように震えるまで(笑)」

幼い頃は「道路の白線の上を歩く」と決めて「どこまで歩いて行けるのか」試すような女の子だった。そんな自分を振り返り「怖い‼あの頃と何も変わってない‼」とケラケラ笑う。変わらぬ好奇心があるからこそ、彼女はいつまでも少女のようにチャーミングで、小さなことにも心を揺らし人生を楽しみながら歩むことができるのだろう。

「一応、私にだって嫌だなと思うことはあるし、内側にたまった気持ちを吐き出すようにウワッと泣くこともあるんです。考えるなと言われても考えてしまうのが人間だし、悩むなと言ったところで無理な話。

だからこそ、私は自分を許してあげることが大事だと思うんです。こうなりたい理想ばかりを目指すと疲れちゃうから、自分のダメなところも認めて、それなりのやり方を見つける。完璧じゃない自分も、未熟な自分も、白線の上を歩き続けてしまう自分も……。“あきらめる”のではなく“許す”という言葉に変えて受け入れたら、人生は少し楽しくなる気がしています(笑)」

ジャケット¥55000/デパリエ ニュウマン新宿店(デパリエ) パンツ¥47300/ジャーナル スタンダード 自由が丘店(ミオズモーキー) イヤリング¥1254000/ブシュロン クライアントサービス(ブシュロン) リング¥165000/シハラ トウキョウ(シハラ) その他/スタイリスト私物

ドラマ「星降る夜に」
脚本/大石 静
出演/吉高由里子、北村匠海ほか
2023年1月放送開始・テレビ朝日・火曜夜21時 

窮屈な社会の中で毎日を消化するように生きている雪宮鈴(吉高)の前に現れた、どこまでも自由に生きる10歳年下の柊一星(北村匠海)。自分とは真逆を生きる一星に振り回されながらも、鈴は自分を苦しめていた既成概念から解放され始める……。窮屈な社会の中でどこか息苦しさを感じている大人女子、共感必至のラブストーリー。

吉高由里子

吉高由里子


よしたか ゆりこ●1988年7月22日生まれ。デビュー以降、数々のヒット作に出演してきた実力派俳優。2021年はドラマ「最愛」が大きな話題に。2024年の大河ドラマ「光る君へ」で主人公の紫式部を演じることが決定。彼女の活躍に注目が集まっている。

撮影/土屋文護〈TRON〉 ヘア&メイク/Ryo スタイリスト/有本祐輔〈7回の裏〉 取材・原文/石井美輪 ※BAILA2023年2・3月合併号掲載

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