私がヒロイン！　アカデミー賞授賞式レッドカーペット報告その２

360度どこから見ても素敵、というドレスは、今夜の主役のひとり、アリシア・ヴィカンダーが着たルイ・ヴィトンの一着のことを言うのかもしれません。この弾むような彼女の動きと表情をいっそう輝かしく見せているきれいなトーン！　まるでプリンセスのような（だけど、もちろん現代的な自由さを持った）ドレス、と海外の多くのサイトも表現していたラブリーでゴージャスなフォルムは、かつて『恋に落ちたシェイクスピア』でグウィネス・パルトロウが身につけたあのピンクのドレスのように、アカデミー賞史上に残るドレスだと言えるかも⭐︎
わずかに見えるシルバーのシューズは、こちらもルイ・ヴィトンのようで、華奢なアンクルストラップに、今シーズンらしい太いチャンキーヒールを持ったデザイン。

テレビに映る時間は短めだったものの、そのグリーンの輝く一着によって、21歳という実年齢以上の落ち着きを見せていたのがシアーシャ・ローナン。『ブルックリン』で主演女優賞にノミネートされていた彼女が選んだカルバン・クラインのドレスは、背中が大きく開いたセクシーなデザイン。ショパールのジュエリーがアイルランド系のシアーシャの瞳にもぴったり！　
イアン・マキューアンの小説『贖罪』を映画化した『つぐない』（2007）でアカデミー助演女優賞にノミネートされたのが13歳のとき。史上7番目の若さでのノミネートということもあって注目を浴びたのちも、『ラブリーボーン』や『グランド・ブダペスト・ホテル』など、出演する作品で決定的な印象を残し続けている彼女。ほんのりあどけなさを残しながら、一歩一歩大人の階段を上っているシアーシャ・ローナンは、今後さらに大きく化けるのでは？と期待大の女優なのです！

アカデミー賞のレッドカーペットに初登場したデイジー・リドリー。スターウォーズ最新作でそのフレッシュな魅力を振りまいている彼女がハレの日に選んだのはシャネルのオートクチュール。手元を飾るジュエリーもシャネルのファインジュエリー、足元にはクリスチャン・ルブタンの靴がそっと輝きを添えて。

最後に紹介するのは、今回のアカデミー賞で作品賞を受賞した『スポットライト 世紀のスクープ』（日本公開4月15日）への出演で、助演女優賞にノミネートされていたレイチェル・マクアダムス。『トゥルー・ディテクティヴ』のシーズン２に主演するなど、テレビの世界でも実力を発揮している彼女が身にまとったドレスは、大胆なカッティングが話題に。オーガスト・ゲティ アトリエという2014年からランウェイでコレクションを発表し始めた、まだ新しいブランドの一着なのです。
ちなみにデザイナーのオーガスト・ゲティはまだ22歳。アメリカでは有名な石油王 、ジャン・ポール・ゲティを祖父に持つ彼はこのドレス一枚で一気に有名に！　レイチェルにこのドレスを選んだスタイリストチームと、このドレスを着ようと決めたレイチェル本人の「目」。ときにこういった“発掘”的デザイナーが出てくるのも、レッドカーペット、特にアカデミー賞のそれ、ならではのことなのです。

いかがですか？　ドレス一着にもさまざまなドラマを感じることができるのも、授賞式の醍醐味なのかもしれません♡