【BAILA読書部】人生で大切なことは「言葉」が教えてくれた

こんにちは、スーパーバイラーズの松浦なつです。
今日は、私のこれまでの生き方に影響を与えてくれた1冊をご紹介したいと思います。

ご紹介したいのは原田マハさんの『本日は、お日柄もよく』という小説です。

この本を通して私は、言葉の持つ力、そして読書がもたらしてくれる豊かさに改めて気づかされました。

物語の主人公は、平凡なOL・二ノ宮こと葉。

彼女は、想いをよせていた幼なじみの結婚式に最悪の気分で出席していました。
ところが、その結婚式で涙が溢れるほど感動する衝撃的なスピーチに出会い、
心を動かされます。

それは、スピーチライター久遠久美の祝辞でした。

「スピーチライター」という仕事に魅了されたこと葉は、久美のもとで修業を積み、
こと葉自身も言葉で人を動かす表現者として成長していく――

その中で、様々なことに葛藤しながらも物事に向き合い、挑戦をする中で、
言葉の力、想いを伝える力、そして人と人とのつながりに気づいていく姿を丁寧に描かれた作品です。

この本は、小学校からの親友と母にすすめられて手に取りました。

以前その親友が、ある友人の結婚式でスピーチをした際に、
この本の一節を引用していたのです。
友人の幸せを願って綴られたスピーチと、その一文を耳にしたとき、
心がじんわりと温かくなったのを今でも覚えています。
今でもこの本を開くたびに、あの結婚式の温かな情景が自然と心に浮かんできます。

今では読書は私にとって欠かせない習慣となっていますが、
この本をすすめられた当時は、毎日やるべきことで頭がいっぱいで、
ゆっくり本を読む余裕などまったくありませんでした。

そんな中で出会ったこの一冊が、少しずつ読書の習慣が生活の一部へになるように自分を変えてくれました。

読書をする習慣を通して、
言葉を読みながら立ち止まり、登場人物の背景を思い描いたり、
自分なりの解釈をしながらページをめくる――
その時間が、どれだけ自分を整えてくれているかに気づかされました。

特に「言葉の力」については、この本を通して深く考えさせられました。

長崎での一人暮らしを始めてから、自分と向き合う時間が増え、
人生において何を大切にしていきたいのかを考えるようになりました。

その中で気づいたのが、「言葉を丁寧に使うこと」。

相手に対しても、自分に対しても、
思いやりのある言葉を選びたいと思うようになりました。

「言葉は無料でできるおしゃれ」という言葉をどこかで目にしたことがありますが、
本当にその通りだなと、大人になって改めて感じます。

誰かの気持ちが温かくなるような言葉をかけられる人になりたい。
そんな思いを、これからも大切にしていきたいです。

本を通して出会う言葉は、私たちの心を整え、日々の暮らしを豊かにしてくれるものだと感じています。

『本日は、お日柄もよく』は、そんな「言葉の可能性」を教えてくれる大切な一冊です

忙しい毎日の中で、ふと立ち止まりたくなったとき、ぜひ手に取ってみてほしいと思います。