【読書レビュー】声優・細谷佳正さんのフォトエッセイ「アップデート」＃読書部の癒しエッセイ

こんにちは！

スーパーバイラーズの渡邊りりあです。

エンタメ好きのOLが、音楽や映画、推し活、実際に足を運んだ舞台などなど、色々なジャンルのおすすめを紹介していこう！とはじめた「エンタメのススメ」。

今回は、読書部のお題"心を癒すエッセイ"に沿ってご紹介します。

声優・細谷佳正さんのフォトエッセイ「アップデート」。

細谷さんといえば、少年から悪役まで幅広いキャラを演じ分ける、ザ・職人声優。

40歳の誕生日を記念して2022年に発売された、人生を振り返るメモリアルな1冊です。

数々の有名作品に出演されているので、細谷さんのことを知っている人がほとんどだとは思いますが、実は私は、少し前まで声優さんやアニメに全く詳しくなかったんです。

人並みに色々なエンタメを楽しんできた方だとは思いますが、どちらかと言えばアニメより小説派ですし、外画も吹替より字幕派。アニメは特に、大人になってからはあまり接点がなくなってしまって。

そんなある日、仕事の勉強のために声優さんに詳しくなりたい時期がありました。何から入ればいいのかなぁと迷っていた時にふと観たのがAbemaTVのバラエティ「声優と夜あそび」。

そこから少しずつ少しずつ、まずは声優さんの知識をつけていきました。

(これをきっかけに、浪川さんのことが大好きになった…！)

細谷さんのことをしっかり知ったきっかけは、浪川さんと界人くんの「声優と夜あそび」にゲスト出演した回。

この時、このエッセイを紹介されていて、いつか読んでみたいなと思っていました。

そして少し時間が経ち、2022年の木曜日レギュラーとして出演することになった細谷さんを毎週拝見するたび、
「この人はいったいどんな人なんだろう？」
「どんな役者さんなんだろう？」と、そのお人柄を知りたくなり。

そしてこの「アップデート」を一気に読み……

読み終わった後、私は細谷さんの魅力に更に引き込まれました。

まず、フォトエッセイとは思えないほどの文字量。ライターさんに書き起こしてもらうのではなく、自身の言葉で綴ることを重要視したそうです。

幼い頃の話、声優になる前の話、家族の話、そして声優になってからの話……

文字を読んでいるのに、それらが全て細谷さんの声で聴こえてくるのだから不思議です。

人間は、どうしても自分の過去や現在を語るときにカッコつけたりしたくなるものだけれど、ここに書かれた細谷さんは素直でまっすぐ、ありのままの姿のように見えました。
それがまた今の"アップデート"された細谷さんなんだろうな、と。

自分に素直でまっすぐなエッセイは、読んでいてすうっと心が落ち着きます。

3回も喉の手術をされていた事実には驚き。きっとここに書かれている以上にしんどくて辛いこともあったのだろうけれど、今も細谷さんが声優を、芝居を第一線で続けていることを、尊くそして有り難く思えました。

浪川さんとのエピソードも、心がぎゅっとなって……。

番組から伝わってくる2人の絶対的な信頼感のような何かに、なるほど！と納得いく部分もあって嬉しくなったり。

細谷さんの声は柔らかくしなやかで、それでいて意志が強く芯があるのがすごく魅力的だなぁと思っています。
それはただの演技だけではなく、細谷さんの人生そのものなんだろうな、ということがこの本でわかったような気持ちです。

「楽しく生きた方がいいし、いつからでもいいから、やりたいことをやった方がいい。時間がないですもん」

色々な葛藤がありながら前に進んできた細谷さんの言葉だからこそ、心にグッときました。

細谷さんのことを知っている人はもちろん、詳しくない方でも、きっとこの本を読んだら「ありのままの私で戦ってみよう！」と前向きな気持ちになれるはず。

声優さんのことを知るようになってから、もっと作品やキャラクターのことを知りたくなったり、声に注目して観ることが増え、私の中のエンタメの楽しみ方の幅がとても広がりました。

エッセイは、そんな楽しみ方が更に深まるきっかけになると思っています。

これからも色々な方のエッセイを読んでいきたいです。

「アップデート」

細谷佳正/宝島社

ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

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