無痛分娩の実体験のメモを残していきます。
長くなってしまったので産院選びと、当日の様子を2回に分けます。
※痛い話は出てこないので苦手な方も読めます
産院選び
出産は、無痛分娩と決めていたので、まず妊娠前に、夫に家(当時は千代田区)から行ける範囲で候補先のリストアップをお願いしました。
無痛を希望した理由は、痛いのが嫌いだから。
あと苦手。以前医療レーザー脱毛をした際に、看護師さんに皆さんこの部位は痛がりませんよ?と言われたとこも普通に痛いが??と感じました。
無痛も選べたけど痛みに興味があったという話もわりと聞きますが、私は興味ありませんでした。
でも痛みへの好奇心がある層がいることは興味深かったです。
夫は、NICUがあり高度な医療を提供できるところを希望し、両方満たす総合病院を2カ所あげてきました。
産院の施設や食事などで選ぶ方も多いとアンケート結果で見ましたが、私は産んだらさっさと帰りたかったので項目には入れませんでした。
もし長居するようなら、難産だった可能性が高いので、尚更医療体制が整った病院であるかを決め手になると考えました。
日本の医療の医療提供体制は、周産期も含めて特徴として、医療資源が分散していて少人数の医師が在籍する医療機関が比較的多いので、産科・麻酔科・新生児科の医師が24時間常駐しているという条件を満たすと選べるほどはありませんでした。
カウンセリング
一ヶ所目は、24時間体制を謳っていたものの、夜間等は麻酔医が不在のこともあるということで、却下。
二か所目の24時間無痛分娩に対応しているとこにしました。
そこは予約がずいぶん早く埋まると聞いたので、来月妊娠すると思うんですけど〜ととりあえず話を聞きに行きました。
ここはセミオープンシステムがあり、妊婦健診は他のクリニックに通いました。
セミオープンとは、出産と数回の健診は病院で、普段の健診は提携のクリニック等でします。
対象者は、年齢や身長体重、既往歴等の基準があり私は当時20代、標準体型、病気や既往歴なし、自然妊娠で対象でした。
日本の妊婦健診の回数は世界的にも多く、ちゃんと決まった回数受けないとウチでは受け入れませんというところがほとんどなので、実質強制です。充実したサポート体制を望む人には素晴らしい制度ですが、そんなに受けたくない人も一緒くたにする必要あるんかなとは思いました。
無痛分娩の希望者は、麻酔医に説明とカウンセリングを受け、希望も聞いてくれます。
病院側の推奨は麻酔するのはある程度陣痛が進んでから、でした。
あるいはもっと先のタイミングで痛みに耐えられなくなってから麻酔を希望したいという患者もよくいるそうです。
私は耐えられる痛みというのも体験したくなく、最初からまったくの無痛を希望していたので、事前のカウンセリングでその旨は相談していました。
麻酔医との面談では最初から(本格的な痛みが始まる前から)麻酔を入れたいことと、出産後異常がなければ当日か翌日に退院したいと伝えました。
麻酔を入れるタイミングは、希望どおりにしてくれると言われました。早い段階から麻酔をするとお産が長引く可能性があると言われましたが、横になってるだけなので構いませんでした。
スマホのバッテリーもちゃんと持ち物リストに入れ、ゲームアプリも数個ダウンロードしておきました。
その病院では、無痛を選択した産婦への陣痛促進は、選択しなかった産婦の4倍弱というデータがありました。
ただ、目測で高齢出産が大半のようでしたし、総合病院なのでハイリスクの妊婦も多かろうと思い、そういった母集団の数値なので参考程度に留めておきました。
退院のタイミングは必須の検査が終わり次第ということで、翌日はダメだと言われましたが通常の入院日より短縮はできるということでした。病床が逼迫してるし退院したいのを引き留めるの?と思いましたが、でもきっとそこに周産期死亡率の低さという偉業があるのでしょう。
それは法律とか診療ガイドラインの話で、お世話になった病院でのお産は100点満点なら120点つけたいくらい満足度高かったです。
24時間対応にも関わらず医師の皆さんは精力的な働きぶりで、とても頼もしかったのを覚えています。
助産師の方は篤実な人柄で、なんだか太陽みたいな人だったので病院に戻ってからの健診は会えるのが楽しみでした。
余談
余談ですが夫には、もしお産で私に何かあったら、病院側にミスがあるか否かに関わらず訴えないでほしいことと、もし亡くなったら後を追って欲しいと頼んで、承諾してくれました。2人目の時は、後を追わず子どもの面倒を見て欲しいと頼みました。
自分としては日本の周産期死亡率、妊産婦死亡率ともに極めて低いことが既に医療従事者の尽力を示しているし、仮にヒューマンエラーだとしても構わないと思いました。
上手く言語化出来ないのですが、生きていれば死ぬこともあるし、出産を特別視しなくていいかなと。
それに出産の有無は選択出来ることなので、出産を選んだリスクは二人だけで取りたいと考えました。
いちおう後を追うというのは、殉死してほしいという意図ではなく(してほしいけど強制力ないし。ただ、悲しんでくれればいい)、この約束がなければ彼にとってアンフェアと思ったからです。彼にとって。
この先にもし何か揉め事がある時に、私は命がけで産んだとか、そういう彼が生物学的に不可能なことを笠に着て伝家の宝刀を振るうのは二人の関係にふさわしいと思えませんでした。
だから彼の快諾をもって、出産は二人とも命を懸けたということでフェアにしました。
ただし妊娠は、代わりに彼がほとんどの家事と育児を担うことでコンセンサスを得ました。このへん、また機会あればブログに書きます。