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韓国ドラマ『おつかれさま』ほかGWに一気見したいドラマ4選【今祥枝の考える映画vol.38・ドラマ編】

長年にわたり映画・海外ドラマの最先端を取材&執筆している今祥枝(いま・さちえ)さん。ハリウッドの大作から最新のドラマシリーズまで、劇場公開・配信を問わず、おすすめの作品を月1回ご紹介します。第38回はドラマ編として、GWに一気見したい海外ドラマ4本を厳選して見どころを解説します!

ドラマ おつかれさま なかなか素直になれないエスンと一途なグァンシクの写真

済州(チェジュ)島の厳しくも美しい春夏秋冬の景色を背景に綴られる感動作『おつかれさま』。主演のIUとパク・ボゴムの息の合った演技に魅了される。

読者の皆さま、こんにちは。

最新のエンターテインメント作品を、その時々のテーマに合わせてゆるりと読み解いていく、この連載。第38回のドラマ編は、数ある話題作の中からGWにどっぷり浸って一気見したい4作をピックアップ! 

各国で大ヒット中の韓国ドラマ『おつかれさま』と英国の傑作サスペンス『アドレセンス』、華やかなバレエの世界を描いた最新作『エトワール』、エディ・レッドメイン主演のアクション大作『ジャッカルの日』それぞれの見どころやテーマを深掘りしたいと思います。

目次

  1. ドラマ『おつかれさま』(全16話・Netflix)
  2. ドラマ『アドレセンス』(全4話・Netflix)
  3. ドラマ『エトワール』(シーズン1 全8話・Prime Video)
  4. ドラマ『ジャッカルの日』(シーズン1 全10話・WOWOWオンデマンド)

ドラマ『おつかれさま』(全16話・Netflix)

夫婦、親子、家族……普遍的な感動を丁寧に伝えて胸を打つ

『椿の花咲く頃』の脚本家イム·サンチュンと、『ミセン-未生-』『マイ·ディア·ミスター~私のおじさん~』のキム·ウォンソク監督がタッグを組んだ、3世代にわたる家族の物語。配信前からIUとパク・ボゴムの共演も話題でしたが、アジア地域を中心に世界各国でランキングの上位に入る大ヒット! 普遍的な人間ドラマを壮大なスケールで描いて、視聴者の胸を打つ感動のつるべ打ちで涙を誘います。

ドラマ おつかれさま 幼なじみのエスンとグァンシクの写真

まじめで一途にエスンに片想いするグァンシクと、貧困に苦しみながらも島を出て大学へ行き、勉強して詩人になりたいと願うエスン。しかし、二人の前には厳しい現実が立ちはだかる。

1950年代の済州(チェジュ)島で生まれたエスン(IU)とグァンシク(パク・ボゴム)は、幼い頃からいつも一緒にいました。

エスンは文学少女で詩人になる夢を抱いていますが、家庭環境に恵まれず、貧困に苦しんでいます。そんなエスンに一途に想っているグァンシクは、何かをエスンを陰日向となり支えながら二人は青春時代に突入しますが、若い彼らの不器用な恋は一筋縄ではいかないのでした。

ドラマはエスンとグァンシクを軸に、二人と両親の世代と二人の子どもたちの世代とのジェネレーションギャップ、生き方や考え方の変化を丁寧に見つめながら、1950年代から2020年代にわたる家族の悲喜こもごもが展開します。

IUはエスンと、その娘クムミョンを一人二役で演じ、中高年期のエスン役はムン・ソリ、グァンシク役はパク・ヘジュンら演技派俳優が勢ぞろい。時代を行き来しながら進む物語において、脇役も含めて、毎回のように「俳優陣がうますぎる!」と感嘆するのは韓国ドラマのデフォルトですが、中でもIUとパク・ボゴムが体現する逆境にもへこたれず、互いを思いやって生きるエスンとグァンシクのキャラクターを愛さずにはいられません。

ドラマ おつかれさま の写真

今では風光明媚なリゾート地として知られる済州(チェジュ)島だが、自然環境は厳しく、男性が漁に出ている間、女性たちは海女として海に潜り、畑作にも従事して家計を支えた。幼いエスンの母チョン・グァンネ(ヨム・ヘラン)も海女として女手一つで家族を養っていた。

ドラマ おつかれさま 駆け落ちしようとするエスンとグァンシクの写真

追い詰められたエスンとグァンシクは、島を出て駆け落ちし、新たな人生を始めようとする。世間知らずの二人が島の外で経験するあれやこれやが微笑ましい。

ドラマ おつかれさま 第一子をもうけて幸せいっぱいのエスンとグァンシクの写真

波乱の末に夫婦となり、待望の第一子クムミョンに恵まれて幸せいっぱいのエスンとグァンシク。生活は苦しいながらも子どもが望むことは何でも叶えてあげたいと願う気持ちが尊い。

いい意味で "変わらないもののよさ"にフォーカス

エスンとグァンシクの初恋や気恥ずかしくなるほどまっすぐな青春時代のエピソードには、トキメキや甘ずっぱい感情がぎっしり。しかし、3人の子どもたちを育てる親となり、やがて成長して大学に入学し、家を離れていくクムミョンの視点にドラマが移っていくと、今度は"親子の絆"が焦点に。

大切に育てられたクムミョンは、「今時の若者」らしく親世代の考え方に反発したりもしますが、物理的にも両親と距離ができるにつれて、両親が娘のためにどれほど身を粉にして、苦心してお金を工面してくれたのか、自分のことを心配し、愛してくれているのかについて改めて気づいていきます。

そうしたクムミョンの成長過程において、その時々で母親や父親への思いが胸にあふれ、つらく悲しいことがあるけれど、親の無償の愛があるからこそ常に前を向き、頑張って生きていくのだと自分を奮い立たせるクムミョン。その姿に、私も何度となく涙があふれてしまいました。

親の思いと子供どもの気持ちは、しばしばすれ違い、ぶつかり合うものです。それでも、エスンはクムミョンを育てながら母グァンネのことを思い出しては懐かしさと切なさで胸が張り裂けそうになり、クムミョンもまた自分の家族を持つと、母エスンに対して以前とは違った感情も。この3世代にわたる家族の姿に、どこかしら自分と親、あるいは自分と子どもが重なる人は多いでしょう。

『おつかれさま』は、ある意味ではエスンという一人の女性が、貧しくも夢を追い、逆境にあってもよりよく生きることをあきらめず、人生をまっとうするという「女の一生」を描いたドラマと言えます。

もしかしたら、今の時代に女性として、母親としての幸せを直球勝負で描くことにはリスクがあるのかもしれません。それでも、あえて真っ向から一つの幸せの形を数十年にわたる壮大なスケールで見せることで、近年注目されがちだった"変わりゆく価値観"だけでなく、いい意味で"変わらないもののよさ”にもフォーカスしている点に、どこかほっとするものがあるのでした。

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ドラマ おつかれさま 親元を離れて勉強に勤しむクムミョンの写真

聡明な女性に成長したエスンとグァンシクの娘クムミョン。若い彼女にとって、親元を離れ、生活費を切り詰めながら勉強を続ける日々はつらくもあるが、両親が自分に託してくれた思いを胸に努力する。

ドラマ おつかれさま 何歳になっても楽にならない生活のために働き続けるエスンの写真

幼少時から、とにかく経済的な困難に苦しめられ続けてきたエスン。年齢を重ねても苦労は変わらないが、文句を言うことなく家族のために労働を惜しまない。

ドラマ おつかれさま 波乱の末に結婚式を迎えるクムミョンの写真

エスンとグァンシク以上に壮絶な恋愛経験の末、"運命の相手"と晴れの日を迎えたクムミョン。その瞳の先には最愛の両親の姿が。涙涙の結婚式のエピソードも忘れ難い。

ドラマ おつかれさま 年を重ねても絆は揺るがないエスンとグァンシクの写真

エスンの明るさとたくましさにほれぼれ。そんなエスンに寄り添い、どんなときでも優しさにあふれたグァンシクの言動にはしみじみとした味わい深さが。

『おつかれさま』作品情報

Netflixシリーズ『おつかれさま』独占配信中!

制作:キム・ウォンソク、イム・サンチュン
出演:IU、パク・ボゴム、ムン・ソリ、パク・ヘジュン、キム・ヨンリム、ナ・ムニほか

『おつかれさま』の視聴はこちら

ドラマ『アドレセンス』(全4話・Netflix)

13歳の少年にかけられた殺害容疑を描いて、世界中で議論沸騰中!

イングランド北部の町で、13歳の少年ジェイミー(オーウェン・クーパー)が好意を寄せていた同級生ケイティを殺害した容疑で自宅で逮捕されるという、衝撃的なシーンから始まる本作。配信直後から世界各国で驚異的なヒット記録を更新中ですが、今期の賞レースを席巻すること間違いなしの秀作ドラマとして話題騒然です。

ドラマ アドレセンス 殺害の容疑で連行された主人公オーウェンの写真

ワンカットで有名レストランのキッチンと客席の人間模様をスリリングに描いた映画『ボイリング・ポイント/沸騰』のフィリップ・バランティーニ監督と、主演のスティーヴン・グレアムがタッグを組んだクライムドラマ。13歳の少年ジェイミー(オーウェン・クーパー)は、自宅で就寝中のところを殺人容疑で警察へ連行される。

実際に起きた複数の事件に着想を得て、全4話で事件の顛末とジェイミーの深層心理にぐっと踏み込んでいく展開は、スリリングでセンセーショナル。特に話題になっているのが、1話を1カットで映し出すという前代未聞の技術的な挑戦です。

1話約60分程度を、一度もカット割や編集などせず、ぶっ通しで撮影する。実際にドラマを観るとわかると思うのですが、流れるように人物の動きを追いながら屋外から室内へ、室内から町へ、さらには俯瞰のショットなども登場し、一体どうやって撮っているのか⁉︎と驚かずにはいられない映像の連続です。

しかし、このドラマのすごいところは、このワンカット撮影が物語を伝える上で非常に有効だという点でしょう。

最初は父エディ(スティーヴン・グレアム)に泣いて無実を訴え、庇護を求めるジェイミーですが、次第に親が知らなかった子どもたちの世界の現実が断片的に明かされ、ジェイミーの言動や表情にも微細な変化が生じていく。そんな彼の心に巧みに入り込んでいく刑事たちや心理療法士ブリオニー(エリン・ドハーティ)との心理戦は、一度も演技が途切れることなく、時々刻々とパワーバランスが変化する心理戦がリアルタイムに伝わってきて、緊迫感は増すばかり。

文句なしに一度観始めたら一気見確実ですが、事件の背景が浮き彫りになるにつれて、SNSを中心とする子どもを取り巻く環境などの社会問題や思春期の子どもの難しさなど、多岐にわたって提示されている点に作品としての重厚さ、深みがあります。

英国では本作を鑑賞した首相が深い感銘を受けたと言い、政府の支援を受けて同国全土の中等学校で視聴可能となることが決定しました。エンターテインメントが社会を動かす事例がまた一つ増えたわけですが、誰にでも、どこの家庭でも起こり得る悲劇を防ぐために、大人は何ができるのだろうかと思わずにはいられません。

ドラマ アドレセンス の写真

最愛の息子ジェイミーに殺害容疑がかけられたことが信じられない、エディ(スティーヴン・グレアム)とマンダ(クリスティン・トレマルコ)は、息子の無罪を訴える。

ドラマ アドレセンス ジェレミーと息子が通う学校に聞き込みにきた刑事ルークの写真

ジェイミーを連行した刑事ルーク(アシュリー・ウォルターズ)。ジェレミーの通っていた学校に出向いて聞き取り調査などを行う中で、同じ学校に通う彼の息子からSNSを介したジェイミーと被害者をめぐるトラブルを聞くことに。

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ドラマ アドレセンス 心理療法士ブライオニーとジェレミーの写真

心理療法士ブリオニー(エリン・ドハーティ)とジェイミーが一つの部屋で、一対一の対話が繰り広げる第3話は圧巻! ワンカットの映像で思春期の少年の複雑で多面的な心理の変化を体現するオーウェン・クーパーの演技は絶賛されている。

『アドレセンス』作品情報

Netflixシリーズ『アドレセンス』独占配信中!

監督:フィリップ・バランティーニ
制作:ジャック・ソーン、スティーヴン・グレアム

出演:スティーヴン・グレアム、アシュリー・ウォルターズ、エリン・ドハーティ、オーウェン・クーパー、クリスティン・トレマルコ、フェイ・マーセイ、アメリー・ピースほか

『アドレセンス』の視聴はこちら

ドラマ『エトワール』(シーズン1 全8話・Prime Video)

パリとニューヨークの有名バレエ団が、生き残りをかけて奇策に挑むコメディ

人気コメディ『マーベラス・ミセス・メイゼル』のヒットメイカー、エイミー・シャーマン=パラディーノとダニエル・パラディーノ夫妻が手がけるバレエを題材にした待望の新作が、いよいよ配信開始! ニューヨークとパリの有名バレエ団の恋愛あり、ライバル関係や利害関係がある複雑な人間模様が、軽やか&コミカルに描かれます。

ドラマ エトワール ダンサーたちの指導をする振付師トビアスの写真

ニューヨークのバレエ団からパリのバレエ団へ、期間限定でやってきた振付師トビアス(ギデオン・グリック、写真中央)。劇中では練習から本公演まで、美しいバレエシーンが堪能できる! 配信前にシーズン2の制作も決定している。

ニューヨークとパリを拠点とする2つの歴史あるバレエ団は、ともに集客に苦しみ、時代の変化の中でバレエというアートフォームの存続の危機を感じています。

フランス国立バレエ団の総監督を務めるジュヌヴィエーヴ(シャルロット・ゲンズブール)は、ある奇策をニューヨークのメトロポリタン・バレエ劇場の総監督ジャック(ルーク・カービー)に提案します。それは、各バレエ団のトップダンサーと振付師らスタッフを1年の期間限定で交換し、話題作りで盛り上げて人々の注目を集めるというもの。

かくして、個性的で一筋縄ではいかないスターダンサーやクリエイターらがニューヨークとパリに飛び、それぞれのバレエ団で文化の違いやアクの強さを発揮しながら、新風を巻き起こしていきます。

英語とフランス語を交えた本作は、パラディーノ夫妻らしいウィットに富んだスピーディで洒落た会話と色彩豊かな衣装や美術、ポップスとクラシック音楽の独創的な使い方からニューヨークやパリのロケーションまで、見どころは盛りだくさん! 

さらにバレエやダンスのルーツを持つ俳優や現役の有名なスターダンサー、名門ニューヨーク・シティ・バレエ団のタイラー・ペックからブルックリン・マックなども多数出演。クラシックもモダンもダンスシーンがふんだんに盛り込まれていて、夢のように美しい世界がたっぷりと堪能できます。

一方で、4月に開催されたゴールデングローブ賞主催の記者会見では、クリエイターのパラディーノ夫妻は「等身大のダンサーの姿を描くことを心がけた」と語りました。劇中では、『白鳥の湖』を踊りながらステージ上で家事のあれこれが気になったり、韓国の人気グループ「BTS」のニュースが気になって心が乱れてしまうシーンなども登場。

エイミー・シャーマン=パラディーノは「現役のダンサーたちが神経質でひたすら犠牲を強いられる存在としてフィクションで描かれることに不満を抱いているのを何度も聞いた」と言い、本作ではそうしたイメージも払拭しながら、共感を呼ぶダンサーたちの日常を映して、バレエの世界への多角的な興味を誘います。

『エトワール』は、ただ観ているだけで楽しい作品ですが、同時にパンデミックを経て、より一層苦しい状況にあるアートやエンターテインメント全般における問題提起を読み取ることができるでしょう。それは非常に今日的な視点を含むものであり、バレエに限らず伝統的な芸術から映画やTV、エンターテインメント業界における創造性とビジネスの関係について、改めて考えてみたくなるのでした。

ドラマ エトワール パリの有名バレエ団の監督ジュヌヴィエーヴの写真

バレエに情熱を注ぐ一方で、ビジネスとして再起を図るべく奮闘するパリのバレエ団の総監督ジュヌヴィエーヴ。演じるのはフランスを代表する俳優の一人、シャルロット・ゲンズブール。クリエイターのエイミー・シャーマン=パラディーノに「パリのレニー・クラヴィッツ」と称されたシャルロットのたたずまいはどのシーンでも絵になるかっこよさ!

ドラマ エトワール 記者会見に出席する振付師トビアスとスターダンサーのミシの写真

ニューヨークからやって来た気難しい振付師トビアス(中央)と、ニューヨークから母国フランスに戻った個性豊かなスターダンサーのミシ(左から2番目)。ミシを演じるのは現役バレリーナのタイス・ヴィノロ。

ドラマ エトワール ニューヨークのバレエ団の総監督ジャックの写真

ニューヨークのリンカーンセンターにあるメトロポリタン・バレエ劇場の総監督ジャック。演じるのは『マーベラス・ミセス・メイゼル』でエミー賞を受賞したルーク・カービー。ビジネス重視派だが、胸の奥にはバレエへの熱い思いが。

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『エトワール』作品情報

『エトワール』Prime Videoで4月24日より独占配信開始!

監督・脚本・製作総指揮・ショーランナー:エイミー・シャーマン=パラディーノ、ダニエル・パラディーノ
出演:シャルロット・ゲンズブール、ルーク・カービー、ルー・ドゥ・ラージュ、ギデオン・グリック、デヴィッド・アルヴァレス、イヴァン・デュ・ポンタヴィス、サイモン・キャロウ、ヤニック・トゥルースデール、タイス・ヴィノロほか
© Amazon MGM Studios

『エトワール』の視聴はこちら

ドラマ『ジャッカルの日』(シーズン1 全10話・WOWOWオンデマンド)

エディ・レッドメインが肉体を鍛え上げて、冷徹で凄腕の国際的な暗殺者を熱演!

英国の作家フレデリック・フォーサイスの同名スリラー小説を、現代を舞台に移して大胆に翻案したドラマ『ジャッカルの日』。『ファンタスティック・ビースト』シリーズなどで知られる英国のオスカー俳優、エディ・レッドメインが高額報酬で暗殺の依頼を受ける暗殺者ジャッカルに挑んだ本作は、『ミッション:インポッシブル』×『007』といった印象のアクション・スリラー大作です。

ドラマ ジャッカルの日 国際的な暗殺者ジャッカルを演じるエディ・レッドメインの写真

孤高の暗殺者ジャッカルを演じるエディ・レッドメイン。現代にアップデートされたドラマ版『ジャッカルの日』は、七変化も含めてレッドメインの魅力が満載! シーズン2も決定している。

孤高の暗殺者で暗号名ジャッカル(エディ・レッドメイン)は、数々の変装と偽造パスポートを駆使して高額の依頼を受け、ヨーロッパ各地で任務を遂行しては姿をくらませます。ドラマは、ジャッカルを執拗に追う英国秘密情報部(MI6)の捜査官ビアンカ(ラシャーナ・リンチ)とジャッカルの熾烈な攻防戦がヨーロッパ全土で展開します。

ジャッカルは、スペインの豪邸に暮らす妻ヌリア(ウルスラ・コルベロ)の夫であり幼ない子どもの父親という、もう一つの顔があります。どんなターゲットでも関係なく、依頼人の要望通り冷徹に処理しますが、愛情深い一面も。しかし、不在がちな夫にヌリアは疑いを抱きます。

冒頭から年齢や顔も本人とはわからないほどの変装シーンに、想像を超えた凄腕のスナイパーぶり、また数ヵ国語を操るスマートさや体を張ったアクションの数々など、とにかくエディ・レッドメインが八面六臂の活躍を見せてくれます。

昨年10月に開催されたインターナショナルの記者会見に参加した際に、レッドメインは父が好きだった1973年の映画『ジャッカルの日』を観て以来、お気に入りの作品だと言い、今回の役にかける意気込みを熱く語っていました。

「ハンガリー、オーストリア、ロンドン、スペイン、クロアチアなど、欧州各国の美しいロケーションの数々は仕事にやりがいと新鮮味をもたらしてくれました。ロケーションが変わればジャッカルの変装、身体能力、言語、さらには人格も変える必要があったので。最も困難だったのは言語面。ドイツ語もスペイン語も話せないので、方言指導やチームの皆さんとともに信憑性のあるパフォーマンスを作り上げました」

ジャッカルには従軍経験があり、暗殺者となった理由があると考えられるわけですが、ジャッカルの天性のハンターのように獲物を狙うアンチヒーロー像は非常に現代的で、虚無を感じさせるジャッカルの内面に興味を引かれます。そんなジャッカルを追う立ち場のビアンカの存在もまた、職務や善悪の境界を超越したようなハンターとしての"業"を感じさせて、合わせ鏡のように共鳴し合う相反する二人のケミストリーも魅力です。

ドラマ ジャッカルの日 冷徹に任務を遂行するジャッカルの写真

原作や1973年の映画版『ジャッカルの日』では、舞台は1960年代で暗殺のターゲットとなるのはフランスのシャルル・ド・ゴール大統領だった。今回のドラマでは複数のターゲットが登場するが、暗殺の依頼者とターゲットとなる人物像に込められた現代社会における問題提起を考察してみたい。

ドラマ ジャッカルの日 MI6のビアンカと上司ハルクロウの写真

ジャッカルを追う銃の専門家で英国秘密情報部(MI6)の捜査官のビアンカ(ラシャーナ・リンチ)と、ビアンカの上司オシタ・ハルクロウ(チュクウディ・イウジ)。MI6の内部にも不穏な動きが。

ドラマ ジャッカルの日 ジャッカルの妻ヌリアの写真

夫の不在中に秘密を探ろうとする妻ヌリア。演じるのはスペインの大ヒットドラマ『ペーパー・ハウス』で“トーキョー”を演じたウルスラ・コルベロ。

ドラマ ジャッカルの日 ジャッカル役のエディ・レッドメインの写真

劇中、さまざまな変装を見せてくれるエディ・レッドメインだが、家族のもとへ帰る際には洗練された衣装でばっちり決めている。

『ジャッカルの日』作品情報

『ジャッカルの日』WOWOWオンデマンドにて全話配信中!
ドラマ「ジャッカルの日 (全10話)」
◆放送情報:吹替版:毎週土曜日午後11:00 /字幕版:毎週火曜日午後10:00
 https://www.wowow.co.jp/detail/202770
◆配信情報:全話配信中
 https://wod.wowow.co.jp/content/183047

監督:ブライアン・カーク、アンソニー・フィリップソンほか
原案:フレデリック・フォーサイス
製作総指揮・脚本:ロナン・ベネット
製作総指揮:ギャレス・ニーム、ナイジェル・マーチャント、ブライアン・カーク、エディ・レッドメインほか
出演:エディ・レッドメイン、ラシャーナ・リンチ、ウルスラ・コルベロ、チャールズ・ダンス、リチャード・ドーマーほか
©Carnival Film & Television Limited 2024.

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『ジャッカルの日』の視聴はこちら
【今祥枝の考える映画】いま大人が見たい映画をまとめてチェック!

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