『20センチュリー・ウーマン』はストーリーも衣装も音楽もぐっとくる!

公開中の映画『20センチュリー・ウーマン』。原題が『20 CENTURY WOMEN』と複数形になっているのがミソです。
読み応えのあるパンフレット。小さく映っているのはプロペラ機です
ゴールデングローブ賞に主演のアネット・ベニングがノミネートされたときから気になっていたこちらの映画。BAILAで活躍中の映画ライター・今祥枝さんもおすすめしてくださっていたことからも、絶対いい映画に違いない!と公開を楽しみにしていたんですが、先日ようやく観にいくことができました。
結論からいうと、もし音楽やファッション、そして70年代から80年代のアメリカおよびカルチャーに興味のある方にとくに、大プッシュな映画です。私は大好き。

ストーリーもさることながら、登場人物たちの着こなしがいいんです。55歳のワーキング&シングルマザーのドロシアという設定のアネット・ベニングは、ちょっとサイケなトップスやエスニック風の柄ブラウスに、ほぼいつでもデニム。インディゴの濃い色にブラウスの柄が映え、そこはかとない「自由さ」を感じさせます。
リラックスムードのあるデニムの着こなしを見せてくれるのはエル・ファニング。この子のムードは、本当にいいですよね。優等生のようにも見えるし、はすっぱな感じも、素直なかわいい女の子も演じられる。
今回、彼女が演じる17歳のジュリーは、チェック柄や黄色いシャツにデニムスカート、黄色いTシャツに水色のスカート、カットソー素材と思われる薄い桃色のワンピース……。カジュアルなようでいて無防備なセクシーさも漂う着こなしで、主人公の息子でジュリーの幼なじみであるジェイミーはそんな彼女にいつもドキドキ。
丸の内の映画館にて。監督のサインが!!!
そしてイチオシの着こなしを見せてくれるのは、この映画ポスターの向かって右端にいるジェイミー! 15歳の男の子なのですが、こんな風にTシャツとデニムを着てみたい!とうらやましくなるシーンがいっぱい。演じるルーカス・ジェイド・ズマン(LUCAS JADE ZUMANN)くんは2001年アメリカ生まれ。その、あどけなさが残りながら、将来絶対イケメンな俳優になるはずと期待させてくれるお顔立ちで着こなす、カジュアルなスタイル。
たとえば、ロゴの入った黄色いTシャツにさっと羽織ったカーキのジャケットとの色合わせ。ちょっぴり大き目サイズのネイビーTシャツとブルーデニムのワントーン合わせ。まるで萩尾望都さんなどが描く男の子のようなクシャッとした髪型も含めて、要チェック度はハンパない!

ちなみにこのルーカスくん、配信中の海外ドラマ「アンという名の少女」であのギルバートを演じています♡
先ほどウーマン、の部分の原題が「WOMEN」と複数形になっていると書きましたが、それはシングルウーマンのドロシアが、一人息子の"教育"をほかの二人の女性に託そうとするストーリーが中心だからなのです。

変わりゆく時代のなかでどうしても自分の理解の届かない成長を見せようとする一人息子のジェイミー。"自分一人では彼をきちんとしたい人間に導くのは無理"だと、二人の女性(ジュリーと、もう一人の重要登場人物・アビー)に託そうとするのですが……うまく行き過ぎてしまったり、思わぬ方向へと進んでしまったり。でもそこで、ジェイミーが理解できない、若い世代や今の時代が理解できない!とあきらめっぱなしにならないドロシアが、いとおしく思えるのもこの映画の魅力のひとつ。

着こなしも、そしてその時代の音楽やカルチャーも楽しめるこの映画。未見の方はぜひ映画館へ足を運んでみてくださいね! (副編Y)
ちなみにこちらはルーカスくんのインスタグラムです!

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