思わずその理由を問いたくなるタイトルに込められた思いとは……。「たとえば、新しい口紅を買ったら、夜、いつものメイクを落とす前に鏡の前で塗ってみる。いつもは一度塗りするところを、二度、三度と重ね塗りしてみたり、ティッシュオフしてみたり。(中略)『あとは洗って寝るだけ』という自由な気持ちでいる時こそ、一本の口紅からでも、自分の思いもしなかった表情を発見できるものなのです」(プロローグより)。10 代や20代のうちは新しいファッションやメイクにどんどんチャレンジするエネルギーがあったけれども年齢を重ねるにつれて「これは私には似合わない」と考え方が凝り固まってしまう、と藤原さん。藤原さんにお話をうかがうたびに、ハっとする言葉に出会いますが、昨日の取材で心に残ったのは、「年齢を重ねるほどに自分自身に飽きてしまわないために創意工夫をする努力が必要」ということ。毎朝、ぎゅうぎゅうに混みあった通勤電車に乗るたびに、「昨日も今日もこの景色。私はいつを生きているんだろう?」とわからなくなることが。同じルーティンを繰り返すうちに日常に飽きてしまっている自分に気づきます。「『毎日、同じことの繰り返しだわ』と感じていたとしたら、解決する方法を積極的に模索することが必要です。なぜなら、日常にマンネリを感じるということはイコール、自分に飽きてきているということ。そして、それは外見に表れてきてしまうからです」(「自分に飽きない方法」より)。この本には今まさに私にストライクな、ドキっとする言葉がたくさん詰まっていました。そしてこの自分自身のマンネリを大げさでない形で打破するヒントもすごく心に響きます。