数々のドラマや映画で主演を務め、幅広く活躍している綾瀬はるかさん。彼女の代表作のひとつでもある、大ヒットドラマ「奥様は、取り扱いに注意」がついに映画化! さらにスケールアップしたアクションシーンや作品を通して感じた結婚観などを伺いました。
セリフなしでも感動できる。そこがアクションの魅力
ワンピース¥35000/ボウルズ(ハイク) 靴¥57000/デ・プレ(ステファン) ネックレス¥20000・リング¥15000/ノジェス(ノジェス)
2017年の放送時から、話題となっていた大ヒットドラマ「奥様は、取り扱い注意」。元特殊工作員という過去を隠して結婚した菜美が、さまざまな悪と闘うサスペンスアクションで、菜美を演じる綾瀬さんの本格アクションが毎回話題に。そんな人気作がついに映画化!
「今度の敵は屈強なロシアの傭兵。力ではどうしたって勝てないので、足で相手を挟んだりする寝技を多用しました。日本ではあまりやられていないアクションで、ドラマのときからアクション監督と『こういうのやりたいね』って相談して入れてたんですけれど、映画はさらにスケールアップした感じでした」
一瞬も目が離せないスピード感、キレッキレの動き。超カッコイイ!!
「撮影中は、打ち身やすり傷は日常茶飯事で、けっこうビビリながらやっていた」と明るく笑うが、覚悟と根性がなければできることじゃない。
もともと運動神経抜群とはいえ、体づくりだって鍛錬のたまものだ。
「ちょうどドラマ『義母と娘のブルース』をやっていて、スーツにヒールでカツカツカツって歩くような役だったんですね。私、普段ヒールを履かないので、姿勢よく歩くのに意外と体幹が必要で。それで定期的に鍛えていたので、そこにトレーニングを増やしていったんです」
撮影前には、憧れのマット・デイモンの映画を観て研究。そこまでアクションに入れ込む理由は?
「セリフ劇とか静のお芝居も好きですけれど、たとえば舞台でダンスを見たときに、言葉がなくても体の動きだけで『すごい』『かっこいい!』って感動しますよね。それと同じでアクションも全身を使って表現することで見ている人の心を動かすことができる。そこに魅力を感じます」
菜美の夫で、実は公安の人間という勇輝役を演じているのは西島秀俊さん。大河ドラマ「八重の桜」で兄妹役だったのをはじめ、共演の多い二人だけに息もぴったり。
好きな人の前では無理しがち。でも我慢してたら続かない
「西島さんは年上なのに対等に接してくれるので、私もものが言いやすいんです。今回も『兄ちゃん、タイミング遅いよ!』『おまえが合わせろよ!』みたいな感じで、男同士が汗まみれの部室にいるような一体感がありました(笑)」
ストーリーが進んでいくにつれて、変化していく夫婦関係も見どころのひとつ。
「勇輝が求めていたのは、従順な菜美だったのかもしれないけれど、本当の自分を封印しては、生きている意味がないというか。自分を偽っては生きられないんだと思います」
恋人に求められる自分と本当の自分。そのギャップへの葛藤は、バイラ読者も常々感じているところ。
「私も同世代なのでわかります! 好きな人には嫌われたくないから、どうしても無理しちゃう。でもこの前、テレビで熟年離婚の話を見ていたら(笑)、みんな本音が言えてないみたいなんですよ。ずっと我慢してて、最後に爆発しちゃうんです。菜美も本当はスリルが大好きなので、それを我慢してたら続かないと思う」
ブラウス¥28000/キャバン 代官山店(キャバン) パンツ¥39000/エンフォルド(エンフォルド) イヤリング¥22000・チャーム¥13000/アガット(アガット)
作品を通して気づいたのは、「自分らしくいることの大切さ」だ。
「結局ありのままの自分じゃないと、人は生き生きと輝けないと思うんです。菜美も自分らしさを取り戻して、めっちゃキラキラしてました。蛹から羽化して自由に羽ばたく蝶みたいに……私、今いいこと言いましたね。ぜひ書いておいてください(笑)」
ときにおちゃめでイノセントに。ときにシャープで力強く。さまざまな顔で、私たちを魅了しつづけてくれる綾瀬さん。ちなみに結婚したらおうちで家事に専念したい派? それとも仕事も頑張りたい派?
「ずっと仕事をしてきたので、専業主婦への憧れもあります。でも、それが何年も続いたら『外に出て仕事したい!』って思うのかな。そこはまだ未知の世界ですね。ありのままの私を受け入れてくれる人といつか出会えたらいいなと思っています」
©2020映画
「奥さまは、取り扱い注意」製作委員会
『奥様は、取り扱い注意 』
原案/金城一紀
監督/佐藤東弥
脚本/まなべゆきこ
出演/綾瀬はるか、西島秀俊
全国東宝系にて近日公開
半年前、銃弾に撃たれて記憶喪失となった菜美は、夫の勇輝とともに名前を変え、地方都市で平和に暮らしていた。しかしそこでも大きな陰謀に巻き込まれていく。菜美の記憶は戻るのか。勇輝との関係は!?大人気ドラマのその後を描いた手に汗握る120分。
あやせ はるか
2000年デビュー。2004年「世界の中心で、愛をさけぶ」でヒロインを演じ、以降「ホタルノヒカリ」や大河ドラマ「八重の桜」、「義母と娘のブルース」など、多くのドラマで主演を務める。『ハッピーフライト』、『海街diary』、『今夜、ロマンス劇場で』など映画にも多数出演し、幅広く活躍中。
撮影/YUJI TAKEUCHI 〈BALLPARK〉 ヘア&メイク/井手真紗子〈air no tes〉 スタイリスト/山本マナ 取材・文/佐藤裕美 構成/渡辺 真衣〈 BAILA〉 ※BAILA2020年8月号掲載
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