トニー賞授賞式。今年の司会、人気絶頂、ジェームズ・コーデンって？

トニー賞といえば、アメリカのテレビ界エミー賞（Emmy)、音楽界のグラミー賞(
Grammy)、映画界のアカデミー賞（Oscar)のと並んで“EGOT”と称される、アメリカの演劇＆ミュージカルを表彰する賞。昨年は「王様と私」に主演した渡辺謙さんがノミネートされ、日本でも話題となりました。

70回目を迎えるトニー賞、今年の司会を務めるのはジェームズ・コーデン。イギリス人の彼は昨年３月からアメリカの人気長寿トークショー番組「ザ・レイト・レイト・ショー」の司会を引き継いだ話題の人。自ら運転する車にジャスティン・ビーバーやアデルといった人気絶頂のミュージシャンを同乗させてともに歌いまくる「カープール・カラオケ」や、話題のミュージカル「ライオン・キング」や「オペラ座の怪人」の登場人物に扮して横断歩道が青のうちに歌い上げる「クロスウォーク・ザ・ミュージカル」などのコーナーなどが大ウケ。ゲストとして登場＆参加する大物俳優たちの芸達者ぶりなど、この番組でしか見られない一面見たさにチャンネルを合わせる視聴者が増えているのだそう。
1978年生まれのジェームス・コーデンは映画俳優や舞台俳優としても大活躍中です。オーディション番組で優勝したことで話題となったポール・ボッツの自伝映画『ワン チャンス』のチャーミングで真摯な演技（歌はポール本人が吹き替えていました）が日本でも人気となりましたし、舞台『One Man,Two Guvnors』（2012）ではトニー賞主演男優賞も受賞しています。

上の写真はジェームズ・コーデンの主演映画『ワン チャンス』（日本公開は2014年）のワンシーン。イギリスの人気オーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』で披露した「誰も寝てはならぬ」が会場中の喝采を浴び、その後優勝したことをきっかけにオペラ歌手となったポール・ポッツの自伝的映画です。歌声は本人の吹替ですが、ジェームズ・コーデンの体格や表情、そして実際に歌がうまい彼ならではの表現力の高さもあって、見ていて楽しく、そして笑顔になれる作品になっています。

あまりの人気の高さに「ザ・レイト・レイト・ショー」を放映するCBSが彼に新たな５年間契約を提案したこともニュースになっていましたが、それほど今この番組は動画配信サイトでも話題。何より旬のミュージシャンたちが彼とともに自分の曲を歌いまくり（もちろん生声で）、さらに彼との楽しいトークを繰り広げる「カープール カラオケ」のコーナーが大人気なんです。ミュージシャンたちの素がわかるのが抜群に楽しいし、彼らの車の中でのパフォーマンスを見ていると本当にプロなんだな、と感心＆納得してしまうことも。

これまでカープールのコーナーに登場しているのはアデルやワン・ダイレクション、クリス・マーティンやジェニファー・ロペス、ジャスティン・ビーバーやセレーナ・ゴメスも！グラミー賞授賞式の際は2人で車に乗って会場に向かうところをテレビで放映していました。

筆者おすすめのひとつはこちら。同乗しているのは大ヒットミュージカル「ハミルトン」で主演を務めるリン＝マニュエル・ミランダ（助手席）、トニー賞最多受賞を誇るオードラ・マクドナルド（助手席後ろ）、TVドラマ「アンブレイカブル・キミー・シュミット」でもおなじみのジェーン・クラコウスキー（運転席後ろ）、そして『モダン・ファミリー」で何度もエミー賞を受賞しているのジェシー・タイラー・ファーガソン。彼らによるミュージカルメドレーがものすごいんです。
特に最後に近いところから始まる「レ・ミゼラブル」のワン・デイ・モアは鳥肌ものです！

スタジオでのトークショーも、「ショー」と付くだけあって、単なるトーク番組に終わっていないのが番組の人気を支えています。4人になってからのワン・ダイレクションがゲストの時は、ドッジボールの試合を繰り広げてみたり。
ゲストもノリノリで楽しむので、わざとらしさや「脚本通り」みたいな白々しさがなく、そこの本気度も観ていてお得な気持ちに。今の所は番組公式サイトやYou tubeでのチャンネルで楽しんでみてくださいね。日本でもぜひ放映してもらいたい！

プライベートでは奥様のジュリア・ケイリーと仲睦まじい様子を見せるジェームズ。かつてテレビプロデューサーとして働いていたジュリアは、女優の経験もあるよう。ジェームズのルームメイトだった俳優のドミニク・クーパーがキューピッド役だったとのことで、2人の間には長男マックスと長女ケイリーという子供がいます。

アメリカのブロードウェイは、2015年の5月24日までの１年間の興行収入と観客動員数が過去最高を記録しました。「ライオンキング」や「ウィキッド」など日本でもおなじみの作品はもちろんですが、本場ならではの新しい試みがどんどんなされ、昨年の「王様と私」のようなリバイバル作品も人気です。今年はどの作品や人が受賞するのか、今からとても楽しみ！　演劇やセレブに興味のある方、日本ではWOWOWが生中継と字幕版を２週にわたって放映するようなので、ぜひチェックしてみてくださいね！