人にうまく頼れない“お願い下手”さん必見! BAILA読者から寄せられたお願いしづらい状況への対処法やお願いを切り出す決めゼリフを専門家がアンサー。今回はプライベートで夫やパートナーにお願いするテクを、公認心理師大野萌子さんが教えます。
公認心理師
大野萌子さん
日本メンタル支援機構代表理事。人間関係改善コミュニケーション、ストレスマネジメントが得意分野。
大野さんの近著『よけいなひと言を好かれるセリフに変える働く人のための言いかえ図鑑』(サンマーク出版 1540円)。
「心の声に耳を傾けて、依頼内容を明確に」
お願いをするときは「何をどうしてほしいのか」をハッキリ言うことが大事。ところが遠慮したり我慢したり、どう見られるかを気にしていると、自分の立場や相手の反応に意識が向くため自分の気持ちがつかめません。自分が把握できていないことを相手に伝えるのは不可能なので、まず心の声をよく聞くことが第一歩です。
1.【プライベートで夫に】子どもの具合が悪いとき、自分ばかりが仕事を休むハメに…。自分さえ我慢すれば…と思い、夫になかなか頼めずうまくヘルプが出せない。(38歳・アパレル)
決めゼリフ 「今月の後半にもし子どもの具合が悪くなったら相談できる?」
予測しにくいことほど先にお願いするほうが、頼む側も頼まれる側も楽です。感情より事実優先で情報共有し、どの程度、どこまでお願いしたいのかを具体的に話し合うことが大切。責任感が強い人は抱え込みがちなので「私が〇〇するべき」と思ったら頼るサインと考えて。
2. 【プライベートでパートナーに】パートナーから「もっと頼ってくれていいのに」と言われてもある程度のことは自分でできてしまうし、相手に悪いという気持ちがどこかにあって、頼ることが難しい。(35歳・小売業)
決めゼリフ 「コーヒーを淹れてもらってもいい?」
典型的な人にものを頼めない人の思考パターンですね。お願いのトレーニングには4段階あり、①言いやすい人に言いやすいことを②言いやすい人に言いにくいことを③言いにくい人に言いやすいことを④言いにくい人に言いにくいことを順に伝える積み重ねが有効です。
イラスト/香川尚子 取材・原文/佐久間知子 ※BAILA2022年4・5月号掲載