【祝19年ぶりシングル発売】オザケンの新譜に思わず涙(※長文失礼)

すでにオリコンのデイリーチャートで2位など、一部のアラサー&アラフォー世代で騒然となっている小沢健二さんの19年ぶりの新譜「流動体について」。バイラ読者の方も興味津々な方が多いのではないでしょうか。

学生時代、いわゆる渋谷系と呼ばれるカルチャーどっぷりだった私にとっては聞き逃せないニュースのはずなのに、実は発売後すぐに手を伸ばせなかったんです。それは2010年(もう7年前…)のひふみよツアーのライブに行ったときの違和感からでした。往年のヒット曲を久々にライブで聴けて、そのときはもうテンションMAXなのですが、その合間にちょいちょいはさみこまれる詩の朗読や実験的な新曲には、とてもついていけなくて(←個人的な意見です!)。
このときを境に、あー、もう私の90年代(青春)は完全に終わったんだな、と勝手に心のシャッターを下ろしていたんです。

だから、この新譜を遅ればせながら聴いたとき、とてもびっくりしてしまって。あの頃のポップでメロディアスな楽曲、光る一瞬をとらえたような詩的な歌詞。カップリングの「神秘的」も含め、「あ、これ好きだな」と瞬時にスイッチが入りました。
結局、私が好きだった「オザケンの核」みたいなところは、何にも変わってなかったんだと気づきました。
「遠くに行ってしまった」と思ってしまったときもあったけど、それはアーティストとして、いろいろな探求を続けてきた一面だったんだな、と気づきました。昔から根底に流れる人間賛歌的な面はむしろ、ご結婚やお子さんを持たれたことで一層深く、大きくなっているような気もします。


浜辺を歩くお子さんの後ろ姿をオザケン自身が撮ったという今回のジャケット。「球体の奏でる音楽」(96年)のジャケットを彷彿とさせます。
余談ですが、前述のひふみよツアーの会場で、お客さんのボーダーの着用率が異様に高かったんです。もちろん私も「渋谷系の制服」とも言えるアニエス・ベーの大好きな白黒ボーダーを選びました。ただし、マノロの黒いヒール靴と黒のフレアスカートで女っぽく。APCのデニムとジャックパーセルでカジュアル一辺倒に合わせていた「あの頃」のとはちょっと違うのよ…みたいな笑。完全に自己満足で、今思うと浅はかすぎて恥ずかしいのですが、ヘンな気負いでその日にボーダーを着てしまったからか、それ以来90年代へのシャッターと同時にボーダーにも妙なコンプレックスが生まれてしまって。30過ぎてウキウキ通りを歩くものね…と、妙に痛々しい気持ちになってしまい、素直に着れなくて(完全にこじらせてる…)。
もちろん着るときもあるのですが、「そっち系」(昔渋谷系が好きだった人)に思われないよう、すごくテクニックを考えたりして…。

でも、今回の新譜を聴いて、またボーダーを着たいな、と素直に思いました。真っ白なジャックパーセルもいいし、APCのデニムもやっぱり大好き。好きなものをちゃんと着続けようと。

今回、テレビにもたくさん出演されていますが、オープンに、穏やかに、自分の言葉でこれまでのことを色々話されている姿が印象的でした。歳を重ねて、そんな「好き」を表現し続けるやり方もあるんだと。いろいろ、感動し、考えさせられた今回の件。


思わず自宅から昔のオザケン関連レコードを夜中に漁り片っ端から聴き始める事態に。
(そういう方、多いのでは!?)
昔のもいいですが、今回のも本当に同じくらい好き。

夏のフジロックはもう体力が持たない気もして、考え中です(笑)!(U)

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