日本には「家は3回建てないと理想の家にならない」という格言(?) があるようだ。
戸建てを指しているようだがマンションの場合は何回になるのだろう。
2年前ので3回目、まだまだ道のりは長いと感じている。
当時身近に同年代で買った知り合いがいなく、手探り状態だった。興味ある方の参考になれば。
※数年前のことで現行の制度等と異なる可能があります
当時の状況
・社会人1年目も佳境に入るころ、独身、彼氏なし、結婚願望あり。
・都内のワンルームマンションに1マンペリカで住む(借り上げ)。
・不動産の専門知識はなかったものの、不動産マーケットの話は好き。
きっかけ
当時住んでいたマンションは暖房機器がエアコンしかなく、春夏は気付かなかったが冬になると底冷えする部屋であった。メジャーセブンの浅築マンションだったが、床暖がなく、東京の冬の寒さがきびしく震えていた。
ちょうどそのころ、社会人になっても母からお小遣いをたかもらっていた私に両親が「こいつあかんわ」と思ったらしく、マンションでも買ったら?と助言。そうか、その手があったか!と渡りに船であった。
家を買うことを決めたものの、どうやって選んで、どういうプロセスを踏むのか、さっぱり見当が付かなかった。
とりあえず現住居の不満を解消することから出発した。
・寒い
・狭い
・駅距離やや遠い(通勤で使う駅から7分)、の3点だ。
物件の条件
絶対条件は、
マンション:断熱がされていて、床暖があり、寝室が南か西向き。
立地:駅徒歩4分以内、会社までドアtoドア20分以内、特に気に入るポイントがあれば30分以内(後述)
であることにした。
エリアの選定
社会人になって初めて電車通勤するようになった感想は、この時間に意義を見出せない、ということであった。
オフィス階の上にレジデンスがあるビルを羨ましく思ったものである。複合ビルを見ては社名プレートをチェックするという捕らぬ狸の皮算用をしていた。
職場の徒歩圏に適当なレジデンスがなければ仕方ないが、通勤時間は苦手なので出来るだけ短いほうがいい。
東京には学生時代港区に3年弱住んだのみで地縁がなく、特段思い入れのあるエリアもないので、週5で行く会社へのアクセスを最優先した。
現在はリモートのほうが出社より多いので、もし今選ぶならなら違ったかもしれない。
駅距離の考え方
当時は都心部にある職場まで2駅、通勤に使う駅まで駅徒歩7分、ドアtoドア約20分。時間はいい塩梅なのだろうが、駅距離が長かった。冬でも薄着なので寒かったのだ。
電車通勤の感想として、一度電車に乗ってしまえば数分の違いは体感として大差ないが、徒歩の数分は大差あった。体感では5分が閾値。
乗車時間は10分程度増えてもマンションや駅周辺の満足度が高ければ相殺されると思ったので駅徒歩4分以内にして、2、3駅増やした範囲内で探すことにした。
検索の都合上、5分も出てくるがスルーした。駅距離は譲らなかった。
広さ
ひとり暮らし、基準がよくわからなかったが20~30平米では狭いので、40平米~60平米くらいかなと。
物件の特に気に入るポイント
・部屋が明るい。窓が大きいか、多い。
・眺望がひらけている。
・周囲の飲食店が充実している。
・大きいマンション。
・間取りがきれいで廊下が短い。使わない部分なのでその分部屋が広くなる。
・キッチンが小さい。同上
・バスタブがない。同上
・タクシーが拾いやすい
・(中古の場合)売主が個人的理由で売り急いでいる。
・(中古の場合)部屋の状態が綺麗でリフォームなしで住める。一人住まいであまり家にいなかったり、セカンドハウスであれば尚よし。
いよいよ探すフェーズに入る。
なんてことはない、SUUM◯検索だ。
がさっそく躓いた、新築か中古を選べというのだ。
新築か中古か
どちらでも変わらないと思った。
しかし右も左も分からないので、ホームページを見たときに立派な専用ページがある新築に吸い寄せられていった。
当時たしか、神楽坂に新築マンションが建つというので、見に行った。
条件に一致し、エリアでは大きめなマンションで周囲環境もいい感じであったが、風水的にいまひとつで見送ったと記憶している。
ともあれオシャレなモデルルームに素敵~と感激し、親切な営業マンがあれこれ説明してくれて流れ作業のように心地よい新築内覧はたいへん魅力があった。
数年後、オプション盛り盛りモデルルームはどうでもいいから図面だけくれと言う変わり果てた姿になろうとはこの時思いもしなかった。
中古マンション探し、数年後こそもはや趣味と化したが、この時探すのは難儀した。
素直な感想として、なんかこう、冴えない。
写真や参考図等のクオリティ差はあるが(新築CGに比べれば気合が入っておらず)全体的にクオリティ低めで、間取り図も形式がバラバラで、築年数が異なるので価格も比較しづらい。
内覧するにも、新築と違い勝手が効かないので日程調整等が面倒なのだ。
居住中のことも多く、あれこれ見たり触ったりするのは気後れする。
そして内装にこだわりが感じられない家が多くここに住みたい!と中々ならなかった。
迷走する
不貞腐れた。
だって、
別にい、買わなくてもお、今のままなら家賃ほぼタダだしい。モデルルーム見学も内覧も休み潰れるし、もういいやと。
婚活疲れならぬ家活疲れというやつだったのだろう、探すのをお休みした。
年末年始を挟んで、帰省した。
その当時実家は北京にあったが、セントラルヒーティングががんがん効いていてさらに寒がりな父がサンルームに内窓も付けていたため薄着で快適にアイスを食べられる環境だった。
戻ってきたとたん、猛烈な寒さに襲われ我に返った。
すぐさまパソコンぽちぽちを再開した。
ご縁
少し離れている間に新顔も増え、条件にかなう一件が目を引いた。
都心からほど近く、駅4分以内で、築10年と少しで、50平米台という割には良心的な価格であった。
何か問題があるかもしれないと思いながらも、仲介業者に連絡してみた。
どうやら売り出したばかりでまだSOLD OUTではないが、さきほど内覧したお客さんが申し込みしてるので、、と乗り気ではない様子だった。
初動の遅さを悔やみながらも勉強させてくださいとなんとか内覧だけお願いした。
駅から物件まで飲食店がずらっと並び、外観もきれいなものであった。
間取りは変化球であったが、眺望がひらけており日当たりが良く、置かれているソファーに思わず腰かけたくなるような馴染みの良さがあった。
帰りがけ、前の人ローンで落ちないかなあと思いながら最寄りの神社に寄った。
しかしどうやら順調に進み、お祈り電話をもらった。お賽銭ケチったのがまずかったか。
何もしてないのに徒労感がすごかった。
中古マンションというのは、大規模マンションはともかく、希望の広さ向きは一年に出るか出ないかなんてざらなのだ。
人というのは面白いもので、手に入らないと分かったとたん惜しくなるのだ。
内覧前はなんか微妙なんだろうな、どうせ、と穿っていたのに。
誰かが買うと聞き、アレがベストだったのに!と。
またSUUM○職人に戻ったが案の定似たような条件のものはない。
なんで面倒くさがって探すのを途中でやめたんだろう。せめて帰省中に検索していれば。
くそ……なぜあんなムダな時間を……
しばらくして、事態が急転する。
電話の声からして、私には朗報のようだ。
なんと、契約日当日に、双方揃いこれから押印という時に、買主側に事情がありキャンセルになったと。
しかも、私の内覧以降、売主は仕事が多忙で購入の手続きも順調だったので誰も案内していないと。
しかもしかも、売主は新築マンションの受け渡しが迫っているので急いでいると。
さらに、前の買主が価格交渉した価格でいいと。
買う気満々だが、念のため母にも見てもらおうと、すぐさま飛行機で来てもらい内覧したその場で決めた。
母がさらなる値引きを要求したため数回やり取りが発生したが、売主が多忙でこれ以上内覧をされたくないということで二番手がおらず、仲介の方も頑張ってくれたのでかなり受けてくれた。その後はとんとん拍子で話が進み晴れて正式契約。
色々端折ったのでまた次回に。