「30代、“憧れ”が似合う私に――」。そう願う佐藤晴美の胸の内をひもとく連載「佐藤晴美のMY WISH LIST」。第10回は「カルティエ」の腕時計にフォーカス。ふと手もとに視線を落としたり、ペンを走らせたり、誰かと食事をしたり。日常のなにげない瞬間を素敵に見せるのは、いつだって、たったひとつの腕時計。スマホで簡単に時間を確認できる時代に腕時計をすることの意味を、晴美はどう考える？

腕時計は“その人”を映すもの。自分自身がどうありたいかを模索する30代こそ、自分の軸になる一本を見極めるジャストなタイミング。今まさに、その渦中にいる晴美が思いを馳せる一生モノとは。

「身につけるアイテムのなかで、最もエターナルな存在。流行に左右されず、おばあちゃんになってもつきあえる永遠の相棒なんじゃないかな。ひとつ時計が決まると、自分の女性像も定まっていく気がするんです。ジュエリーを重ねて印象は変わったとしても、イメージをつかさどるのはやっぱり腕時計。私の“軸”になってくれるものだと思います」

「凜としているのに力が抜けていて、チャーミングな人。普段はシンプルスタイルがMY定番だけど、必ずどこかに甘さが欲しいんです。それは、物心ついた頃に、レースやフリル、ピンクにキュンとした記憶が私のなかに残っているから。可愛い服を大胆に着るのはしっくりこないので、腕時計でさりげなく女性らしい品をプラスしたい。私にとって腕時計は、理想の女性像を完成させる“調整役”みたいなものかな」

「服を選ぶときもそうなのですが、どれだけ自分の体の曲線になじむかを意識していて。時計も同じで、毎日肌に触れるものだからこそ手首にピタッと心地よく寄り添ってほしい。その意味でも、なめらかなブレスウォッチに惹かれます。憧れは、カルティエの“ベニュワール”と“パンテール”。抜け感のあるミニモデルを狙っています」

「存在感があるのに、前に出すぎないところが絶妙でした。どんなジュエリーと重ねても上品にまとまり、あらゆるスタイルに溶け込むジュエリーウォッチって、そうそうないと思います。年を重ねても、きっと自分を引き立ててくれるであろう究極の腕時計に出会えた感覚です。普遍的なエレガンスを宿すゴールドの“ベニュワール”、スタイルをすっきり洗練させるステンレススチールの“パンテール”、それぞれによさがあって、迷ってしまいます。いつか両方手にできる日がきたら、最強かも（笑）」

撮影／鏑木穣〈SIGNO〉　ヘア＆メイク／イワタユイナ　スタイリスト／加藤かすみ　モデル／佐藤晴美　取材・原文／榎本洋子〈TENT〉　※YG＝イエローゴールド、WG＝ホワイトゴールド、SS＝ステンレススチール、DIA=ダイヤモンドの略です　※BAILA2026年1月号掲載