時代も世代も超えて愛され続ける「名品」には、やはり理由がある。知れば知るほど愛着とリスペクトが深まるレジェンド時計に、憧れの女性像へと引き上げてくれる“可能性”を託して。
CONTENTS
1. Cartier(カルティエ)の名品腕時計「タンク」コレクション
絶え間なく続く世界中からのラブコール。
伝統と慣習を覆し、誕生から100年以上たった今なお
その簡潔な美しさで進化を続ける不朽の名作
1917年、3代目当主ルイ・カルティエが、戦車を上から見た形をもとに、縦枠をキャタピラー、ケースを操縦席に見立ててデザインしたといわれる「タンク」。当時流行していた優美で曲線的なフォルムの時計とは一線を画す、調和のとれた直線が生み出すシンプル美は、それまでの常識を覆すものだった。以降、100年以上にわたりバリエーションを広げ進化を続ける「タンク」ウォッチは、ゲイリー・クーパー、アンディ・ウォーホル、ダイアナ元妃、マドンナからカトリーヌ・ドヌーヴまで、世界中で歴史を刻む自由な心を持つ人たちに、言外のメッセージを込めて愛され続けている。

ローマ数字のインデックスと、文字盤の二重線が「タンク」コレクションのアイコン。「タンク」のオリジナルモデルである「タンク ノルマル」に手を加え、1922年に発表されたこの時計は、ルイ・カルティエが愛用していた時計にちなんで「タンク ルイ カルティエ」と名づけられた。時計「タンク ルイ カルティエ」(YG、クォーツ、29.5×22mm)¥1755600・ピアス¥786500・リング¥594000・ブレスレット¥1570800/カルティエ カスタマー サービスセンター(カルティエ) ニット¥30800/エストネーション
2. CHANEL(シャネル)の名品腕時計「ボーイフレンド」
マスキュリンな要素を通じて
新たな女性らしさを引き出した
そんなマドモアゼル自らの生き方を投影して
2015年誕生の「ボーイフレンド」は、マスキュリンなワードローブから得た要素にひねりを効かせたデザインが魅力。これは、“男性的なものを通じて女性の魅力を引き出すスタイル”を提案したマドモアゼル・シャネルのファッションや価値観に通じるもの。“女性のパートナー”と称されるこの時計。デザインアイコンとなるのは、伝説的な香水「シャネル N°5」のボトルストッパーとヴァンドーム広場に敬意を表した八角形のウォッチケース。簡単につけ替えが可能なインターチェンジャブル仕様で、パーソナライズできる多彩な素材のストラップを展開している。

ステンレススチールのケースに、オパールホワイトのダイヤルを組み合わせた爽やかなカラーリング。ベゼルにはダイヤモンドが輝く。カーフレザーにふっくらとしたキルティングパターンを施したシャネルらしいストラップは、気分に応じて簡単につけ替えできるのが嬉しい。時計「ボーイフレンド」(SS、クォーツ、27.9×21.5mm)¥1358500・リング(右手)¥984500・(左手人さし指)¥731500・(左手中指)¥984500/シャネル カスタマー ケア センター(シャネル) ブラウス¥36300/ビームス ハウス 丸の内(エッフェ ビームス)
3. ROLEX(ロレックス)の名品腕時計「オイスター パーペチュアル」
創立者のハンス・ウイルスドルフいわく、
「失望させることのない時計」。
その自信を裏打ちする、洗練シンプルな
デザインと卓越性を象徴するモデル
初代「オイスター」の直系モデルとして1931年に開発された「オイスター パーペチュアル」は、ロレックス初の自動巻き防水クロノメーター腕時計。腕時計として初のクロノメーター認定、完全防水のオイスターケース、腕の動きに応じてパーペチュアルローターにより自動でぜんまいが巻き上がる自動巻ムーブメントと、創立時からの時計製造におけるロレックスの3つの偉業を備え、“時・分・秒を正確に伝える最もシンプルな腕時計”として高い人気を誇る。その飽きのこない完璧なデザイン性とともに、ブランドの卓越した技術力を伝えるゲートウェイとなっている。

5サイズ展開でバリエーション豊富な「オイスター パーペチュアル」に、落ち着いたパステルカラーのダイヤルが仲間入り。肌なじみよく合わせやすいベージュに加え、ラベンダーやピスタチオなど、心ときめく色展開。マット仕上げも新鮮。時計「オイスター パーペチュアル 34」(オイスタースチール、自動巻き、34mm)¥886600/日本ロレックス(ロレックス) オールインワン¥39600/コンテ 青山店(コンテ) シャツ¥30800/ガジェス イヤカフとして使用したイヤリング¥444400・リング¥475200/TASAKI サングラス¥27280/ルックスオティカジャパン カスタマーサービス(レイバン)
4. HERMÈS(エルメス)の名品腕時計「ケープコット」
スクエア×長方形の幾何学的な融合に、
ファッション性の高い二重巻きのストラップ。
フレンチシックな手もとに知性と自由をまとって
フレンチシックな遊び心と精緻さを兼ね備えた時計「ケープコッド」は、1991年に当時のデザイナー、アンリ・ドリニーが エルメスを象徴するモチーフ「シェーヌ・ダンクル」(船の錨鎖)のコマの半分を2つ組み合わせ、“長方形に正方形を重ねる” という幾何学的な発想をもとにデザインしたコレクション。中でも、プレタポルテのデザイナーであったマルタン・マルジェラが 1998年に生み出したレザーベルトを手首に二重に巻きつけるストラップは、時計をアクセサリー感覚で楽しめる 新鮮なアイディアとして人気を集め、今も「ケープコッド」のシグニチャーのひとつとなっている。

エルメスならではの上質なレザーを使い、伝統的な馬具作りに基づく手作業で一本ずつ縫製・仕上げを行う「ドゥブルトゥール」ストラップ。そのしなやかさや発色の美しさはやはり格別。ネイルカラーとのコンビネーションも楽しい。時計「ケープコッド」(SS、クォーツ、31×23mm)¥50 6000・(テーブルに置いた)ピアス¥261800・ダブルリング¥191400・リング¥140800・ネイル各¥6380/エルメスジャポン(エルメス) カーディガン¥30800/ガジェス
5. GrandSeiko(グランドセイコー)の名品腕時計「ヘリテージコレクション」
“世界に誇れる最高級の腕時計”を――。
そんな当時から続く理念を継承する
日本の美意識が宿る王道デザイン
「ヘリテージコレクション」は、グランドセイコーの伝統に新たな命を吹き込んだ、時代を超えて愛用できる王道モデル。歴史的な意匠を現代の技術で再解釈し、あえて無駄な装飾を排した汎用性の高いデザインに仕上げている。また、2005年に初めて発売された「雪白」ダイヤルは、時計が製造されている信州の工房から望む穂高連峰の荘厳な雪景色を再現した、シグニチャーともいえる特徴的なパターン。「雪白」といっても白塗りではなく、匠の技による特殊な銀メッキ加工で風が刻む雪面の繊細な輝きを表現しており、日本の美意識を感じる“白を使わずして純白を表現したダイヤル”として、世界的にも人気が高い。

シーンや着こなしを選ばず、毎日愛したくなる汎用性の高いデザイン。単純なホワイトカラーではない白銀のダイヤルと、ベゼルに施された44個のダイヤモンドのきらめきが、光の当たり加減によって多彩な表情を見せる。時計「Heritage Collection STGF385」(SS、電池式クォーツ、28.9×35.4mm)¥792000/セイコーウオッチお客様相談室(グランドセイコー) ジャケット¥44000/サードマガジン カットソー¥23100/シンゾーン ルミネ有楽町店(ザ シンゾーン) リング各¥63900/トムウッド 青山店(トムウッド)
6. JAEGER-LECOULTRE(ジャガー・ルクルト)の名品腕時計「レベルソ」
ポロ競技中、ガラスを保護するために生まれた伝説の反転式ケース。
そのユニークな革新性と気品は、90年以上の時を超えて文化的なアイコンに
1833年の創業以来、自社製品だけでなく、他社の名品にもジャガー・ルクルト製の機械が搭載されることも多いことから、“時計師の中の時計師”と称される技術革新の先駆者的存在。そんなメゾンの代表作「レベルソ」は、クラシカルでありながら独創的な逸品。最大の特徴である反転式ケースは、1931年、当時の貴族の間で流行していたポロ競技の最中風防(ガラス)が割れない時計が欲しい、というリクエストから生まれたもので、実用面や耐久性は十二分。また、ケースの裏面にエングレービング(彫金)を施すことができるので記念日やお祝いの品としてメッセージを刻み、次世代に受け継いでいくのも素敵。

「レベルソ」誕生当時のサイズ感に最も近く、また、名機といわれる専用の手巻きムーブメント「キャリバー822」を搭載し、愛好家の間でも人気のモデル。時計「レベルソ・トリビュート・モノフェイス」(SS、手巻き、40.1×24.4mm)¥1425600/ジャガー・ルクルト ニット¥29700/マルティニーク ルコント ルミネ有楽町(マルティニーク) カットソー¥37400/エスアンドティ(シックススリーナインセブン) スカーフ¥18000/キャバン 丸の内店(キャバン) ピアス¥65500・ネックレス¥59100/トムウッド 青山店(トムウッド) エプロン/スタイリスト私物
撮影/赤尾昌則〈whiteSTOUT〉 ヘア&メイク/河嶋 希〈iO〉 スタイリスト/池田 敬(人)、遠藤慎也(物) モデル/佐藤栞里 取材・原文/東原妙子 ※BAILA2025年12月号掲載

BAILA編集部
30代の働く女性のためのメディア「BAILA」。ファッションを中心にメイク、ライフスタイルなど素敵な情報をWEBサイトで日々発信。プリント版は毎月28日頃発売。



























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