思わず二度見しちゃうほど端正で甘い顔立ちの中村隼人さん。歌舞伎俳優としての現在地、そして浅草歌舞伎への思いを聞きました!
お正月の浅草は、街全体で、お客さんを歓迎してくれる
編集部が手土産で持ってきたスイーツを前に、「甘いもの、大好きなんです」と目を輝かせるスイーツ男子の隼人さん。
「カボチャのプリンが好きで家でも作りますし、チョコミルクレープも以前、トライしました。でも、生クリームが均等に塗れなくて、食べたときにムラがあって、『なんか違うな』って(笑)」。
凜々しい顔立ちに加えて、育ちのよさを感じさせるやわらかい雰囲気。さらにここへきて、歌舞伎俳優としても急成長を遂げ、注目を集めている。
「コロナ禍で次々と公演が中止になり、『この先、歌舞伎俳優としてやっていけるのか』と悩んだ時期もありましたけれど、逆にコロナ禍で歌舞伎の興行形態が変わったことで、若手の活躍の場が必然的に増えたんですね。その中で、やっと脇役を固められるようになったという感じです。でも、僕ももう29歳で、“芽が出る”には遅いくらい。褒められて浮かれてる場合じゃなくて、もっともっと頑張らないとダメですね」と自らを見つめる目は厳しい。
そんな隼人さんが2023年1月、『新春浅草歌舞伎』に出演する。『浅草歌舞伎』は、毎年1月に浅草公会堂で行われてきた若手俳優の登竜門。コロナ禍で2年間、休止になっていたが、それがいよいよ再開する!
「チラシの撮影のときもみんなで意見を出し合って構図を考えたりして、そういう手作り感は浅草歌舞伎ならでは。『あ、やっとここに戻ってきたな』って、すごく嬉しかったです」
iPhoneに入れた「やりたい役」リストには、50~60の役名が書いてあるんです
また、隼人さん演じる『引窓』の南与兵衛という役は、「ずっとやりたかった役」だそうで、まさに夢が現実に。
「自分のiPhoneのメモに、『やりたい役リスト』というのが50~60役、書いてあって、その中でも南与兵衛は『今すぐやりたいリスト』という特別枠に、去年の3月くらいに入れたばかりだったので(笑)、『来た~!』という感じ。気合が入っています。
浅草歌舞伎は、初めて歌舞伎を観る人にもおすすめです。浅草って、江戸時代のにおいを残している数少ない街だし、お正月は街全体で、お客さんを歓迎しているようなにぎわいがあります。ぜひ浅草に足を運んでください!」
舞台『新春浅草歌舞伎』
日程/2023年1月2日(月)~ 24日 (火)
劇場/浅草公会堂
出演/尾上松也、中村歌昇、坂東巳之助、坂東新悟、中村種之助、中村隼人、中村橋之助、中村莟玉
昼の部は『双蝶々曲輪日記 引窓』『男女道成寺』、夜の部は『傾城反魂香』『連獅子』と意欲的な演目が並ぶ。若手の登竜門といわれる浅草歌舞伎で、花形俳優たちが躍動する!!
ジャケット¥390000・シャツ¥155000(参考価格)・パンツ¥280000/クリスチャン ディオール(ディオール)
中村隼人
なかむら はやと●1993年、東京都生まれ。父は二代目中村錦之助。歌舞伎俳優として活動するほか、ドラマなどでも活躍。2023年2月、3月は、舞台『巌流島』(明治座ほか)に出演。主演ドラマ、BS時代劇「大富豪同心3」(NHK)も2023年放映予定。
撮影/干田哲平 ヘア&メイク/川又由紀〈HAPP’S.〉 スタイリスト/石橋修一 取材・原文/佐藤裕美 構成/渡辺敦子 ※BAILA2023年2,3月合併号掲載