「恋愛はちゃんと頑張っているのに、なぜかうまくいかない」。
社会人4年目、周囲は次々と結婚や出産の話題で盛り上がり、気づけば焦りばかりが募っていた——。
そんな三間理沙さん（読者組織スーパーバイラーズのメンバー）が、半信半疑で訪れた浅草の七福神巡り。
するとその翌日、人生を大きく変える出会いが待っていたのです。

社会人4年目くらいの頃、私はずっと彼氏がいませんでした。姉は同じくらいの年齢で結婚していたので、家族からも「大丈夫？」と心配されてもいました。

自分では、恋愛をサボっていたつもりはありません。出会いの場にも、結構行っていました。でも、なぜか成立しない…。私がいいなと思う人には選ばれなかったり、逆に好意を向けてもらっても「うーん……」となってしまったり。タイミングや相性が、ことごとく合わなかった。

周りでは、早い子だと結婚していたり、子どもがいる子も出てきていました。
「結婚するなら、その前に何年か付き合って……って考えると、私、結構出遅れているんじゃない？」
そんなふうに不安になる時期でした。

それでも彼氏がいない時期は、仕事と美容に力を入れ、「自分磨きの期間」にしようと割り切って、頑張っていました。

新しい出会いを求めて、アプリも使っていたのですが、正直そこで出会った人とはあまり合いませんでした。世間にはいろんな人がいるのは分かっているけど、その分、気を使うことも多くて。

「新しい人に会うって、こんなにエネルギーを使うんだ……」とグッタリ。すごく疲れてしまったんです。

そのとき初めて、「これは自分のペースじゃないな」と反省しました。
恋愛したい気持ちはあるけど、無理してまで出会いを追い求めるのは違うかも、って。

そんなときに聞いたのが、友人の話でした。
仕事で悩んでいた友達が、年始に浅草七福神巡りをしたら、すぐに部署異動が決まったというんです。

人事異動は普通、もっと後に発表されるのに、その子は早めに決まったんです。
「七福神巡り、いいよ」って言われて、半信半疑ながらも行ってみることにしました！

浅草の七福神巡りは、全部で9カ所。
有名なのは浅草寺からスタートするルートで、

浅草寺 → 浅草神社 → 待乳山聖天 → 今戸神社 → 石浜神社 →
橋場不動尊 → 吉原神社 → 鷲神社 → 矢先稲荷神社

と、比較的コンパクトに巡れます。

全部回っても3時間くらい。私たちは観光も兼ねて、飲んだり食べたりしながら半日かけて回りました。昼からお酒も飲んで（笑）。浅草飲み歩き感覚で行くと楽しいと思います。

七福神巡りでお願いしたのは、「彼氏ができますように」「人生のパートナーが見つかりますように」。
この2つだけ。

あと、神様が見つけやすいように、自分の名前と住所を言うといいと聞いたことがあったので、早口で名前と住所を伝えました。だから探してもらえたのかな、なんて（笑）。

御朱印や記念品は、あまりもらいませんでした。浅草寺はすごく並んでいて、正直ちょっと面倒で……。
でも、形式にこだわらなくても、ちゃんと聞いてもらえたのかなと思っています。

驚いたのは、その翌日です。
合コンというか、新年会のような集まりで、今の彼と出会ったのです。

彼のほうから声をかけてくれて、そこから1ヶ月半くらいでお付き合いすることに。
本当に、びっくりするくらいトントン拍子でした。

最初に盛り上がった話題は、まさかの「ジョジョの奇妙な冒険」。ちょうど私がジョジョにハマっていた時期で、相手も大好きだったんです。「休日何してるの？」という何気ない会話から、一気に距離が縮まりました。

彼は、とにかくおおらかで話しやすい人。付き合う前のデートで、私が楽しくなりすぎてベロベロに酔ってしまったことがあったのですが（笑）、ちゃんと誠実に送ってくれて、すごくジェントルマンでした。

「あ、大切にしてくれる人だな」
そう自然に思えたことが、何より大きかったです。彼の方から、「つきあおう」と言ってくれました。

出会ってから2年。
今もおつきあいは続いていて、両親にも紹介してあります。

絶対的な味方が自分にはいる、という安心感。それが今の私にとって、一番大きな変化かもしれません。同い年なので、仕事の悩みも同じ目線で話せるところも心地いいです。

9カ所の中で、自分としては特に恋愛に効いた気がしているのが今戸神社。順位をつけるのは神様に悪いかもしれませんが…体感的には一番でした。

今度は彼と一緒に、七福神巡りに行きたいね、と話しています。
恋愛だけじゃなくて、夫婦円満のご利益もあるので、カップルで巡るのもいいと思います。

9カ所と聞くと大変そうに感じますが、意外とお散歩気分で回れます。ごはんを食べたり、飲んだりしながら、楽しむくらいがちょうどいい。

頑張りすぎていた恋愛から、少し力を抜いたときに起きたミラクル。
浅草の七福神たちは、ちゃんと私を見つけてくれたのかもしれません。

取材・文／井尾淳子