「カトパン」の愛称で親しまれるフリーアナウンサーの加藤綾子さん。コミュニケーション上手な加藤さんが、読者の対人関係のお悩みについてアドバイス! そこには、仕事とプライベートがうまくいく、「話し方」「聞き方」「気遣い」の秘訣が隠れていました。
読者からカトパンへ質問! こんな対人関係の悩み、どうしたらいい?
Q1 仕事が好きです。一生懸命やっているつもりです。でも、仕事に自信が持てません。周囲の人たちは皆自分より仕事ができるように見えて卑屈な気分になったりします。(31歳・メーカー)
❝みんなから「すごいね」と言われることが目標になると、人と比べたりしてつらくなります。だから人の評価ではなくて、まずは自分が納得するラインをしっかりと持つことが大事。そして、それがゆらがないようにやるべきことに集中する。大切なのは、人ではなく、自分と勝負することだと思います❞
Q2 今年、初めてうちの部署に新人が入ってきました。よく「褒めて育てる」と言いますが、まだ仕事も半人前で、どう褒めたらいいのかわかりません。(27歳・商社)
❝たとえば新人が簡単な書類を作ってくれたとき、「これ、まとめてくれたんだね。すごく助かった」「書類、分類しといてくれたんだね。気がきくね」なんて感じで、気づいたことを声がけするくらいはできると思うんですね。こっちはできて当たり前と思っていることでも言葉にして伝えることは大事。後輩のモチベーションも変わってくるんじゃないかな❞
Q3 自分が活躍しているときに陰で「目立ちすぎ」と言われたことがあり傷つきました。(29歳・商社)
❝出る杭は打たれるというから、仕事で目立ってしまったときは、普段の会話は極力控えめにするといいのかもしれないですね。たとえば同僚に「お昼、何食べる?」なんて聞かれたら、「なんでもいいよ~」とにごして、できるだけ主張しない体でいる。その引き算、足し算は必要かも❞
Q4 30代半ばにさしかかり、会社でのキャリアもベテランの域に。でも、仕事がうまくまわらなくて弱音を吐きたくなることがあります。でも弱音なんて吐いたら後輩たちから「頼りない」と思われそうで…。(33歳・流通)
❝友人の話ですが、あるとき、彼女が尊敬していた先輩が、会議で上司にボコボコにやり込められ、落ち込んでいたんですって。でも、翌日、その先輩がなにごともなかったように気持ちを切り替えていて、「この人、さすがだな」と思ったそうです。だから弱音を吐くなら、後輩や会社の人ではなくて、会社とは関係のない友達とかに吐き出したほうがいいと思います。そして後輩たちには、どう気持ちを切り替えるのか、その姿勢を見せるほうがスマートなんじゃないかな❞
Q5 会社で私のことをよく知らない人たちに噂話をされてどんどん広まっていたりします。噂話のイメージがついて、仕事がしづらいことがあります。(30歳・アパレル)
❝「みんな、私のことをこう思っているんだ…」と気にすると、どんどんネガティブになってしまうので、まずは自分がそういう気持ちを捨てて、ゼロの状態で人と接することですね。同時に相手に対するイメージもゼロにします。そうしてまっさらな気持ちで接すれば、自然と誤解は解けるもの。とにかく気にしないこと!❞
Q6 自分がやった仕事を、あたかも自分の手柄のように周囲に伝える上司がおり釈然としません。(29歳・広告代理店)
❝「これ、俺が考えたんだよ~」って手柄を横取りする上司がいたら、私だったら「いや、私です」って言っちゃうかも。「えっ、ずるくないですか?」「ダメですよ、横取りは」って、あくまで明るく、冗談っぽく。でも、言わなくても周囲の人は、「あの上司、またやってる」って、たいていわかってると思いますけどね(笑)❞
Q7 明らかにキャパオーバーなのに、仕事を断るのが怖い。自分にとって後々プラスとなるからやったほうがいいのか、それともキャパを守るのは大切なのか、すごく悩みます。(33歳・ライター)
❝20代だったらキャパを超えて、がむしゃらに突っ走ることが自分の糧になる場合もありますけれど、30代だったらキャパを守って、バランスをとったほうがいいのかなと思います。無理をして心や体を壊すと、復活するのも大変。それに仕事を断るのは怖いけれど、断ると案外、新しい仕事がくるものですよ❞
『会話は、とぎれていい─愛される48のヒント』 加藤綾子 文響社 1180円
「目を見て話す」にこだわらない、第一声で空気をつくる……など、加藤さんがこれまで会った著名人などの例をひきながら、見習いたい話し方、聞き方、気づかいの秘訣を具体的に解説するコミュニケーション本。愛される48のヒントを読めば、仕事もプライベートも上昇気流にのれるはず。
撮影/熊木優〈io〉ヘア&メイク/野口由佳〈ROI〉スタイリスト/斉藤くみ取材・文/佐藤裕美構成/喜多佳子〈BAILA〉 ※BAILA2019年10月号掲載