気候変動に対する関心が世界中で高まっている。日本も気候変動の影響を受ける国のひとつ。働く30代女性が今知っておきたいキーワード「気候変動」についてテレビ東京キャスターの大江麻理子さんに解説いただきました。
大江麻理子キャスター
おおえ まりこ●テレビ東京報道局ニュースセンターキャスター。2001年入社。アナウンサーとして幅広い番組にて活躍後、’13年にニューヨーク支局に赴任。’14年春から『WBS(ワールドビジネスサテライト)』のメインキャスターを務める
【読者アンケート】
Q 気候変動の影響はすでに表れていると思いますか?
思う……90% 思わない……10%
Q 気候変動対策として何か心がけていることはありますか?
ある……70% ない…………30%
気候変動に関心が高い読者。9割がすでにその影響を台風や気温上昇などから感じており、7割が対策を心がけていると回答。具体的にはエコバッグ・マイボトルの使用、節電、リサイクル、ゴミの分別などが挙がった。SDGsを認知している人も6割以上おり、「勤める会社がSDGsへの貢献を目標に掲げている」という声もあった。
今知っておきたいニュースキーワード【気候変動】
「持続可能な社会にするために自分にできることを続ける」
グレタ・トゥンベリさんの活動が話題になり、気候変動に対する関心が世界中で高まっている。日本も気候変動の影響を受ける国のひとつ。
「昨年、日本は自然災害が本当に多かったですが、それは気候変動と無関係ではないといわれています。気温の上昇は生態系にも影響を及ぼし、身近なところでは水産資源の水揚げ時期や量の変化によって魚の旬が変わるかもしれないなど、すでに私たちの食卓にも影響が出ています。
では私たちに何ができるかと考えたときに、バイラの読者の方はすごく意識が高いと思います。リサイクル、ゴミの分別、マイバッグやマイボトルを持つという行動は、『私がやってもやらなくても変わらないんじゃないか』と思う瞬間もきっとあると思いますが、冒頭で時代の流れの川のお話をしたとおり、大河の一滴がまとまれば流れになるので、『必ず自分の行動が何かに影響を与えるんだ』と自分に言い聞かせながら続けてほしいです」
人や社会、環境に配慮したエシカル消費も私たちにできること。
「自分がどの商品を買うか、どこにお金を使うかというのは、どんな企業に賛同しているかということでもあります。気候変動対策が目標のひとつに掲げられているSDGsへの取り組みが世界中で加速しているなかで、今、企業は持続可能な社会に役立つような会社かどうかをより厳しく見られる時代になっているんですね。環境や社会への貢献を重視するESG投資も拡大していて、配慮していない企業は投資をしてもらえなくなる。自分が応援したい企業の商品を買うことは大きく考えるとESG投資と同じこと。今起きている大きな社会の変化は一人ひとりが自分の行動を考え始めたことで、実際に大河の一滴がまとまって大きな流れを作った結果でもあると思います。持続可能な世の中にしていくために、『持続可能な』という言葉を自分にも当てはめて、できることを続けていくことが求められています」
SDGs(エスディージーズ)
2015年9月の国連サミットにて採択された“SustainableDevelopmentGoals=持続可能な開発目標”のこと。Profile気候変動への対策のほかにも、貧困、飢餓、紛争、教育、ジェンダーの平等、社会的格差、雇用など、幅広い問題に対して全世界共通の17のゴールを設定し、2030年までに達成することを目標としている
撮影/フルフォード海 取材・文/佐久間知子 構成/松井友里〈BAILA〉 ※BAILA2020年3月号掲載