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大江麻理子キャスターが教える「景気ウォッチャー調査」って?【働く30代のニュースゼミナール vol.7】

テレビ東京『WBS(ワールドビジネスサテライト)』の大江麻理子キャスターがセレクトした“働く30代女性が今知っておくべきニュースキーワード”を自身の視点から解説する連載。第7回目は、バイラ読者の8割は知らない「景気ウォッチャー調査」がキーワード。大江さんおすすめの景気指数の見方とは?

今月のKeyword【景気ウォッチャー調査】

けいきうぉっちゃーちょうさ▶内閣府が毎月実施、公表している景気の調査。コンビニ店長やタクシー運転手など、地域の景気に敏感な立場にある全国のさまざまな業種の人々に対して、景気の現状判断と2~3カ月先の景気の先行き判断を調査し数値化して発表。判断理由も公表されるためリアルな景気動向がつかめる。

大江麻理子キャスター

バイラ読者107人にアンケート

「景気ウォッチャー調査」という言葉を知っていますか?


はい 21%

いいえ 79%

認知度は約2割。景気に関するニュースを普段から意識して取り入れている読者は約半数にとどまった。なかには「景気を把握するための指標が自分の生活とどう結びつくかイメージを持ちにくい」という声も。街の人出やSNSの投稿から景気を感じる声もあった


景気悪化に関する報道を見ると、どのくらい不安になりますか?

とても不安 29%

少し不安 60%

あまり不安はない 9%

まったく不安はない 2%

「とても不安」「少し不安」を合わせると約9割に。「ニュースを見ているとコロナ終息の見通しが立たず、収入の減少や失業が心配」「勤め先の業績に景気がどう影響してくるのかわからず怖い」など、先が見えない景気に読者の大半が不安を抱えているよう

街角景気の肌感覚を知るいちばん身近な景気指数」

大江麻理子キャスター

今回のキーワードは、大江さんが毎月チェックしていて、読み物としても面白いと語る景気指数。


「景気ウォッチャー調査は、街角の景気、つまりは私たちが普段感じている肌感覚の景気が反映されている景気指数です。毎月、日本全国12の地域で、景気に敏感な職種の約2000人に景気の実感を聞き、それを数値化したものです。理解しやすく、さまざまな景気指数のなかで最も身近に感じていただけるのではと取り上げました。読者アンケートでは約8割の方がご存じなかったですが、ぜひ親しんでもらいたいです」


大江さんのおすすめの見方とは?


「まずは、調査結果の“景気判断理由の概要”を読んでいただきたいです。そこを見れば、各業界がそれぞれの地域でどのような状況に置かれているかがわかります。レストランや旅館の方など、その業種ならではの視点からの景気判断理由のコメントが非常に読みごたえがあり興味深いです。幅広い業界の方々に話を聞いた気持ちになり、景気を肌で実感できますよ。初めは自分の住んでいる地域の自分の業界が今どういう状況なのか、同じ業界の人がどう答えているかをチェックするところから始めるといいと思います。さらに、違う地域の同じ業界の人を見ていくと地域差がわかりますし、もし転職を考えているのであれば、タイミングや業界を考える判断材料にも使えるかもしれませんね」


景気の現状や先行きを客観的に知ることができる数値にも注目。


「景気の現状をどう見ているかの指数が、4月は7.9に落ち込みましたが、9月は49.3まで改善しました。この数値は50を上回ると『景気がいい』、下回ると『景気が悪い』という実感が強いことを示していますので、『50に届かずまだ景気は悪いけれど、春ごろの落ち込みに比べるとずいぶん回復してきたのだ』ということがわかります」

「一次情報にあたる習慣をつけ自分で判断することが大切」

景気ウォッチャー調査の生みの親は、元経済企画庁長官の堺屋太一氏。


「堺屋さんが、街角景気をスピード感を持って知るために編み出したもので、当月末の調査が翌月上旬に公表されるという速報性も特徴です。偉大なる先人が残してくれた景気指数という意味でも、皆さんに広く知っていただきたいです」


大江さんは情報を収集する際、一次情報にあたることを重視している。


「これは過去にもお話ししましたが、一次情報には多くの情報が詰まっていますので、それをもとに自分で判断する習慣をつけることが大切だと思っています。今はさまざまな一次情報を自分のスマホやPCで見られる時代。景気ウォッチャー調査も内閣府のホームページで見ることができますので自分から情報を取りに行く習慣をつける第一歩にもよいですね」


多くの読者から「景気悪化の報道を見ると不安を感じる」との声も。


「今、不安な思いを抱えていらっしゃる方が多いのはとてもよくわかります。ただ、そこでなんとなく『景気が最近ずっと悪いみたい』と思っているのより、データを見て『景気が悪いなかでもここまで持ち直してきているのだな、この先も回復が続きそうだな』などと具体的に把握できたほうがちょっと冷静になれるのではないでしょうか。きっとそれが景気の“気”の部分に影響してくるとも感じています。そのときの経済状況を知る術のひとつに景気ウォッチャー調査を加えることで、この先、お金を使うさまざまな場面や転職時の判断材料が増えると思います」

大江麻理子(おおえ まりこ)

大江麻理子(おおえ まりこ)


テレビ東京報道局ニュースセンターキャスター。2001年入社。アナウンサーとして幅広い番組にて活躍後、’13年にニューヨーク支局に赴任。’14年春から『WBS(ワールドビジネスサテライト)』のメインキャスターを務める。

撮影/中田陽子〈MAETTICO〉 取材・原文/佐久間知子 構成/松井友里〈BAILA〉 ※BAILA2020年12月号掲載

【BAILA 12月号はこちらから!】

大江麻理子キャスターが教える「景気ウォッチャー調査」って?【働く30代のニュースゼミナール vol.7】_3
大江麻理子キャスターが教える「景気ウォッチャー調査」って?【働く30代のニュースゼミナール vol.7】_4

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