思いがけず、意味を持った色石ジュエリー【30代に幸せをくれるものvol.8】

BAILA編集部員のおすすめやお気に入りをリレー式で綴る「エディターズピック」第8回は思いがけず、意味を持った色石ジュエリーについて。

29歳の年、仕事もプライベートも今までに経験したことがないぐらいとにかくつらかった(冒頭からつらいエピソードですみません、、、)。これは何かを変えねばと元々、海外旅行にあまり行かない私なのですが数年ぶりにニューヨークを訪れることにしました。ニューヨーク在住の友人も「遊びにおいでよ」と誘ってくれていたので、これはチャンス!と思い、キャンセル不可の安いチケット、寝るだけのホテルをおさえてその年の7月、ノープランのニューヨーク旅を決行しました。

その旅には地元が一緒の友人も同行してくれて、ふたりで毎日、特に何をするでもなく、ほとんどをブルックリンの海辺にある公園でぼーっとしながら過ごしていました。約1週間ほどの滞在で友人は仕事の関係で先に帰ることになり、ついにやることがなくなった私は「ん~、せっかく大人になってニューヨークに来たんだしなあ」と思い、頭の片隅にあった5番街のティファニー本店を訪れることに。

地下鉄を乗り継いで乾き、焼けるようなアスファルトの上を進むと眼前には圧倒されるスケールのティファニー本店が。幾度となく耳にし、原稿にも何度も書き記したその存在を目の当たりにし「やっと会えたね」状態で入店。何かを断ち切りたい、変えたい気持ちがすごく強い旅だったので、”超お気に入り”や”一目惚れ”が見つからなくとも必ず何かを購入しようと思っており、そういえばその年、急に何故か今まで全く興味が無かった色石、しかもシトリンが気になっていたなということを思い出し、シトリンを使ったジュエリーを見せてほしいと風邪が全快していない、60代ぐらいのベテランの女性店員に尋ねました。


そうこうしていると、いくつかタブレットを見せて提案をしてくれている中に、一目で「あ、これだわ」という商品を発見。実際の商品を見せてもらい、その直感は確信に。当時3000ドルちょっとしたような記憶があり、金額を見てそれまでジュエリーに大枚をはたいたことの無い私は自分自身、一度思い悩むかなとすら思っていたのですが、頭で考えるよりも先に「これに決めます」と言って、さっさと支払いを済ませていました。

「そのまま着けて帰りたい」と言って、店から出て撮ったのが恐らくこの写真だった気が(やや曖昧)。大満足かつ安堵感を覚えホテルへ戻ると宝石ってそれぞれ意味があるけど、シトリンの意味ってなんだっけ?と気になり検索することに。最も有名なのが「商売繁盛」だったり「富」をもたらすということだったのですが、それ以外の希望や明るさをもたらしてくれたり、ヒーリング力、ネガティブ(負)なものから守ってくれるなどといった意味が、「あ、私に今必要なことばかりだ」とちょっと驚き、占いもあまり信じないような人間でしたがこの時は引き寄せられるってこういうことなのか?とすら思いました。

購入後はほとんど毎日身につけ、乱雑に(ごめん)でも愛をもって共に過ごしていました。そんなこんなで約2年ぐらい経ち、今度は後輩が「先輩、予定空いてますか?!」と突然誘ってくれて、弊誌でも大人気のブランドARTIDA OUD(アルティーダウード)のショップ兼体験空間である「THE ANOTHER MUSEUM」へ行くことに。デザイナーの方が、商品の数々を丁寧にプレゼンテーションしてくださり、もうそれはそれは楽しい時間だったのですが、その中で「●●さん、これお似合いになりそう」と提案して下さったのが、エメラルドのエタニティリングでした。

自分の中に無い選択肢だったジュエリー。そしてこのエメラルドのリング(写真右)を薦めて下さった時に「今つけてらっしゃるシトリンのリングと合いそうですよね」と仰って下さったのですが、その瞬間またジュエリーの不思議な引き寄せを感じてしまいました。というのもシトリンというのは11月の誕生石。そしてエメラルドは5月の誕生石。私の父が11月生まれ、母が5月生まれと、期せずして我が両手に両親を感じるものが揃いました。最愛の人の分身のようなものが日常にプラスされてからはなんだか心が穏やかに、そして明るく。コロナで1年以上会えていなくとも、そう存在を遠く感じなくなりました。


ニューヨークで出会ったシトリンのリング、そして東京で出会ったエメラルドのリング。一方は自ら選び、一方は他者からの提案。何もかもが異なるシチュエーションだったにも関わらず、今こうして手元にある色石リングは思いがけず私にとって大きな意味を持ち、毎日に幸せをくれるなくてはならない存在となりました。(編集K)

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