大人の学び直し“リカレント教育”をもじって、松村沙友理さんの大人への一歩を記録する連載「松村沙友理の大人学」。第3回のテーマは靴。「冬の足もとはだいたいブーツ」と話す彼女を新しい、素敵な場所に連れていってくれる“いい靴”と、出会ってみました。
「『高い靴が欲しい』と思っているわけじゃないんです。これまでの私にとって靴はどちらかというと脇役。主役の服と相性がよくて、単純に見た目が可愛い、なおかつ歩きやすい一足なら必要充分。たくさん履いて季節が変わって傷んできたら、次の新しい靴を買う……まるで消耗品のように。唯一そうじゃない靴といえば、数年前にイタリアで旅の記念に購入を決めた、とあるブランドのブーツ。何か特別なものを買いたくて、人生初のお高い、お靴。帰国後にはそれを履いて旅の余韻を楽しみました。そう、「思い出」とか、何か理由が必要なんです」
松村沙友理さんが履いたのは、19世紀終わりにフランス・リモージュで生まれた、歴史あるシューズメゾン「J.M. WESTON」のショートブーツ。「このパンツルックは、自分自身も成長して、なじませたい、少し背伸びなスタイル!」。職人の手仕事で一枚のレザーから仕立てたアッパーは格別の美しさ。靴「サイドゴアブーツ」¥176000/ジェイエムウエストン 青山店(ジェイエムウエストン) コート¥69300/ウィム ガゼット ルミネ新宿店(ウィム ガゼット) ニット¥36300/オーラリー パンツ¥12100/ノーク バッグ¥59400/アダム エ ロペ(アヴァケーション) リング(右手薬指)¥55000・(左手人さし指)¥99000/ホワイトオフィス(ジジ)
素敵な靴で、素敵な場所へ
「今回、撮影で履いた2足のブーツ。たくさん履いて足になじませていく時間がかかる。足を入れるたびに靴ひもを締め直す手間がかかる。長く大切に履くためには、自分で、あるいはプロの手でオイルをなじませたり修理をしたり、世話がやける。そうやって手をかけて、ブーツを育ててみたい! 初めてのときめきが芽生えました♡ ’22 年は30歳を迎える年でもあります。ワンステップ上がるきっかけだととらえたら、特別な靴を買う理由は充分すぎるほど。私なりに『大人とは?』を考えるこの連載で出会えたブーツと自分自身を、なじませていきたいです」
「こちらは大好きなゆるニット×チュールスカートで。私服で履いたらこんなイメージ~とウキウキ♡」。繊細なメダリオンステッチに伝統を宿して。靴「デビーレースアップブーツ」¥148500/ジェイエムウエストン 青山店(ジェイエムウエストン) ニット¥31900/プラージュ 代官山店(プラージュ) スカート¥33000/ビリティス(ビリティス・ディセッタン) バッグ¥30800/アダム エ ロペ(ヴァジック) ストール¥37400/アイネックス(アソース メレ) リング¥46200/ホワイトオフィス(ジジ)
久々のファッションシューティング。学ぶことがいっぱいでした
撮影スタッフの「お気に入りのブーツ、定期的にオイルは塗ってるけど、なかなか履く機会がない」という話を聞いて「ちゃんとそういうことをしている大人に、私もなりたい!」と憧れを抱いた沙友理さん。欲しいのは「高いブーツ」ではなくて「手間をかけるにふさわしいブーツ」
撮影/曽根将樹〈PEACE MONKEY〉 ヘア&メイク/森野友香子〈Perle management〉 スタイリスト/大平典子 モデル/松村沙友理 ※BAILA2022年1月号掲載