回るクローゼットにするためには、ワードローブに「4つの役割」が必要だった! スタイリストの吉村友希さんをお手本に悩み多きワードローブを徹底的に見直します。吉村さんの私服着回しテクは必見!
「服はいっぱいあるのに、なぜか着る服がない」と悩むバイラ読者が多いと聞いて、私がまず思ったのは「同じ“役割”の服に偏っているからでは?」ということでした。
普段、皆さんが無意識に選んでいるクローゼットの服にも実はおのおのに、しっかりと“役割”があるんです。大まかですが、それはちょうど4つに分けることができます。
まず土台となるのは①自分が落ち着くバランスを作ってくれる服。そして②疲れてやる気がない日でも自動的にきれい見えする服と③おしゃれを頑張りたい日に取り入れたい冒険心のある服、さらに今っぽさをプラスする用に④レイヤードするための服。
どれかが極端に多すぎたり逆に欠けているアンバランスさがコーデのワンパターン化やうまく着回せない原因に。4つの“役割”がきれいに調和することを意識して服を選べばどんなクローゼットだって、すぐに回りだすはずです。
1 自分らしい“心地いいバランス”を作る服
吉村さんが心地よさを感じる組み合わせは「身幅にゆとりがあるショート丈ニットとシュッとしたロングタイトスカート」。スタイルアップがかなう信頼感のあるバランス。
A エディションの赤ニット
B ミースロエのクロップトニット
C アンスクリアのケーブルカーディガン
D エイチビューティ&ユースのタイトスカート
2 着るだけで勝手にきれいに見せてくれる服
コンパクトなベストは上半身を立体的に、センタープレス入りのパンツは脚長に見せてくれる頼もしい存在。ツヤのあるショーパンはマットな冬素材にメリハリをくれる。
E アモーメントのベスト
F サクラのエコレザーショートパンツ
G サードマガジンのタックワイドパンツ
3 頑張れる日のおめかし服、ちょい冒険服
感度高めに見せたい日のレイヤードにはトレンド感のあるビスチェを。アイロンをかけるというひと手間が必要なシャツは、元気でおしゃれを頑張る余裕がある日に。
H エーピーストゥディオのブルーシャツ
I アパルトモンのニットビスチェ
4 今っぽいレイヤードのために仕込む服
冬コーデの抜け感作りに欠かせない薄手の白トップスは、ちらりとのぞかせるのにも最適なハイネックを。襟つきニットはインナーとしてだけでなく一枚でも着られる。
J チノの襟つきリブニット
K ドローイングナンバーズの白ハイネック
4つの“役割”のバランスがとれた吉村さんの私服で着回しを実践!
day1(A・G・J)リースの合間に資料探し
「袖口や裾から黒ニットをチラ見せして、赤×グレーの配色をリズミカルに。感度高めの本屋さんではほどよい洒落感がマスト」(吉村さん)
day2(C・F・H・K)代官山でのんびりショッピング
「休日の街歩きはトレンド感と軽快さを意識します。トップスの長短レイヤードやツヤのあるレザーパンツで、コートの下もメリハリアップ!」
day3(D・E・K)ブランドの展示会回り
「おしゃれな人が集まる場では、立体感のあるベストに頼って上半身のきれい見えをかなえつつ、縦にすらりと見えるようにタイトスカートを合わせて」
day4(D・I・J)編集部で次号の打ち合わせ
「トレンド上手に見せたいから、今季注目のビスチェで今っぽいムードを最優先。先取り感がある着こなしなら打ち合わせもスムーズにはかどります」
day5(B・G・K)早朝から遠出のロケ撮影
「長時間の移動も考えて動きやすさを重視。今っぽいグレーのワントーンも白のインナーをのぞかせることでぼんやりとした印象になりません」
day6(A・D・H)夫と中目黒デート
「リラックスしたい日だから私らしいバランスの組み合わせにシャツを挟んでひと工夫。赤×ブルーの遊びのある色合わせも休日ならではのお楽しみ」
day7(C・F・J)誕生日会の前にお花屋さんへ
「たくさんの友人に会うので、素材感に差をつけながら全身を黒でつなげてスタイルアップ。ショート丈のカーデが、さらに重心を引き上げて」
day8(E・G・J)スタジオにこもって終日撮影
「ベストとパンツ、勝手にきれい見えするアイテムの力を借りれば、余裕がなく慌ただしい一日も安心。太めのベルトできちんと感もマークして」
day9(B・F・H)撮影の小道具を探しに
「小道具のリースは休日に行く頻度が高め。そのあとに友人と食事に行くことも多いため、ラフになりすぎないように、こなれ感のあるレイヤードで」
day10(G・H・I)話題の展示を観に都外の美術館へ
「足を延ばして遠出するなら張り切っておしゃれしたい。ビスチェとシャツのトレンド感満点の重ね着で、ちょっぴりアートな私を演出して(笑)」
day11(A・F)プレスルームでリース
「ゆるめのニットに足さばきのいいショートパンツを合わせたシンプルで簡単なワンツーコーデ。疲れて見えないように赤のパワーで元気を注入」
day12(B・D・J)銀座まで手土産を買いに
「襟つきニットのきちんと感を生かして、小粋なお店のムードに引けをとらない着こなしに。スカートのスリットでシックな配色も軽やかになります」
撮影/魚地武大〈TENT〉(物) スタイリスト/吉村友希 取材・原文/野崎久実子 ※価格表記のないものはすべて私物です ※BAILA2024年2・3月合併号掲載