『メトロポリス』芸術の秋、そうだ舞台観よう

少し忙しさの落ち着いた先週、気心知れた友人たちと久々に集まりました。同じ年の女友達と1つ下の男友達とは、制服時代から気付けば20年近い付き合い。もうちょっとした親戚のような関係です。

3人で向かったのは、渋谷のシアターコクーン。今回の目的、森山未來さん&松たか子さんが出演、串田和美さん演出・美術の舞台『メトロポリス』へ。始まる前から期待大!
フリッツ・ラング監督の映画「メトロポリス」から90年。
高層ビル群が立ち並ぶ未来都市、メトロポリス。そこは上層階で優雅に暮らす支配者と、地下で働く労働者とが分断された階級社会。街を牛耳る男の息子フレーダー(森山さん)が労働者階級の娘マリア(松さん)と出会い、恋に落ち…

というのがあらすじですが、まず驚かされるのが出てくる方々の身体能力。森山さんは言わずもがな、重力を感じさせない、かと思えばものすごく重々しいものを背負っているかのような動き。身体をコントロールしているという言葉がピッタリで、葛藤や恋情がぐぐっと体温を持って伝わってきます。

舞台を観ると、おもわぬところから「この人、魅力的!」という出会いがありますが、今回は俳優の佐野岳さんがそうでした。コンテンポラリーダンス的な動きがしなやかで、思わず目で追ってしまうほど吸引力がすごかった!運動神経を競う番組で拝見したことはありましたが、ここまでとは。

松さんはもう圧巻。マリアとアンドロイドの二役を完璧に演じ分けていて、同じ姿形なのにどうして?というほど、今どちらなのかということが一目で伝わってきます。歌声はもちろん、森山さんと2人でのダンスも美しくて引き込まれ、「そうか、”うっとり”ってこういう時に使うのか!」と感じました。

演出・美術の串田さんも登場するのですが、すごいオーラと存在感。時空を超えて現代の渋谷(そしてハチ公)と交信するシーンでは笑いも起こったりと、なんだか自由!

無機質なセットがどんどん姿を変える様子やフラッシュを使用したコマ送り風のシーン、プロジェクションマッピングなど、ワクワクさせられる演出も満載。

最近ドキドキしてないかも、感情を揺さぶられたい、胸がざわつく余韻に浸りたいという方、オススメです。

最後に、どうでもいいことなのですが、このメンバーで集まると何故かいつも「歩く」んです。井の頭公園を、北海道は札幌を、カナダのバンクーバーを。軽く10キロは超える距離を、何故かひたすら歩くのが恒例。今回は新宿から中央線沿線を、どうでもいい話をしながら延々歩き続けました。

非日常に触れ、気心知れた人と会い、気分転換になった1日でした!(編集やまみ)

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