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「絶対に着ない」が「いいかも」に変わってファッションが楽になった話【30代に幸せをくれるものvol.60】

ファビオルスコーニのサンダル

30代になってよかったことのひとつは、「絶対に自分は着ない」と確信していたものが、ある日突然「あれ、いいかも」に変わる、テキトーさが身についたこと。パイソン柄は絶対にないと思っていたのに! この春夏、急なパイソン柄欲に駆られ、目を皿にして理想を探し求めて、ファビオルスコーニの型押しサンダルをゲット。コロナもあってマンネリ気味だったファッションの特効薬のように、何に合わせても新鮮な着こなしになるので重宝しています。

思い起こせば、ミリタリーアイテム、フリルブラウス、ピンク全般・・・20代の頃は「可愛いけど自分には無理」とか、「自分らしくない」「全然意味がわからない」とすら思っていたファッションアイテムが、30代を通して随分と自分のエリアに入りました。20歳の自分が聞いたらきっと驚き、信念の弱さにちょっと呆れるハズ。若いな、ハタチの自分(笑)。

  

でもなぜなんでしょう。おそらくひとつは、30代は年齢分のファッションの経験知が増えたことで、「絶対無理」と思っていたジャンルの中にも実はいろんな広がりがあることが分かり、自分の好きなものが発見できるようになったから。(「パイソン柄」って押しが強いイメージで苦手だったけど、華奢なデザインなら自分の好きなバランスかも)。もうひとつは、経験の積み重ねにより、アイテム単体ではなく、コーディネートの可能性のなかで考えられるようになったから。(旬のセージグリーンの服とパイソン柄を組み合わせたらモダンに見えそう!)。

  

かつての頑ななシャットアウトが減って選択が自由になり、かえって自分軸での「好き」がはっきりしたように思います。嫌いなものがいっぱいあった20代もそれはそれで楽しかったけれど。大人のテキトーさは、気持ちが楽でいいなと思う今日この頃です。

編集W

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本誌ファッション・書籍・コミック担当。これまでに在籍してきたメンズ誌、モード誌、aroundハタチ雑誌の幅広いファッションがワードローブに混在。好きなものは建築、アート、猫。いつでも熊谷守一の猫に惹かれている。

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