バッグ選びはアイデンティティの表現であり、そこに入れるアイテムがその人の内面を映し出す。メゾンの新作バッグと本の楽しい関係を、知的な妄想とともに楽しんで。選書は三宅香帆さん。
CONTENTS
- 1. LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン) オデッセイ PM
- 2. DIOR(ディオール) ディオール カロ
- 3. GUCCI(グッチ) グッチ ソフトビット
- 4.PRADA(プラダ) プラダ アンシェネ
- 5. HERMES(エルメス) アトレ
- 6. FENDI(フェンディ) スパイ
- 7. LOEWE(ロエベ) ハンモックバッグ コンパクト
- 8. CELINE(セリーヌ) ミディアム カミーユ 16(セーズ) ソフト バッグ
- 9. BOTTEGA VENETA(ボッテガ・ヴェネタ) ダストバッグ
- 10. MIUMIU(ミュウミュウ) スウェード ボー バッグ
- 11. SAINT LAURENT(サンローラン) サック・ド・ジュール ボレットバッグ スモール
1. LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン) オデッセイ PM

機能を美しいデザインで表現したアクティブな毎日に寄り添う相棒
シグネチャーのモノグラム・キャンバスにゴールドカラーのバックルと取り外しができるチェーンをきかせた、カジュアルながらも大人っぽいフォルムが特徴。リップやキーなどの小さな必需品が取り出しやすいサイドポケットが可愛いアクセントに。キュートないちごのチャームで個性と遊び心をトッピングして。バッグ「オデッセイ PM」(17×27×12)¥475200・ピアス¥91300・チャーム¥111100/ルイ・ヴィトン クライアントサービス(ルイ・ヴィトン) ワンピース¥78100・パンツ¥60 500・帽子¥26400・ベルト¥35200/マディソンブルー

『チャックより愛をこめて』
黒柳徹子著
文春文庫 880円
YouTubeで、自身もルイ・ヴィトンを愛用していると語っている黒柳徹子さんが、NYで過ごした一年を綴ったエッセイ。ブランドの原点である「旅」を様々な角度から楽しむことができる。
「初めて異国の地で暮らした日々の中で出会った人や食、街の細かい描写はとても愉快。忙しい毎日のお守り的な本になってくれるはず」――三宅香帆さん
2. DIOR(ディオール) ディオール カロ

存在感抜群なミニサイズのバッグで最旬のレディスタイルが完成
「マクロカナージュ」ステッチを施した、小ぶりながらも見た目以上の収納力を誇るバケットタイプ。ラテホワイトと呼ばれる、まろやかで優しい白が着こなしのクリーンなさし色にぴったり。トップハンドルでハンドバッグに、長さ調節ができるストラップでショルダーやクロスボティにと、様々なスタイルを楽しむことができる。バッグ「ディオール カロ」(15×14×7)¥450000・ピアス¥66000・リング¥66000/クリスチャン ディオール(ディオール) ニット¥33000/サードマガジン スカート¥165000/マディソンブルー

『紅茶と薔薇の日々』
森茉莉著
ちくま文庫 858円
森鷗外の娘で、仏文学者と結婚した著者。「無類の食いしん坊が描く美味の世界、好きなものへの情熱が、華やかに愛を表現するブランドイメージにもリンクします」(三宅さん)
「いつも心に贅沢を忘れず、食への興味を持ち続けた著者。その高貴な品性は、まるでディオールの美しいバッグの細部を見ているかのよう」――三宅香帆さん
3. GUCCI(グッチ) グッチ ソフトビット

リラックス感のあるシルエットと上質でエレガントなたたずまいが両立
ビッグサイズにアレンジされたホースビットと、大容量を誇る実用的なデザインがベストマッチ。バッグ「グッチ ソフトビット」(26×46×16)¥517000・ピアス¥61600・ブレスレット(参考商品)・リング(各)¥88000/グッチ クライアントサービス(グッチ) シャツ¥19800/シンゾーン ルミネ有楽町店(ザ シンゾーン) カーディガン¥66000/エストネーション(エストネーション ザ ファースト) パンツ¥28600/ゲストリスト(ハウント/ハウント代官山) ベルト¥13200/フラッパーズ(レフィエ)

『パッキパキ北京』
綿矢りさ著
集英社 1595円
北京へ帯同することになった主人公が、豪快に買い物したり観光したりする描写が楽しい。「グッチの持つ華やかでユニークな女性像と本作のイメージがぴったり重なります」(三宅さん)
「誰になんと言われようと人生を謳歌する!という気概に満ちた小説は、美しく収納力のあるバッグを持つ女性に」――三宅香帆さん
4.PRADA(プラダ) プラダ アンシェネ

コーディネートに印象的にきかせたい上品かつビビッドな赤
リップやネイルのような感覚で、小さめのバッグで赤をチョイス。大人ならではの女らしさや華やかさをさりげなく、けれどドラマチックに添える。少しクラシックなムードの台形シルエットでトップはマグネット開閉、ゴールドチェーンがポイントに。スウェードにあえてヴィンテージ加工を施すことで赤の発色にニュアンスが生まれて、カジュアルな装いにも合わせやすいのが魅力。バッグ「プラダ アンシェネ」(18×22×11.5)¥517000(予定価格)/プラダ クライアントサービス(プラダ)

『モードの迷宮』
鷲田清一著
ちくま学芸文庫 1056円
ファッションをアカデミックに考える上での必読書。「哲学や社会、文化をひも解きながら“服を着る人間とは何か?”を明かそうとする本作で、現実的な知的対話を楽しんで」(三宅さん)
「プラダのバッグが持つ知性と洗練された美意識にふさわしく、答えのない問いについて考え続ける哲学書を」――三宅香帆さん
5. HERMES(エルメス) アトレ

静謐で控えめだからこそ際立つ上質な素材と洗練のバランス
丸みを帯びた底、カーブを描くムスクトン(カラビナ)、人間工学に基づく上部のくびれたラインなどの組み合わせが、デイリーユースにちょうどいいシンプルな美しさを表現。バッグ「アトレ」(19×25×10.5)¥1430000・スカーフ¥108900・バングル(参考色)¥148500・リング(各/参考色)¥62700・ベルト¥265100/エルメスジャポン(エルメス) ニット¥63800/イレーヴ パンツ¥31900/シンゾーン ルミネ有楽町店(ザ シンゾーン) メガネ¥58410/ルックスオティカジャパン カスタマーサービス(オリバーピープルズ)

『精選女性随筆集 白洲正子』
白洲正子著、小池真理子選
文春文庫 1100円
文化人との交流の中で己の素養や審美眼を磨いた、華族出身の白洲正子による随筆集。夫で外交官の白洲次郎は、娘に海外土産としてケリーバッグを贈ったことでも知られている。
「日本文化の美を綴り続けた著者。エルメスの持つ精神と同様に、伝統的な文化としてのエレガントさを文章で表現し続けた人だと思う」――三宅香帆さん
6. FENDI(フェンディ) スパイ

とっておきのアイテムを入れる隠しポケットという楽しいアイディア!
レザーのしなやかさが際立つ形とツイストハンドルが特徴。ソフトで手になじみ持ちやすいという実用性もあわせもつ。フラップ下にひそむ隠しポケットが、ミステリアスな「スパイ」という名の由来! ロングストラップつきでクロスボディとしても使える。バッグ「フェンディ スパイ」(18×32×12)¥499400・ピアス(参考色)¥107800・リング¥52800(予定価格・9月上旬発売予定)・カードケース¥71500/フェンディ ジャパン(フェンディ) ブラウス¥41800・パンツ¥39600/サードマガジン



『007 逆襲のトリガー』
アンソニー・ホロヴィッツ著、駒月雅子訳
KADOKAWA 1127円
大人気ミステリ作家のアンソニー・ホロヴィッツが、世界一有名なスパイであるボンドを主人公に描いた遊び心あふれる一作。「このバッグが持つ秘密や楽しさを小説の世界でも堪能して」(三宅さん)
「人気キャラクターを主人公にしたいわゆる二次創作なのですが、面白くて一気読み! アメリカの女性捜査官とバディを組む展開も最高」――三宅香帆さん
7. LOEWE(ロエベ) ハンモックバッグ コンパクト

上質な秋の到来を予感させるシックで洗練されたチェック柄
イギリスのアウターウェアから着想を得たアーシーな配色のタータン柄をサイドにあしらった、人気の定番モデルの新作。小さめサイズでありながら変形するフォルムとハンドル、ストラップで、様々な持ち方にアレンジできるのがヒットの理由。バッグ「ハンモック コンパクト」(20.8×14.4×19.5)¥437800(予定価格)/ロエベ ジャパン クライアントサービス(ロエベ)

『夜中の薔薇』
向田邦子著
講談社文庫 781円
「『たとえ寒くて風邪をひいても、気に入った手袋が見つかるまで、その冬は手袋を買わなかった』という姿勢こそが向田邦子そのもの。こだわりを手放さない女性にこそ読んでほしい」(三宅さん)
「クラシックでモダン、時の洗礼に耐えうるロエベのバッグ同様、向田邦子がエッセイで語る言葉は、時を超えて今もなお私たちの胸に響きます」――三宅香帆さん
8. CELINE(セリーヌ) ミディアム カミーユ 16(セーズ) ソフト バッグ

大人のさし色にふさわしい品格薫るボルドー
なめらかな質感と上品な光沢感が美しく、端正なデザインと頼れる収納力でお仕事シーンにもマッチ。ショルダーになる短いハンドルと調節可能な長めストラップが付属し、クロスボディとしても使える。バッグ「ミディアム カミーユ 16(セーズ)ソフト バッグ」(29.5×36×7.5)¥484000・ピアス¥83600・バングル¥10 4500(すべて予定価格)/セリーヌ ジャパン(セリーヌ) ジャケット¥49500/シップス インフォメーションセンター(シップス プライマリー ネイビー レーベル) ブラウス¥44000/エストネーション(コラム)

『2020年の恋人たち』
島本理生著
中央公論新社 1760円
現代の東京を舞台に、主人公が亡くなった母からバーを譲り受け、副業でワインバーを開店するところから始まる物語。「このバッグを持ってバーでひっそり本書を読みたいです」(三宅さん)
「様々な男性と出会う主人公のさりげない色香が、自立している女性を彷彿とさせるバッグのイメージに合います」――三宅香帆さん
9. BOTTEGA VENETA(ボッテガ・ヴェネタ) ダストバッグ

彫刻のように美しいフォルムのメタルハンドルがモードな印象
イントレチャートのボディと繊細なディテールが人気の定番「ダストバッグ」を、ブラス(真鍮)素材のハンドルでアレンジ。洗練のムードにモダンな華やかさが加わり、新たな魅力を放つ。軽量で、使い勝手がいいことも見逃せない。バッグ「ダストバッグ」(23×32×1)¥489500/ボッテガ・ヴェネタ ジャパン(ボッテガ・ヴェネタ)

『北原白秋詩集』
北原白秋著
新潮文庫 539円
『邪宗門』『思ひ出』など代表作を収録。「無駄をそぎ落としたミニマリストの女性をイメージさせるバッグには、近代日本を代表する詩人の詩集が合う」(三宅さん)
「かみしめるほどに味わい深く、シンプルなのに豊饒な詩の魅力は、使うほどに美しいつやを増す上質なレザーのよう」――三宅香帆さん
10. MIUMIU(ミュウミュウ) スウェード ボー バッグ

トレンドを牽引するアイコンバッグがスウェード素材でシックに格上げ
ブランドのロゴデザインがアクセントになった、シンプルでユニセックスな魅力を放 つアイコンバッグ。チャームで個性をプラスするブームの火つけ役としても話題に。バッグ「スウェード ボー バッグ」(23×34×10)¥561000・クロウクリップ¥85800・チャーム¥101200(すべて予定価格)/ミュウミュウ クライアントサービス(ミュウミュウ)

『フラニーとズーイ』
J.D.サリンジャー著、村上春樹訳
新潮文庫 825円
アメリカ東部の名門大学に通う兄妹を、都会的なセリフで彩りながら描く。「誰からも愛されているのに、どこか世界への反抗心を忘れないフラニーが可愛い」(三宅さん)
「大人の遊び心と媚びないまっすぐさのようなものが、サリンジャーの描く主人公フラニーの女性像にぴったり」――三宅香帆さん
11. SAINT LAURENT(サンローラン) サック・ド・ジュール ボレットバッグ スモール

自信を持って長く愛用できる究極のシンプルデザイン
シャープなフォルムと、収納力や使い勝手などの実用性を兼ね備えておりシーンを問わず活躍。バッグ「サック・ド・ジュール ボレットバッグ スモール」(19×25×9)¥467500/サンローラン クライアントサービス(サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ) ジレ¥69300・スカート¥64900・中に重ねたスカート¥29700/アマン(アンスクリア) ニット¥15400/ル フィル ニュウマン新宿店(ル フィル) ベルト¥15180/シンゾーン ルミネ有楽町店(ザ シンゾーン) カチューシャ¥26400/アレクサンドル ドゥ パリ GINZA SIX店(アレクサンドル ドゥ パリ)

『現代思想入門』
千葉雅也著
講談社 990円
フーコーやデリダといった哲学者の、主にフランスで展開された思想をまとめた入門書。「女性の自立をファッションで表現したサンローランが、読書家として知られていることも興味深いです」(三宅さん)
「平易、かつ明晰な説明でフランス現代思想をわかりやすく紹介する本書。読書を効率的に楽しみ、はっきりとした価値観を持つ女性に」――三宅香帆さん
撮影/赤尾昌則〈whiteSTOUT〉(人)、原田凌佑(書影) ヘア&メイク/河嶋 希〈io〉 スタイリスト/福田亜矢子 モデル/emma 取材・原文/発田美穂 撮影協力/近江屋洋菓子店 ※( )内の数字は編集部で計測した(高さ×幅×マチ)で単位は㎝です ※BAILA2025年10月号掲載


























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