働く場所も働き方も変わった今、求めているのはきれいめにもカジュアルにも難なくなじみ、今っぽい洒落感を加えてくれる「ブラウン」。スタイリスト加藤かすみさんとエディター伊藤真知さんが、あらためてこの秋に提案するブラウンアイテムとは?
スタイリスト加藤かすみさん&エディター伊藤真知さんが提案「この秋、ブラウンが進化した!」
エディター 伊藤真知さん
本誌をはじめ数々の女性誌で活躍するエディター。等身大のリアルなコーデやまねしたくなる着こなしセオリーで、私服スタイルも人気。昨年、初のスタイル本を刊行。
スタイリスト 加藤かすみさん
表紙やファッション特集を数多く手がける人気スタイリスト。センスと理論に基づいた着こなし術にはファンも多く、「かすみさんのコーディネートは売れる!」は定説。
伊藤 ブラウンは毎年、秋になると何かしらは買っているのですが、去年はごくシンプルなニットやフーディといったカジュアルなものが多かったのに対し、今年は一転。ブラウスやスカート、ワンピなど、女性らしいものばかりに目がいきます。
加藤 この秋いちばんのトレンドカラーで、ぐっと種類が増え、全体的にフェミニンなアイテムが多め。去年は色みもチョコのようなダークトーンが主流でしたが、今年は赤やピンク寄りなど、甘めで華やかなブラウンも増えてきました。
伊藤 確かに色の幅は格段に広がりました! ボルドーっぽかったり、カーキっぽかったり、ひと言では言い表せないようなニュアンスのあるブラウンが多いような……。
加藤 そうそう。たとえばボルドーやカーキはもともとクセのある色なので、単色だと使いにくいことも。でもまろやかなブラウンと混ざることで、そんなクセがやわらぎ、着やすい色へと変わるんです。最近は同じような色でまとめるワントーンが人気ですが、こういった新しいブラウンを取り入れるだけでも目新しく映り、洒落感もアップします。
伊藤 これまで定番だったチョコ茶のような色も、透け素材やチェックなど新しい質感や柄でアップデートされていますよね。私も早速、チェックのスカートを買いましたが、去年のニットに合わせても印象がガラリと変わって楽しいんです。
加藤 トレンドは全身で固めてしまうと、やりすぎて衣装っぽく見えることもあるので、今まで着ていたアイテムにさらっと足すくらいのほうがいいんです。私が今、欲しいのはレザーのパンツ。透けブラウスなどもそうですが、黒ではキツかったりドレッシーになりすぎるものも、挑戦しやすくなる。それも“印象がやわらぐ”ブラウンの醍醐味です。
伊藤 使い勝手がよく、利点も多いですが、かすみさんが思う「やってはいけないブラウン」はありますか?
加藤 やってはいけない?(笑) う~ん、なんでしょう……アウターから靴までどんなアイテムにも取り入れられるし、フェミニンにもカジュアルにもいけて振り幅が広いから、本当に万能な色だと思います。特にNGはないのですが、服がブラウンのときはバッグ選びが意外と大切。ツヤなど素材感のあるものにしたり、抜け感の出せる色を選ぶなど、メリハリを意識するといいですね。
伊藤 なるほど! リモートワークが増え、オンとオフのコーデの差があいまいになったり、ご近所でもちょっとおしゃれしたかったり、よりシーンレスに使えるものが好まれるからこそ“振り幅の広さ”って大事。NGなしのブラウンが、今こそ使える理由がわかる気がします。
(加藤さん)ショール¥127000/ドレステリア京都店(ジュリア イェンチ)
(伊藤さん)トップス¥6900/マイストラーダ プレスルーム(マイストラーダ) パンツ¥20000/スピック&スパン ルミネ有楽町店(スピック&スパン)
気になるのは“甘め”のブラウン。透け素材やチェックに注目!(伊藤)
「効率よく“変わった”感を出すなら大物から取り入れても。あくまでベーシック色なので、やりすぎになりません」(伊藤さん)。
ニット¥95000/ドゥロワー 青山店(ドゥロワー)
スカート¥28000/トゥモローランド(マカフィー)
コート¥18500/ノーク(ノーク バイ ザ ライン)
靴¥86000/アマン(ペリーコ)
お手入れもはき心地もラク、そんな今の気分をくんだエコレザーも注目素材。パンツ¥20000/スピック&スパン ルミネ有楽町店(スピック&スパン) ニット¥35000/エッセンス オブ アナイ(JOHN SMEDLEY for ANAYI) トップス¥6900/マイストラーダ プレスルーム(マイストラーダ) 靴¥89000/ドゥロワー 青山店(マノロ ブラニク)
透け×チェックでトレンドをいいとこ取りしたスカート。ブーツはロング丈で、素足を見せないのが今年流。スカート¥89000/ebure バッグ¥18000/カレンソロジー 新宿(アウトーレ) 靴¥90000/アマン(ペリーコ)
手持ちのアイテムにさらっと足す、それくらいが“いい”洒落感に(加藤)
「色が着づらい秋冬に、きれい色感覚で使える明るいブラウンも重宝。抜け感を出しやすい大きなバッグも便利」(加藤さん)。
ジャケット¥123000/マディソンブルー
ワンピース¥63000/ショールーム セッション(サヤカ デイヴィス)
ニット¥10000/ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ 渋谷公園通り店(ビューティ&ユース)
バッグ¥45000/エスケーパーズオンライン(へリュー)
動きやすく、オンオフ問わず愛用しているオールインワンもチェック柄へと更新。オールインワン¥34000/シンゾーン 表参道店(ザ シンゾーン)
黒より女らしくはけるこげ茶のレザーパンツ。適度なツヤが同色コーデのアクセントに。パンツ¥98000/ebure ニット¥45000/ボウルズ(ハイク)
撮影/YUJI TAKEUCHI〈BALLPARK〉(人)、魚地武大〈TENT〉(物) スタイリスト/加藤かすみ 取材・原文/伊藤真知 構成/内海七恵〈BAILA〉 ※価格表記のないものは本人私物です ※BAILA2020年10月号掲載
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