働くおしゃれに必要なシックさがあって、なじみもあるけどどこか新鮮さがあって、一色で着こなしを今の気分にしてくれる。この秋、私たちの新たなスタンダードになりそうな“優しげグレー”の魅力を、スタイリスト 加藤かすみさんの視点からひもときます。今回は、パンツコーデ3選を紹介。
スタイリスト
加藤かすみ
『BAILA』をはじめとした数々の女性誌や広告、ブランドカタログなどで活躍中のスタイリスト。シンプルでいてトレンドを押さえたリアルなスタイリングが好評。
今シーズン「何を買おう?」と悩んだら、まずはグレーの服を手に取ってみてください。そう断言してもいいくらい、グレーはこの秋の気分を象徴する色です。なじみがよくて合わせやすいだけではなく、きれいめにもカジュアルにも振れるし、働く日におなじみの定番アイテムだって無難にならず、ぐっと洗練されて見える。選び方、合わせ方でグレーのやわらかくニュートラルな持ち味を上手に生かせば、地味になることもなく、おしゃれの可能性がもっと広がるはず。今の気分にちょうどいい洒落感は“優しげグレー”がすべてかなえてくれるんです。
―― stylist Kasumi Kato
着慣れた定番アイテムもグレーにするだけで今っぽくなる
なじみあるアイテムだからこそ、コーデのバランスは今までどおり。なにげない着こなしが、グレーの小粋なムードで新鮮に映ります。
華やかなトップスを凜と受け止めるピンストライプのストレートパンツ。「黒だとまじめさや強さが強調されますが、グレーならシャープさが中和されて洒落感と親しみやすさが生まれます」。パンツ¥26400/ガリャルダガランテ 青山店(セピエ) ジャケット¥50600/ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店(ユナイテッドアローズ) ニット¥31900/ebure GINZA SIX店(ebure) ピアス¥49500/エイチ ビューティー&ユース(プリーク) バッグ¥209000/エム(ボーイ) 靴¥99000/ジャンヴィト ロッシ ジャパン(ジャンヴィト ロッシ)
グレーのワントーンコーデは“濃いめ”でまとめるとうまくいく
色幅が広い分、濃淡をつけすぎるとちぐはぐに見えてしまうから黒を着る感覚に近い濃いめグレーで一体感をもたせたワントーンに。
ニットとパンツをコントラストをつけず同じ濃度でつなげた、オールブラックならぬ“オールグレー”が今の気分。「引き締め役として首もとからちらっとのぞかせたタートルも、おなじみの黒ではなく新鮮なネイビーに。グレー×ネイビーって実は相性がよくて、黒よりこなれて見えるのでおすすめです」。ニット¥69300・中のタートル¥41800・パンツ¥89100(すべてドゥロワー)・靴¥29700(ノヴェスタ)/ドゥロワー 二子玉川店 スカーフ¥13 200/アナイ(エイネス) バッグ¥193600/ピエール アルディ 東京(ピエール アルディ)
休日コーデにこそグレーの小物が素敵に映える
シックな色だから、きれいめ小物はちょっぴりまじめな表情になりがち。休日コーデをキャッチーに彩る、遊びの効いたデザインが最適解。
ファーバッグがデニムコーデをチャーミングに。「シンプルすぎると色のぼんやり感が際立ってしまう。素材もディテールも、派手すぎるくらいがグレー小物はちょうどいいんです」。バッグ¥20900/ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店(ユナイテッドアローズ) カチューシャ¥20900/アレクサンドル ドゥ パリ GINZA SIX店(アレクサンドル ドゥパリ) カーディガン¥29700・ニット¥25300/アダム エ ロペ パンツ¥30800/ウィム ガゼット ルミネ新宿店(ウィム ガゼット) ピアス¥39600/トゥモローランド(リエ スタジオ)
撮影/曽根将樹〈PEACE MONKEY〉 ヘア&メイク/中山友恵 スタイリスト/加藤かすみ モデル/佐藤晴美 取材・原文/野崎久実子 ※BAILA2023年11月号掲載