2021年も気づけば残りあと4カ月と少し。魚座に前乗りしていた幸運の星・木星が再び水瓶座に戻ってラストスパートをかけるこの時期、より快適に乗り越えていくために鏡リュウジさんがアドバイス!
鏡リュウジさん
1968年、京都府生まれ。国際基督教大学大学院修了。心理占星術研究家・翻訳家。新装版『魂のコード』(ジェイムズ・ヒルマン著 鏡リュウジ翻訳 朝日新聞出版)が好評発売中。
新しい私と出会うため、未来への準備を整える下半期に
そろそろ安心できる状況になってほしいという多くの人々の願いも依然むなしく、僕たちはまだコロナ禍での生活を余儀なくされています。
2021年上半期に、西洋占星術の用語である「風の時代」という言葉がやや独り歩きをしたのも、未来を見通せず、希望を描くことの難しい世の中において、「風の時代」という爽やかな響きが文字どおり、人々の心の「風通し」を少しばかりよくしてくれたからなのかもしれません。
この先200年続くとされる風の時代、仕事のオンライン化やキャッシュレス、暗号資産を用いた財産形成など取り入れていきたいことはたくさんあります。
しかし、情報収集力やコミュニケーション力を磨き上げ、常に時代の最先端を生きようとしすぎるとちょっと息切れをしてしまうのではないでしょうか。
この一年半、誰もがたくさん頑張ってきました。
魚座にいた幸運の星・木星が水瓶座に戻った下半期は、情報や変化とのつきあい方を見直すリセット期に。
そして木星は魚座を運行し、2022年5月、12星座の始まり、牡羊座で新たなステージを迎えます。
未来で待つ「新しい私」が、きっと笑顔でいると信じて。
激動の2021年を総括。ラスト4カ月半&来年はどうなる?
【手法の転換】古きよき伝統と新たな手法の調整を
【社会変動】進まぬコロナ対策。人々の意識変容
【偏見】ジェンダー差別やルッキズムへの警鐘
【継続的な愛】年末から愛のスタイルに変化が
【音楽・アート】人々の心を優しく動かすものに注目
誰もが自分らしく生きることのできる社会へ。もがきながら新しい時代の地平を耕していく
2021年の年明けは、コロナはもとより、年長者など古い価値観による判断が時代にそぐわないものとして批判にさらされた時期でした。まだそんなことをと憤る人がいる一方で、何が悪いのかわからないという反応も。これは、古い構造を表す土星に変革の天王星が刺激を与える、少々エキセントリックな星の配置であったから。新旧がぶつかり合い、時代の動きをあらわにした出来事だったといえるでしょう。ただ、旧来の考えが必ずしもすべて悪いわけではありません。残したい伝統もたくさんあります。この先4カ月半、また2022年は、そうした大切な価値の掘り起こし、新しいやり方との調整も重要になってきそうです。身近なところでは、長く使っていた古い電化製品を買い替えたり、ずっと同じスタイルだった髪型を変えてみたりすると心に新鮮な風が吹き込みます。実家に眠っていたもののリメイクや以前書き留めた夢を見返し、新たな視点から、今のバージョンに修正していくのもよさそうです。
2022年は木星が魚座に移動し、心を震わす音楽やアートが次々に発表されるのを期待したいところ。フェミニンでやわらかさを感じるファッションにも注目です。恋愛は金星が長く山羊座に滞在。堅実さがカギとなります。努力家で、しっかりしたパートナーを選びましょう。長くひとつのことに取り組んでいる人を大事にしてください。
思うようにはいかない今の時代こそ、輝く星空を見上げてみて
なかなか思うように行動できない時間が続いています。
正直、「星占い」を書くのもいつもと調子が違います。
「出会いは外に」「積極的に旅に出て」なんてアドバイスが普通にできることが、いかに幸福なことだったかということをあらためて感じている今日この頃。
でも、こんなときだからこそ星の動きを見ることの意味もまた、大きくなってくるとも感じています。地上の僕たちの右往左往に動じることなく、星はいつものように輝き、動いています。
その星を見つめることで、少しばかり、僕たちは目先の緊張から解放されることもできるはず。
こんなときにこそ、夜空を見上げてみてはどうでしょう。
孤独を感じていても、僕たちはみな、同じ星空の下にいるのですから。
【KAGAMI's DAILY SNAP】
コロナ禍で僕が始めたことのひとつ、ウォーキング。途中でカフェに寄ってケーキを買っちゃったりもしますが(笑)10kmくらい歩く日も。皆さんも、素敵な日々を過ごせますように。
イラスト:itabamoe ※BAILA2021年9月号掲載