ライフステージの変化に伴い、友達関係も変化しがちな30代。友達の結婚や交際を機に会う機会が減り、「友達を男にとられた！」と寂しさを感じている人はとても多い。そんな友達の彼氏・夫に対してモヤッとしてしまう原因を、心理のプロに聞いてみました。

「仲のいい友達をそのパートナーに奪われてしまったと感じる人は、ベースとしてちょっぴり依存傾向にあると言えます。その上で、友達との親密な関係性が変化してしまうことへの不安や喪失感、友達にパートナーができることで比較心理から自己肯定感が下がってしまうなど、いろんな気持ちが複雑に絡み合って怒りとなり、その矛先が友達のパートナーに向いてしまうのでしょう。中には、自分の恋愛観や価値観を友達に投影してしまい、自分が気に入らないパートナーを選んだ友達に対しても嫌悪感を抱いてしまう人もいます。そのように、自分の負の感情の原因を友達やそのパートナーの責任にしてしまうのは一種の自己防衛で、自分の心を守るために攻撃的になっている人が多いように感じます」

「感情の原因を理解して自分に軸を戻す努力をしましょう」

「そういった感情を抱いてしまうことをつらいと感じているならば、まずは自分の感情を整理してみてください。なぜ嫌な気持ちになっているんだろう？と自問自答していくと、実は自分が寂しいんだな、と本当の原因に気づけるはずです。そして次に、人と比べてしまう比較心理を手放し、自分に軸を戻すための努力の一環として、自己成長や自分磨きに意識を向けることが大事。自分のことに集中している人は、他人が変化しても感情がブレにくいんです。また、環境を拡げることも効果的で、新しい人間関係を構築したり、趣味の活動を広げたりすると複数の居場所ができて、友達関係に依存しにくくなります。

逆に、友達のパートナーに対するネガティブな発言は避けるべき。そのパートナーを選んだのは友達なので、友達は、自分を否定されたように感じてしまいます。パートナーができて友達が変わってしまったと感じたとしても、パートナーとのつきあいが長くなれば元に戻る傾向が高いので、いったん、距離を置いて待ってみるといいでしょう。もし友達とパートナーの関係が明らかに不健康な場合は、その人と一緒にいる自分が好きかどうかを聞いてあげると、彼女が自分自身で気づくヒントになりますよ」

イラスト／五月女ケイ子　取材・原文／中西彩乃　※BAILA2025年11月号掲載