ライフステージの変化に伴い、友達関係も変化しがちな30代。友達の結婚や交際を機に会う機会が減り、「友達を男にとられた！」と寂しさを感じている人はとても多い。そんな友達の彼氏・夫に対してモヤッとしてしまう原因を、恋愛のお悩み相談に精通する佐伯ポインティさんに聞きました。

「友達のパートナーに関するお悩みは、けっこう寄せられますね。届いたエピソードを分析してみたところ、女性がそういった感情を抱く原因は2パターンに分類できると感じました。まず一つ目は、友達に対する独占欲。“私が男だったら○○ちゃんとつきあいたい”といったフレーズを言いがちな、精神的なイチャつきを友人に求めるタイプの方に多い傾向です。もうひとつは、友達を守ろうとする気持ち。女性同士の友情って、ガーディアン（守護者）気質な人と姫気質な人がコンビで仲よくなるパターンが多いと感じていて。姫にパートナーができると、ガーディアン気質な人は、そのパートナーを厳しい目で見極めようとします。一方で、男性同士は、仲間内で『あいつは彼女ができてつきあいが悪くなった』などと言いがち。女性と違い1：1の関係よりも、ホモソーシャルなコミュニティへの貢献度が重視されている印象が強いです。表現方法は異なりますが、男性も女性も寂しさは共通しています。

「友達に恋人ができた途端、誰かの所有物になったと感じてしまうのが寂しさの原因」

大前提として人にはそれぞれのコミュニティがあるのに、なぜ親しい友達に恋人ができると特段、寂しさを感じるのか。それは、彼氏・彼女という独占契約が結ばれるからではないでしょうか。恋人がいないときは誰のものでもないのに、恋人ができた途端、“誰かのものになった”と感じてしまう。そこで、初めて友達の存在の大きさに気づき、失った悲しみを感じるんです。『トイ・ストーリー』のウッディが、バズにアンディを奪われたときの感情に近いですね。

この感情にモヤモヤしてしまうのは、本来ならば、落ち込まなくていいはずの出来事だから。新たな自分の発見でもあるので、その事実を受け入れて、悲しみ終わったら、傷を自分の“味”として熟成させるのがいいと思います。一度、友人関係が変化してしまうと、それまでのようなつきあいを続けるのは難しい。“会える頻度が減った” “帰る時間が早くなった”などと、昔と比較して寂しさや悲しみが募るのであれば、思い切ってその関係を手放すのもよい選択だと思います」

RN：五反田駅
先日大学時代にいちばん仲のよかった女友達から結婚報告を受けました。お相手は共通の友人です。本当は心から祝福したいのに、なんだか結婚相手に友達をとられたような気がしてモヤモヤしています。

RN：ぽぽ
彼氏がいないと嫌な友人にモヤモヤしています。「やっぱり女友達しか勝たんよね！」と言っていたのに、別れてすぐアプリで知り合ったモラ男っぽい方とつきあおうとしています。彼氏がいないときの寂しさを私が埋めてあげられないことも悔しいし、そんな男を選んでしまうくらい彼氏がいないと嫌な友人にもモヤモヤ。

RN：猫はもふもふ
先日、仲のいい友達に彼氏ができました。おめでたい！ と思うと同時に、あの笑顔で彼氏さんとも笑ってるのかなぁと少し寂しくなりました。友達は家族になれないけど、彼氏は家族になれる可能性持ってるよなぁなど考えてもやもやしてしまいました…。

イラスト／五月女ケイ子　取材・原文／中西彩乃　※BAILA2025年11月号掲載