いよいよ2018年がスタートしました。今年は年末年始休みと土日が重なったためお正月休みが短かった人も多いのでは? さて、新年最初に紹介する本はゴッホがテーマのアート小説、ユーモラスな短編小説、ヴェネツィアが舞台のエッセイ集の3冊。心地よく読める文章で通勤タイムの読書にオススメです。
原田マハ 幻冬舎 1600円
19世紀末、パリで浮世絵を売る敏腕な画商と、芽の出ないゴッホが出会う。〈あなたは舟になって、嵐が過ぎるのを待てばいい〉。理解者と狂気を秘めた芸術家の緊張感ある関係を、鮮烈なる筆致で。
青山七恵 中央公論新社 1500円
バックダンサーを夢見ながらダンス用品販売店の営業職となった女性の、途方もなく長い一日を追う。痴話ゲンカ、火事、家族問題が降りかかってもなんとか切り抜けて。ユーモラスな短編連作。
内田洋子 集英社 1400円
名だたる建築物に、美しい広場、アクア・アルタと呼ばれる冠水すら幻想的な風景として観光客に愛されるヴェネツィア。その対岸に住んだ著者が魅力と日常を、美しい文章で綴ったエッセイ集。
原文/江南亜美子