「呪術廻戦」を手掛けたMAPPAでアニメ化が決定している話題作『チェンソーマン』。週刊少年ジャンプ連載作品でありながら、主人公・デンジは”ジャンプの主人公っぽくなさ”全開。衝撃の連続の本作について、デンジの魅力を入り口に語らせてください!


【あらすじ】
「悪魔」が蔓延る世界でデビルハンターをしてお金を稼ぎ、父親が残した借金をヤクザに返す主人公・デンジ。悪魔であるポチタと一緒に、一日の食事が食パン1枚という酷い生活を送っていました。そんなある日、ゾンビの悪魔との戦いに敗れてデンジは命を落としてしまいます。ポチタが体内に入って心臓を差し出すことで、チェンソーの悪魔になれる特殊能力を身に着けたデンジが復活。チェンソーマンとしての人生が始まります。
チェンソーがそのまま生えた見た目に衝撃

最初の衝撃は、何よりもチェンソーマンのビジュアルが敵にしか見えないことです。頭からチェンソーの生えた“そのまんま”の見た目は、瞬間的に「敵かな?」と思ってしまいます。実際、担当編集の林氏も「どう考えても悪者にしか見えない」と主役にすることに当初は反対だったそう。見た目と同じく、戦闘スタイルにもびっくりさせられます。他のジャンプヒーローのかっこいい必殺技を使った戦い方とは違い、暴力性が際立つ悪魔としか思えない戦闘スタイルをとります。この一味違った戦闘シーンが『チェンソーマン』の魅力のひとつです。
デンジの欲望に忠実な姿が清々しい

そして一番衝撃を受けたことは、戦う理由です。
悲惨なバッググラウンドや戦わざるを得ない状況に追い込まれるという点は、家族を鬼に殺された「鬼滅の刃」の竈門炭治郎や呪物を体に取り込んでしまった「呪術廻戦」の虎杖悠仁と似ていますが、デンジの夢は人を助けることでも自分を高めることでもありません。騙され酷い生活を送っていたのに、復讐にも全く興味なし。なんと、「女の人の胸を揉みたい!」という動機だけで、地獄のような戦いに足を踏み入れ、ボロボロになりながらも突き進んでいきます。


「食パンにジャムをつけて食べたい」「女を抱きたい」「胸を揉みたい」「ベロチューがしたい」
デンジに夢を語られるたびに、え、そんなことでそんなに血を流せるの!?と思ってしまいますが、徐々にどんな理由なら自分は動けるのだろうという自問自答を始めたくなります。デンジは「やりたい!」と思ったことを実現させるために全力で行動していますが、その頑張りはバカにされることなのでしょうか。頑張りに貴賤はあるでしょうか。
デンジの行動原理は「明日美味しいご飯を食べるために」「ちょっといいバッグを買うために」「週末推しに会うために」一生懸命働く私たちと変わりません。もちろん自己実現や社会貢献のために働くことも素敵ですが、高尚なことだけでは人は疲れてしまいます。くだらないともいえる欲望とそのための頑張りをバカにするのではなく、認めたい!!!どんなにくだらないと言われようと自分の願いを叶えるために引くほど戦うデンジを見ると、自分もそうあっていい・ありたいなと元気が出てきます。はじめは胸のためだけに何をしているんだ?と思っていたのに、いつの間にか素直なデンジの虜になっていました。
そのほかにも世界観の分からなさや、無茶苦茶なのに憎めないキャラクター達など、中毒性の高さはピカイチ。
強大すぎる敵や人の負の感情が溢れる世界でまっすぐ生きるデンジの明るさと意味の分からなさに、あなたも惹き込まれてみませんか。
【試し読みはこちら】























































試し読みは2021年10月18日(月)~2021年10月31日(日)まで