金沢出身で、『乙女の金沢』の著者でもある岩本 歩弓さんにご紹介していただいたお店の数々は、それはそれは素晴らしいところばかりで。
あれから2年たっても、担当編集が毎年通いつめてしまうくらいの【金沢の神ってるアドレス】を紹介します。
一軒目は、日本海の魚介とやわらかなシャリのコラボレーションでとろける「乙女寿司」!
こちら乙女寿司は、なかなか予約がとれないほどの人気店で、訪れたのは1月ですが、予約をしたのはなんと11月。
平日だともう少し予約はとりやすいかもしれませんが、お寿司が特においしい冬シーズンは、土日だと3ヶ月待ちなんてことも。
器ひとつひとつにもこだわりがあるのが伝わってきます。
懇意にしているお店で気に入ったら買う、とおっしゃっていましたが、九谷焼やガラスの器…工芸でも有名な金沢ならでは、いろんなデザインで目を楽しませてくれます。
旬のブリやのどぐろはおどろくほど脂が乗って舌の上でとろけるし、イカも今まで食べたことのあるそれとは全く異なる、まろやかでもっちりとした味わい。
以前、東京のお寿司屋さんの職人さんに
「お寿司屋さんに行ったら、まずはタコやいかを食べてみるといいですよ。タコやイカがおいしいお寿司屋さんなら、他のネタも間違いない」
と言われたことがあったんです。
お寿司の中で最初にイカがでてきたのですが、まさしくその言葉通り!? その後のお寿司もどれも、人生のベストお寿司かも…!と思うほど。
私の倍以上生きている両親も「こんなイカ食べたことがない!」と感動しており、終始上機嫌でした。
親世代にも喜ばれるお店だと思うので、家族旅行を考えている方はぜひ!
ライティングの関係だけではなく、どう見ても、お寿司が発光せんばかりに輝いている(笑)
鮮度のよさももちろんあると思いますが、きっと、職人さんの技術や思いで素材の良さがぐっと引き出され、芸術品のようなオーラを放っているのだと思います。
「寿司職人の、その哲学にお金を払っているのではないか」
お寿司だけではない、空間の演出、おもてなしの心、こだわりを持って選ばれた美しい器、なにより職人さんのたたずまいや仕事ぶり…すべてに職人さんの哲学が表れ、それを感じることが、人生勉強にもなり、心を豊かにする経験にもなる。
その言葉を読んで、なるほど~と納得しました。
乙女寿司に行ったわずか2時間ほどの間で、あれだけ感動の連続で感嘆のため息をつけることなんて、なかなかありませんでした。
ご主人も、修行中らしき女性(寿司職人で女性って珍しいですよね)も、佇まいがりんとして、動きもむだがなく、大きくて分厚い舞台のようなまな板まわりはほとんどものがなくキレイにされていて、カウンターの向こうの作業場は、どこか禅寺のような雰囲気すら漂っていて…。
乙女寿司の哲学に触れられたのは、心が洗われる経験でした!