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【30代のお金にまつわるQ&A】結婚、子育て、もしものとき…小さな不安にプロが全力回答!

ライフプランとお金のスペシャリストであるファイナンシャルプランナーの井戸美枝さんと風呂内亜矢さんに、気になるけれど聞きづらいお金の話を伺いました。

目次

  1. 1.【「今どきお仕事」にまつわるお金Q&A】転職で退職金はもらえる? 給料を上げるには?
  2. 2.【これから「かかるお金」Q&A】結婚でかかるお金は? 出産費用は?
  3. 3.【もしものときに「備えるお金」Q&A】親の介護はいくらかかる? 被災したら支給されるお金は?
教えてくれたのは
井戸美枝さん

ファイナンシャルプランナー

井戸美枝さん


社会保険労務士、産業カウンセラー。お金の話を簡単に読み解く経済エッセイストとしても活躍。『フリーランス大全』(エクスナレッジ)など著書多数。

風呂内亜矢さん

ファイナンシャルプランナー

風呂内亜矢さん


TVや新聞、雑誌、YouTubeなど多数のメディアでお金に関する情報を精力的に発信中。著書に『コツコツ続けてしっかり増やす!誰でもできるNISAの教科書』(ナツメ社)など。

1.【「今どきお仕事」にまつわるお金Q&A】転職で退職金はもらえる? 給料を上げるには?

ワークライフバランスに合わせた働き方が選べる時代。スキルと同じくマネーリテラシーにも磨きをかけて。

Q.今の給料を上げる方法を上司に相談してみるのはアリ?

A.資格取得の相談&情報収集はアリ
「給与額は賃金規程に基づく人事査定で決まるので、上司の判断で変わるものではありません。ただ、会社によっては能力給や資格手当を設けているので、該当する資格やスキルを上司に確認するのはアリです。30代は、会社から給与をもらいながら、どこへいっても通用するスキルに磨きをかけられる時期でもあります。スキルアップやステップアップに向けて、会社の資格支援制度をフル活用してキャリアを築いていきましょう」(井戸さん)

Q.転職するとき、今の会社で退職金はもらえますか?

A.自己都合の退職でも退職金はもらえます
「退職金は法律で定められたものではなく、企業が独自に行っている制度で、懲戒免職などの特殊な事情でない限り、理由を問わず受け取ることができます。主に『退職一時金』と、『企業年金』の2種類があり、退職一時金は、勤続年数や基本給、退職理由などをもとに会社の規定に基づいて算出された金額を一括で受け取ります。企業年金は、『年金として分割して受け取る』か、退職一時金のように『一括で受け取るか』を選ぶことができます」(井戸さん)

Q.副業を始めたいです。1円でも稼いだら、自分で「確定申告」が必要って本当ですか?

A.20万円以下なら不要。ただ、住民税は申告の必要アリ
副業の所得(売り上げから経費を差し引いたもの)が年間20万円以下であれば、『所得税』の確定申告は不要です。ただし、『住民税』は所得額にかかわらず、1円でも稼いだら申告しなければなりません。住んでいる自治体の市役所や区役所の市民税課などで住民税の申告を行いましょう。その際、勘違いしやすいのがフリマアプリの売り上げです。これは、生活に必要な動産(不動産以外の財産)の売却なので収入にはあたりません」(風呂内さん)

Q.ボーナスや退職金をなるべく多くもらってから退職したい。狙うべきタイミングはあるのでしょうか?

A.会社によって支給日や規定がまったく異なるので賃金規程を確認
ボーナスは会社によって支給日が異なるので、就業規則を確認しましょう。たとえば、『賞与は支給日の前月末に在籍していた従業員に支給』とあれば、ボーナス支給月の前月末に退職しても支給されますが、『賞与支給月の末日時点で在籍している人に賞与を支給する』とある場合、ボーナス支給月まで在籍していても月末日以前に退職する場合には支給されません。退職金については、まずは勤めている会社に退職金制度があるか確認を。勤続年数によってもらえる額に幅があり、3年未満はほとんど出ないことが多いのでよく調べましょう」(井戸さん)

Q.今の仕事を退職してから転職活動をする場合、その間の住民税・健康保険の支払いはどうなる?

A.住民税は収入があった年の翌年から支払うので、今のうちに備えを。健康保険の継続については現在の年収や扶養家族によっても変わってきます

「住民税は、所得があった年の翌年以降の支払いになるので、転職活動中でも支払えるようあらかじめ準備をしておくこと。健康保険は、①家族の扶養に入る②国民健康保険に加入する③前職の健康保険を最長2年継続できる任意継続被保険者制度を利用する、という選択肢があります。①の場合は、退職後1年間の見込み年収が130万円未満などの条件があるので要確認。②の保険料は前年度の所得で計算され、③は退職前と比べて自己負担額が2倍(上限あり)になりますが、健保組合の場合は高額療養費給付などのメリットがあります。②の保険料はネット上でシミュレーションできるので、③の保険料の倍額と比較しつつ検討してみましょう」(井戸さん)

[健康保険の切り替えチャート]

[健康保険の切り替えチャート]

Q.フリーランスの場合、人間ドックや健診は全額負担ですよね?

A.負担額の差はもちろんありますが、自治体によっては検査費用の助成が受けられる場合も

「フリーランスは自己負担となりますが、自治体によっては人間ドック検査費用の助成が受けられることも。負担額や年齢制限は自治体ごとに異なるので確認を。もしこれからフリーランスになるならば、健診は会社員時代に済ませておくのがおすすめです。たとえばがんなどを発症した場合、初診日の時点で国民年金か厚生年金かによって、受け取れる障害年金の額が異なります。会社員のうちに、定期的にメンテナンスをしておきましょう」(井戸さん)

[障害厚生年金の受給対象]

[障害厚生年金の受給対象]

Q.キャリアアップのために資格取得を考えています。将来のためなら、いくらでも投資していいですよね?

A.本当に自分にリターンがあるか考えてみて迷ったら、手取りの1割を目安に

「働きながら取れる範囲の資格取得を目指す人もいれば、高難易度の資格を取るために一時的に仕事をやめる人もいます。まずは、『自分にとって本当に投資になるかどうか』ということを客観的に確認しましょう。『いいことをしているから』と際限なく使うのではなく、取得することで投資分以上のリターンを回収できるのかを考えることが大切です。自己投資するならば、金額は手取りの1割ぐらいを上限の目安にして、その範囲内で検討を」(風呂内さん)

キャリアアップ

Q.フリーランスになったら、クレジットカードはつくりにくくなるって本当?

A.つくれるけれど、銘柄や上限が限られる可能性が高いです

「つくることはできますが、最低でも3年以上はコンスタントに収入がないと社会的信用が低いと見なされてしまうので、カードの銘柄や支払い上限額、グレードなどが限られます。クレジットカードは会社員時代につくっておくのがベスト。ほかにもフリーランスになると、賃貸物件の審査や住宅ローンの審査も通りにくい傾向があります。社会的信用を得やすい会社員のメリットを生かして、大きな契約なども在職中に済ませておくのがおすすめです」(井戸さん)

2.【これから「かかるお金」Q&A】結婚でかかるお金は? 出産費用は?

結婚、妊娠・出産、子どもの学費や車の維持費……。これからのライフイベントにかかる金額、知っていますか? 

Q.結婚でかかるお金はどれくらい見積もるべきですか?

A.結婚式や新婚旅行などは、夫婦で300万円を目標に

「結婚式の総額平均は327.1万円ですが、ご祝儀などで自己負担はかなり減るケースがほとんど。結婚式後に新婚旅行を予定している場合も結婚式までに一人150万円ずつ、二人で300万円の貯金があれば、たいていのことはまかなえるでしょう。また、結婚式や披露宴はせずに写真撮影だけ行うのであれば数万円ですむ場合も。その分を新婚旅行や引っ越しにまわすなど、お金のかけどころにも個性が反映される時代です」(風呂内さん)

[挙式・披露宴の総額]

全国平均 327.1万円

最大で153万円の差が!
《高》首都圏 約356万円
《低》北海道 約203万円


出典:ゼクシィ 結婚トレンド調査2023調べ

Q.車の購入を検討しています。消費税以外にかかる税金って?

A.「自動車重量税」「自動車税種別割」「自動車税環境性能割」があります

「消費税以外では、自動車の新規登録や車検(自動車検査登録制度)の際に車両の重さに応じてかかる『自動車重量税』と、毎年納付が必要な『自動車税種別割』、自動車を購入したり譲り受けたりしたときに納付する『自動車税環境性能割』の3つがかかります。『自動車税環境性能割』は電気自動車は非課税になるなど、燃費のいい車ほど税が軽減される仕組みになっています」(風呂内さん)

自動車重量税
軽自動車以外は車両重量0.5トンごとに年間4100円を納付。軽自動車の場合は、車両の重さにかかわらず定額で年間3300円を納付。


自動車税種別割・軽自動車税種別割
車の用途や総排気量に応じて定められた額を1年ごとに納付。軽自動車は一律1万800円。購入時期によっては節税できる場合も。

自動車税 環境性能割
排出ガス基準や燃費達成基準などの環境負荷に応じて課せられる。オプションを含めた取得価額が50万円以下の場合は課税されない。

Q.不妊治療が保険適用になったと聞いたけれど、かなり安くなったのでしょうか?

A.保険適用外の治療もまだまだ多いのが現状

「保険適用内の治療であれば、自己負担額は3割になりますが、保険適用外の治療も多いので、続けるほど費用はかかるのが実情。治療をいつまで続けるのか、どこで一区切りとするかなどの目安を二人で話し合って決めておくことが大切です。また、治療開始時の年齢による回数制限や、対象となる年齢制限もあるので、事前に確認しておきましょう。治療だけでなく、出産後は体調が戻りづらい人もいますし、子育てにもお金がかかるので、ある程度のお金は準備しておくのが安心です」(井戸さん)

[年齢・回数の要件]

年齢制限
治療開始時において女性の年齢が43歳未満であること

回数制限
初めての治療開始時点の女性の年齢
40歳未満
回数の上限
通算6回まで(1子ごとに)

初めての治療開始時点の女性の年齢
40歳以上43歳未満
回数の上限
通算3回まで(1子ごとに)

出典:厚生労働省 (リーフレット)不妊治療の保険適用

Q.無痛分娩や帝王切開の場合、出産費用は増えるのでしょうか?

A.無痛分娩は、自然分娩に費用がプラス。帝王切開は医療行為なので保険が適用されます

帝王切開は医療行為なので保険適用となり、医療保険も対象となります。病院にもよりますが、無痛分娩は正常分娩+10万円前後が一般的。厚生労働省の発表によると、出産費用(正常分娩)の全国平均は48.2万円ですが、『出産育児一時金』でまかなえますし、妊婦健診も自治体の補助でフォローできます。50万〜100万円の備えがあれば、ベビーグッズなども補塡できると思います。また、東京都の出産費用は平均56万2390円で、鳥取県は平均35万9287円など、地域差もあるので事前に確認しましょう」(風呂内さん)

[分娩費用(異常分娩を含む)]

平均 46万8756円

公的病院 42万482円
私的病院 49万203円
診療所・助産所 48万2374円

出典:厚生労働省「第167回社会保障審議会医療保険部会資料2」

Q.産休、育休中の生活費が不安…。どのくらい貯めておくべき?

A.出産後すぐに体調が戻るとは限らないので、半年分の生活費を用意しておけると安心

「出産後、体調や保育園の都合ですぐに職場復帰するのが難しいケースもあるので、半年〜1年分の生活費を用意しておくと安心。出産時は子ども一人につき50万円の『出産育児一時金』が支給されますし、給与の約3分の2が支給される『出産手当金』給与の50〜67%が支給される『育児休業給付金』もあります。どちらも所得税はかかりませんし、心配しすぎる必要はありません。会社によっては、育休後も独自の給付金を出してくれるところも」(井戸さん)

【30代のお金にまつわるQ&A】結婚、子育て、もしものとき…小さな不安にプロが全力回答!_0

[出産手当金の支給額の計算方法]

【30代のお金にまつわるQ&A】結婚、子育て、もしものとき…小さな不安にプロが全力回答!_0

「日給」とは、直近12カ月の平均月給を30日で割った金額。「賃金日額」は、直近6カ月間の月給の合計を180日で割った金額をさす。

子どもの学費

Q.子どもの学費はいくらぐらいかかるものですか?

A.幼稚園~高校卒業まで、平均総額953.3万円

「基本的に高校卒業までの学費は、家計の中でまかなえるように貯蓄や資産運用などで工夫しましょう。ただし、進学先が公立か私立かによって、かかる費用は大きく変わってきます。文部科学省の調査によると、幼稚園から高校までオール公立の場合の学習費(給食費や習い事など含む)で平均574万円、幼稚園と高校のみ私立の場合は平均781万円、オール私立だと平均1838万円という結果が出ています。教育方針も含めて配偶者と話し合っておきましょう」(井戸さん)


※文部科学省「令和3年度学校基本統計(学校基本調査報告書)」をもとに算出

Q.子どもの学費をすぐに払えない場合、進学をサポートしてくれる制度はあるのでしょうか?

A.奨学金という手段もあります

「経済的理由で進学が困難な場合、日本学生支援機構の奨学金を受けるという選択肢があります。ただ、卒業後に本人が返済する『貸与奨学金』は、低金利とはいえ負担になるので、利用する際は借りすぎないなどの計画性が必要。また、大学の学費は一般的に約500万円。中学卒業まで支給される『児童手当』の総額198万円を大学の費用に充てれば、残りは約300万円となります。子どもが生まれたら収入の1割を貯めるなどして準備しましょう」(井戸さん)

Q.「老後2000万円時代」と聞くけれど、本当に2000万円あれば安心?

A.自分の数字で考えないことにはわかりません!

「上の世代は夫婦のどちらかだけ会社に勤めているケースが多かったのに対し、現役世代は共働きが多いので、厚生年金は収入にもよりますが、一世帯20万〜30万円もらえる計算になります。もらえそうな額を確認すると、イメージとは違う景色が見えてきませんか? 使える額と、自分がどんなふうに暮らしていきたいかをすり合わせて必要な数字を割り出し、資産の一部を運用しながら対応していくのが現実的です」(風呂内さん)

3.【もしものときに「備えるお金」Q&A】親の介護はいくらかかる? 被災したら支給されるお金は?

「絶対安心」とは言い切れないのが人生というもの。“もしも”のために知っておきたい制度をご紹介。

Q.親の介護のため仕事を休むことに。収入をサポートしてくれる給付金はありますか?

A.「介護休業給付金」を申請しましょう

「『介護休業給付』は、雇用保険に加入している人が家族の介護のために仕事を休まざるを得なくなった場合に給付金を受けられる制度です。原則、休業前の賃金の67%が支給され、対象期間は家族一人に対して通算93日。期間は3回まで分けて利用することができます。また、介護保険被保険者証などを提出する必要はありますが、いくつかの航空会社では介護のために帰省する際の航空料金がお得になる『介護割引』もあるのでぜひ確認を」(風呂内さん)

[介護休業給付金の支給額の計算方法]

[介護休業給付金の支給額の計算方法]

たとえば月給24万円の人が休業した場合、賃金日額は8000円。60日休業すると、8000円×60日×67%=32万1600円が支給される。

Q.親の介護、備えておくべきお金はどのくらい?

A.親の介護は、基本的に親のお金でまかなえる範囲で
自分のライフイベント用のお金を使ってはいけません。介護は青天井なので、かけようと思えばいくらでもかけられます。『何かあったときにサポートできるように教えてほしい』と伝えて、親の年金額や資産を共有し、本人の希望や介護に使える額を確認しておきましょう。介護保険の支給額を差し引いても、月に7万〜8万円はかかると考えて。年金受給の繰り下げやNISAなどもおすすめです。そして、きょうだい間の取り決めも大事!」(井戸さん)

Q.勤めていた会社が突然倒産…。金銭的な支援制度はありますか?

A.「雇用保険の基本手当(失業給付)」や「未払賃金立替払制度」があります

「倒産など会社都合で失業した場合、前職の賃金や年齢などによって定められた賃金日額の50~80%が支給されます。受給には、毎月ハローワークが指定する認定日に『失業状態にある』ことを認定される必要があります。また、1年以上事業を行っていた会社が倒産して未払いの賃金が2万円以上ある場合は、「未払賃金立替払制度」を利用すると、該当の賃金と退職手当について最大8割相当の額を受け取ることが可能です」(風呂内さん)

[雇用保険の基本手当日額の計算方法]

[雇用保険の基本手当日額の計算方法]

離職日の直前6カ月の賃金(賞与を除く)の合計を180で割った「賃金日額」の50~80%が「基本手当日額」として、給付日数分支給される。基本手当日額は年齢によって上限額が定められている。

Q.自然災害で住まいが被害を受けた場合、給付金やサポートはどんなものがある?

A.「被災者生活再建支援制度」の活用を

「暴風や豪雨、洪水、豪雪、地震や津波、噴火など一定規模以上の自然災害で自宅や家財に大きな被害を受けた場合、その程度に応じて『被災者生活再建支援制度』の支援金が受けられます。もし被災したら、被害状況がわかる写真などを撮影しておきましょう。それを添付して自治体に申し出ると、調査員が現場を調査して『り災証明書』が発行され、それに応じて『基礎支援金』と住宅再建のための『加算支援金』の額が決定・支給されます」(井戸さん)

[被災者生活再建支援制度の支給額]

基礎支援金支給額…住宅の被害の大きさに応じて支給される全壊、解体、長期避難
100万円
大規模半壊
50万円

加算支援金支給額…住宅を再建するために支給
建設・購入※1
200万円
補修※1
100万円
賃借※2
50万円

※1 いったん住宅を賃借したあと、自ら居住する住宅を建設・購入(または補修)する場合は、合計で200(または100)万円
※2 公営住宅を除く

Q.離婚することになったとき、二人の貯金や財産はどうなりますか?

A.夫名義の共有口座や厚生年金も、結婚後に築いた財産は半分ずつが原則

「基本的には、たとえどちらかが働いていなかったとしても結婚以降に築いてきた財産は、夫婦で折半するという考え方をします。また、将来もらえる予定の退職金や厚生年金も、婚姻していた年数分は半分受け取る権利があります。ただし、厚生年金の権利は離婚して2年以内に手続きしなければいけないなどの時効設定も。これらはあくまで基本の考えであり、どこまで求めるか、譲歩するかはそれぞれの判断となります」(風呂内さん)

もしものときに「備える」お金

Q.ケガや病気で休職する場合、もらえるお金はありますか?

A.4日以上の病欠なら「傷病手当金」の支給対象です

「仕事とは関係ないケガや病気でも、働けない間の収入をカバーするために健康保険から『傷病手当金』が支給されます。支給額は1日あたりの給料(標準報酬日額)の3分の2で、期間は休業4日目から最高1年6カ月分です。パート勤務でも健康保険に加入すれば給付の対象となります。また、通勤途中や仕事中のケガや病気が原因で休養する場合は、『休業補償給付』の対象となり、通算4日目の休業から無期限で日給の8割が支給されます」(井戸さん)

[傷病手当金の日額の計算方法]

[傷病手当金の日額の計算方法]

たとえば月収30万円の人が60日休業した場合、30万円÷30日=1万円が標準報酬日額となる。その3分の2が支給されるので、1万円×3分の2×60日=約40万円という計算に。所得税はかからない。

Q.保険に入っていません。もし入院するなら備えはどのくらい必要?

A.30万~50万円は確保。半年分の生活費もあると安心

「1回あたりの入院にかかる自己負担額は平均で約30万円。保険に入っていなくても30万〜50万円を備えておくと、再発しない病気やケガであればほぼまかなえます。さらに万が一のために半年分の生活費を貯めておけるとより安心ですね。1カ月の医療費の自己負担分が一定額を超えた場合は『高額療養費制度』によって、超過分が健康保険から給付されます。若いときは過度に心配するよりも、早く資産をつくることに集中しましょう。資産ができれば、保険や投資などの選択肢も広がりますから」(井戸さん)

[たとえば…がんで入院した場合]

医療費 100万円

自己負担(3割) 30万円

高額療養費制度を利用 約9万円


※標準報酬月額28万円~50万円の場合

イラスト/蔵元あかり 取材・原文/国分美由紀 ※BAILA2024年2・3月合併号掲載

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