教えてくれたのは…
産婦人科医 高尾美穂先生
イーク表参道副院長。西洋医学をベースに東洋医学、スポーツ医学、ヨガなどを多角的に用い、女性がよりよく年を重ねていけるようサポートしている。http:// www.mihotakao.jp/
20代後半からPMSの症状が重くなったという読者が多いようだけれど……。「妊娠に備えて分泌されるエストロゲンとプロゲステロンのピークが20~30代前半。PMSが起こるのは、体が妊娠の準備が整っているとサインを送っている証拠でもあるんです。症状の内容や出方は個人の体質やそのときの体の調子によって変わります。自分がいつどのような症状が出やすいかを把握し、事前に対策を立てる。それができればQOL(生活の質)も高まり、きっと“生理ちゃん”と仲よくできるはず」(高尾先生)
情緒不安定になる
無気力になる
イライラしやすくなる
頭痛・腰痛・下腹部痛
むくみ、胸の張り
【PMSの主な症状①】親しい人に怒りをぶつけてしまう!!
自律神経の乱れで感情が高ぶりがちに
怒りが表に出てしまうのは、ホルモン変化により、自律神経のバランスが交感神経が優位になり、攻撃性が高まるのが要因です。できれば、矛先を向けてしまいがちな相手にはPMSの症状によるものだと伝えて。自分自身は意識してリラックスするなど自律神経の働きが落ち着く生活を心がけて。
【PMSの主な症状②】ネガティブになるのはなぜ?
ハッピーホルモンが減少する時期
生理後から排卵までは肌の調子もよく気分も良好。これはハッピーホルモンといわれるセロトニンの分泌量が増えるから。排卵後はこのセロトニンが減り、感情がネガティブに働くことも。そんなときはゆっくりとお風呂に入るなど気持ちを落ち着けるようにして。
【PMSの主な症状③】イライラが止まらない!
防衛本能が目覚める妊娠中の雌ライオン状態
イライラ中の女性を、近づくものを片っ端から威嚇する妊娠中の雌ライオンにたとえることができます。たとえ妊娠していなくても動物的な防衛本能を呼び起こすのも生理という現象ならでは。とはいえ 「落ち着いて」と本能を理性でカバーできるのは人間だからこそ。冷静な気持ちを保つ努力を。
【PMSの主な症状④】やる気が出ず思考停止
神経のオンオフ機能が低下。意識して休息を
交感神経と副交感神経との切り替えがスムースにできなくなり、疲れやすくやる気も出ない状況に。また、排卵後はベースの体温が上がるため、眠りが浅くなり睡眠不足状態に陥りがち。ぬるめのお風呂に入ったり、音楽を聴いて早めに布団に入るなど、体をリラックスさせる工夫を。
【PMSの主な症状⑤】生理やPMSのつらさを周囲が分かってくれない
今が特別な状況だと理解し、周囲にも伝えて
イライラや落ち込みの原因は本人でも相手でもなく、生理。それをまずは自分が理解し、周囲にも知ってもらう必要があります。気まぐれに調子が悪くなるのではなく、定期的に同じような症状で苦しめられていることをきちんと伝える。“今だけが特別な状況”とわかればお互いに救われるはず。
生理ちゃんとは…
月イチでやってくる生理を擬人化し、大ヒットとなった“生理ちゃん”。嫌われながらも、女性たちにやさしく寄り添う姿に思わず笑い、ときにホロリ。『月刊コミックビーム』(KADOKAWA)にて連載中。年内には実写映画も公開予定。待望の新刊『生理ちゃん 2日目』は7月12日発売予定。
ライフスタイル
男子も知っておいてほしいPMSや生理のあれこれ【“生理ちゃん”と考える生理とメンタル】
女性にしか起こらない「生理」の症状は、男性にはなかなか伝わらないもの。そこで今回は、BAILA読者のアンケート結果とともに、“生理ちゃん”と一緒に生理&PMSを徹底研究!
2019-05-10 18:00:00