アジサイはボリュームがあるから、一輪挿しにさっと生けるだけでもサマになる
加藤 幼稚園ではアジサイ組だったので、チューリップの次に覚えたお花! 実家の庭にも咲いていたし、道端や公園などあちこちで群生していますね。 個人的に生花のアジサイは、部屋に飾るというよりも、屋外で自生する姿を眺めるイメージでした。
平井 もともとアジサイの原産は日本。ヨーロッパに渡って人気を博し、品種改良が行われたことで色もガクの形も多彩に。近年は品種も多く出回るようになり、一段とおしゃれな雰囲気になったんです。
加藤 なるほど。上手に生けるコツはありますか?
平井 バラやシャクヤクと同じく、アジサイは茎が固め。水の吸い上げがよくないので、根元の処理をきちんと行うこと。加えて花や葉っぱの部分に霧吹きで水をかけることで、生き生き感が長もちします
加藤 ボリュームがあるから、一輪挿しにさっと生けるだけでもサマになりますね。これは便利。
平井 群生して咲き誇る、あるがままの自然の姿を取り入れた生け方も素敵ですよ。その場合は単調にならないよう、色合いやガクの形、咲き具合が異なるものを組み合わせるだけで、一気に表情豊かに。
加藤 華麗さはありながら、バラのような強さや気高さとは違い、色気や憂いも感じさせる。梅雨の時季にふさわしいですね。今、秒単位で時事が目まぐるしく変化するニュース番組を担当しているので、花にふれることができ、心が満たされました(笑)。
そこはかとなくアンニュイさや色気も漂う旬のアジサイ。素敵に飾るにはどうしたら?
初心者でもうまくいく!【ちょこっとテク】
根元を鋭角に切り落としたら、茎の中央にある白いワタを園芸ばさみの刃先を使い、やさしくかき出す。水の吸い上げがぐんとUP
茎が固いアジサイは、水の吸い上げが弱め。吸水力を上げるべく茎先は鋭角に、斜めに切る。切り口と反対側の皮ははさみの刃で削る
花びらが薄い花に水をかけると茶色くなりがちなので本来は水をかけないが、アジサイには雨の景色を演出するようにあくまで優しく
できれば葉っぱにも霧吹きで水をかけてやるとよい(もしくはバットなどに水をはり、全体をさっとくぐらせるだけでも元気になる)
群生して咲くアジサイの趣をしつらいで表現するテク。口が広めの花器を用意し、アジサイの花首を花器の縁に寝かせるように生ける
●平井かずみ
フラワースタイリスト。明るく的確な指導ゆえ、自身が開く教室はいつも大人気。近著は写真家の大段まちこさんと料理家の渡辺有子さんとの共著『花と料理 おいしい、いとしい、365日』(リトルモア)。
http://ikanika.com/
ライフスタイル
【映える紫陽花】をセンスよく飾って、梅雨は室内での時間を楽しもう
梅雨の時期だからこそ楽しめる紫陽花は憂鬱な雨の日に彩りを添えてくれる。人気フラワーショップがフォトジェニックな紫陽花アレンジを教えてくれました。
2019-06-16 18:00:00