バラは1本でボリュームがあるのでテクニックいらず
加藤 もちろん大好きです。連載が始まってお花屋さんにも足を運ぶようになったけれど、率先して買うというより仕事関係でいただくことが多いかも !?
平井 バラはどちらかというと、祝い花としての印象が強め。でもコツさえつかめば、普段の暮らしにもなじむ姿に落とし込むことができるんですよ!
加藤 ほうほう。それは色選びや生け方に秘密が?
平井 そのとおり。特別な日はビビッドな色もいいけれど、空間に溶け込むようトーンは抑えめに。お花って自分のテンションに合わせて選べばいいので、少しアンニュイな気分なら、くすんだ色だっていい。そして選び方。まずは、1 本でたくさん花がついているスプレー咲きを選んで一輪挿しに。1 本でボリュームがあるのでテクニックいらず。それからバラ単体で何本も生けるとゴージャスになるけれど、バラ1本+ほかの植物にすると日常の印象に。
加藤 なるほど。今回合わせたゼラニウムの香りとの相性もいいですね。
平井 自分で香りを調合している気分になりますよね。最後、くたっと元気がなくなってきたら、思い切って茎を短めに切ったり、花首だけ残して、普段使いの器に寝かせるように飾ったり、浮かべたり。
加藤 いろいろな表情が出せるんですね。おかげで、なんだかやわらかい気持ちになりました。
センシュアルな見た目と香り。憧れのバラを日常に溶け込ませ、やわらかくフェミニンな印象に
初心者でもうまくいく!【ちょこっとテク】
水の吸い上げをよくするために、茎先はなるべく鋭角に、斜めに切る。切り口と反対側の皮ははさみの刃を使い削る
花器にそっと寝かせて生ける場合は、アルミでできた盆栽用の花留めがあると便利。花器の底に沈めて根元を挿すだけで安定感が増す
バラ数本を単体で生けるより、バラ1本+ゼラニウムなど、中和色のグリーンの植物をからめることで、インテリアともなじみやすい
●平井かずみ
フラワースタイリスト。明るく的確な指導ゆえ、自身が開く教室はいつも大人気。近著は写真家の大段まちこさんと料理家の渡辺有子さんとの共著『花と料理 おいしい、いとしい、365日』(リトルモア)。
http://ikanika.com/