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【温活テク】医師が教える「冷え」にまつわる基本のQ&A

体の不調や肌荒れ、むくみなどは実はすべて「冷え」が原因かも・・・? 冷えを起こさないための対策を医師が徹底指導! 冷えたときに温めるといいパーツ、着こんでものぼせない方法などなど、あらゆるあったかテクを完全網羅しました。

教えていただいたのは

健康科学アドバイザー 福田千晶博士

健康科学アドバイザー 福田千晶博士


慶應義塾大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学科勤務を経てクリニック勤務および嘱託産業医。健康科学アドバイザーとして活躍。

「血管の温めを意識すれば冷えない体に近づけます」

「心臓から体のすみずみまで血液を送り届ける血管は、寒いと感じると熱を逃さないように細くなり、交通規制がかかった状態になります。たとえば心臓を本社、指先など末端を支社だとしましょう。支社の業績が悪ければ、あれこれ指示を出してどうにか業績が上向くよう期待しますが、それでも結果が出せなければ本社は会社を維持するために支社に見切りをつけますよね。血管もそれと同じ。人は体の中心部の熱を維持しないと生きていけませんから、冷えて血流が悪くなると、本来末端まで届けられるべき栄養や酸素などが不足、循環が滞り、さまざまな不調につながります。体も心も健やかな状態を保つのに、温活が大切なのはそういう理由。ぜひ、“あったか女子”を目指しましょう!」

体が冷えていると…

体が冷えていると…

肌荒れ、肩こり、胃の調子などが悪くなる。血管が収縮することから水分の流れも担うリンパが滞り、むくみやすくなる。脂肪を蓄え、太りやすくなる。寒さからストレスを引き起こす

体が温かいと…

体が温かいと…
肌や胃の調子がよくなる。疲れにくくなる。肩こりになりにくい。風邪をひきにくくなる。婦人科系の病気になりにくい。ストレスを感じにくくなり、気持ちにゆとりができる

Q1.そもそもなぜ冷えは体に悪いの?

A.免疫機能が低下してしまうからです

「冷えると血管が収縮し、悪いウイルスなどと闘うリンパ球が運ばれるスピードが遅くなったり、運ばれにくくなります。そうすると免疫機能が低下し、風邪をひきやすくなったり、さまざまな不調が生じます。実は、“寒い”と感じることそのものが体にとってはストレスでもあります。心地いい温度を保つことは、思っている以上に大切なことなんですよ」

Q2.30代の女性にとって冷えが怖い理由は?

A.肌状態から婦人科系の症状まであらゆる不調の原因に

「女性は32〜33歳で筋肉量が低下、太りやすくなるといわれています。筋肉が落ちると発生する熱量そのものも減り、骨格筋のポンプ機能も低下し、血流が悪化。結果、肌の調子が悪くなったり、肩こりや腰痛、疲れやすくなるなど、皆さんが日ごろ感じているような不調が発生しやすくなります。また、生理痛の悪化や、妊娠しにくさにもつながるといわれていますから、“冷え”はまさに30代が直面する大敵なのです」

Q3.平熱が低いのはやっぱりよくない?

A.気にしすぎなくてOK! 数字より実感を大切にして

「体の深部温度は37℃が理想とされていますが、数字だけで一概に判断はできません。市販されている体温計の精度はどうなの?という話にも。世界には体温が低くても長生きした方もいらっしゃいますし、数字にしばられすぎなくてOK。平熱が36℃台より低いからダメ、という発想よりも、以前より体温が上がった!という変化を見るほうがおすすめです」

Q4.自分が冷えている自覚がない場合は?

自分が冷えている自覚がない場合は?

A.ひざや足首などをさわって冷たいと思ったら冷えている証拠

手をひざの上に置いたとき、手のほうが温かくて気持ちいいなと思ったら、冷えているサイン。ひざや足首、首の後ろやおなかも同様です。寒いときにおなかを隠すようにクッションや毛布を抱きしめたりすることがあると思いますが、それは無意識に体を温めようとしているから。冷えているパーツをブランケットや温熱グッズなどでガードしましょう」

Q5.冬は何を着ても寒い…厚着するしかないのでしょうか?

A.厚着というより重ね着して空気の層をつくること

「分厚いものを着るよりも、インナーにシャツ、ニットに上着といった感じで、衣類を何枚か重ね着して空気の層をつくることを意識してください。分厚いトップスを一枚着るよりずっと温かいはず。インナーの素材にも気を配るとより快適。シルクやウールなどの天然素材がおすすめですが、綿100%のものは吸った水分が逃げにくく冷えやすいのでご注意を」

何枚か重ね着をすると暖かい

肌着からアウターまで薄手の層を重ねると二重サッシの温かさ

厚手衣類でも一枚だとスキマ風が入る

厚手のもの一枚はスキマ風の入る一枚窓状態

Q6.脱・冷え性に大切なことは?

A.寒い!冷たい!と自分の体に意識させない、先回りの快温キープ

「冷えはそれ自体が心と体のストレス。寒いと体の動きも鈍くなり、イライラ不機嫌になりがちですが、快適な温度を保てていれば、仕事を頑張れたりアクティブで上向きな気持ちで過ごせるもの。ですから、寒いと感じる前の先回り温活が大切です」。Q5~11のような工夫や次ページからの美容プロのアイデアを参考に、できることから始めてみて。

Q7.冷えたとき、温めるといいパーツは?

A.肩甲骨の間&腰は、脂肪の少ない絶好ポイント!
「カイロや温熱シートを使うなら、脂肪の少ないところに当てるほうが効率的。体の中心部はもちろん、首・足首・ひざ裏など、太い血管の通っているところは、そもそも冷やさないのがいちばんなのでぜひおしゃれを工夫してみてくださいね」。今年はタートルネックの服やストール、靴下やタイツなど、首や足首を覆えるアイテムがトレンドだから、あったかとおしゃれを無理なく両立できそう!

Q8.寒いのもイヤだけどのぼせるのもイヤです

A.下半身がヒエヒエの可能性大!ポイントで温めましょう

「冬温かくして出かけると、室内では暑くてのぼせてしまうこともありますよね。でもそれは、脚や末端が極度に冷えているせいかもしれません。あまりに冷えた末端を切り捨て、上部だけで熱を回している状態です。ストールやブランケットなど、上半身の熱を逃しつつ下半身だけを温めるひと工夫をオフィスに常備するのが得策です」

Q9.夜寝るときは靴下をはくべき?

A.はくなら、汗を吸収しても冷たくならないシルク素材など

寝るときは汗をかきますから、湿って冷たくなるような化学繊維素材や綿100%は避けて、シルクやウールなどの天然素材にこだわるのがベター。冷え取り靴下もいいですね。締めつけないことも大切です。ただし、放熱し、体温が下がることが眠りのメカニズムですから、足を靴下で覆ってしまうと寝つきを妨げるリスクもあることに注意が必要です」

Q10.食べ物は気にしたほうがいいの?

A.何を食べるかより、まずは温かい温度のものを重視

「根菜やしょうが、シナモンなど体を温める効果があるとされる食材をとるのもいいですが、それよりも直接的に体を温めるのは、物理的に温かい食事やとろみのあるスープなど。体の中で保温剤のような役割を果たしてくれます。たとえば体を冷やすとされているトマトも、ロシアの人々は温かいスープにして食べるようです。温活ビギナーの方は、食材よりも温度に着目することから始めれば充分効果的ですよ」

Q11.寒~いときの応急処置は?

寒いときの応急処置は?

A.手をぐるぐる回して血液の流れを促進させて

「寒いと血管が細くなり、全身の血液の流れが悪くなります。血液の流れを促進させるいちばん簡単な方法は、腕をぐるぐる回すこと! 遠心力によって、これだけですぐに指先まで温かくなりますよ」

イラスト/いいあい 取材・原文/通山奈津子 構成/菅井麻衣子〈BAILA〉 ※BAILA2020年1月号掲載

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