なんとな〜くイヤな気分になってしまう生理。でも、本当はうれしいことなんです。 生理のメカニズムをおさらいして、毎月の体調管理に役立てて。
回答してくださったのは
イーク表参道 婦人科医 高尾美穂先生
東京慈恵会医科大学大学院修了。女性それぞれのライフステージに合った治療法を提案、よりよく年を重ねていけるようさまざまな角度からサポートしている。
はるねクリニック銀座 婦人科医 上田弥生先生
大阪市立大学医学部医学科卒業。デリケートゾーンのアンチエイジング治療、漢方治療、アロマセラピーやハーブにも精通している。
最初におさらい! 生理のメカニズム
生理とは二つの女性ホルモンにより起こる不要な子宮内膜の排出
まず、女性ホルモンのエストロゲンの分泌により排卵が発生。その後、もうひとつのホルモン・プロゲステロンにより体が妊娠の準備を開始、子宮内膜が厚くなるなどの変化が。妊娠しなかった場合、二つのホルモンの分泌が減少し、厚くなった子宮内膜が不要になるため、はがれて腟から排出。これが生理(=月経)!
①エストロゲン
排卵するために必要なホルモン。初潮から閉経まで、卵巣から出る。コレステロール値を低く保つ、血管の弾力性を保つなど、健康キープにも役立っている。
②プロゲステロン
排卵後に出る、妊娠を継続させるためのホルモン。妊娠してなくても出る。体を温め、皮膚や大腸の壁に栄養や水分をため込む。むくみや便秘の原因にもなる。
③低温期
月経が始まるころから排卵日まで続く体温が低い時期。エストロゲンの働きで、高温期より体や心の調子がよくなりやすい。
④高温期
プロゲステロンによって、体温が上がっている期間。排卵日から約14日間続く。低温期と比べて約0.3〜0.6℃体温が上がる。
Q.毎月生理がくるのが憂うつです
A.エストロゲンがちゃんと出ることは健康や美容にとってとても大切なことですよ
「生理がくるのはエストロゲンが出ている証拠! このホルモンはお肌の調子を整えたり、髪をきれいにしてくれたりする大切な存在。しかも、数多くあるホルモンのなかで、きちんと出ていることをお知らせしてくれるのは女性ホルモンだけ。“正しいサイクルでホルモンが出ていると確認できた”と考えて、ポジティブに受け止めて」(高尾先生)
Q.妊娠したいわけじゃなくても基礎体温ってつけるべき?
A.記録があるから病気に気づけるもの。基礎体温、せめて生理期間はメモして
「記録があれば、体調不良になったとき、排卵がちゃんと起きているか、起きていないならいつまであったのかなどを確認できます。診察時には、そのときに子宮や卵巣が腫れてないかなどの臓器の異常のチェックしかできず、女性ホルモンのサイクルが正常かどうかはわからないんです。基礎体温をつけるのが難しくても、生理がきた日と終わった日くらいはメモしておいてくださいね」(高尾先生)
イラスト/mio.matsumoto 取材・原文/東 美希 構成/菅井麻衣子〈BAILA〉 ※BAILA2020年2月号掲載