平和に穏やかに過ごしたいのに、なんだかすり減る…。“争いたくない”けど、ときどきもやもやする人へ、カウンセラーの大野萌子さんとイラストレーターの描き子さんがうまく立ち回る方法&心の持ちようをアドバイス! 今回はプライベート編。相手と争わずにお互い本音で話せる方法とは?
会話の中でずっと聞き役になってしまうのが地味につらい
「親友と二人でよく仕事の愚痴を言い合うことがあります。お互いにストレス発散になるのですが、ほとんどが親友の愚痴を聞くばかりで終わってしまう。私の愚痴になると“私なんてね!!”と親友はもっとひどい状況にあると訴えてくるので、私の話す愚痴はほぼお流れ状態でもやもや。私だって聞いてほしい!」(38歳・受付事務)など。
相手に話を遮られてもさらに割り込んで聞いてもらおう
(大野さん)
「親友かもしれないけれど、力関係ができてしまっていますね。一度そうなると変えるのは難しいのですが、意思表示しないと親友は“この人は聞いてくれる!”と感じ、エスカレートしていくと思います。変わってほしいなら、親友に話を遮られてもさらに“今日は私の話も聞いてくれる?”としっかり割り込んでみましょう。質問形式なら、争いにはならないはず。それでも聞いてくれない相手は残念ながら親友とはいえません」
愚痴は言い合えないけど親友という関係でもいいと思います
(描き子さん)
「こういう人は基本的には変わらないんですよね。親友とは別に、愚痴のペースが合う友達を新たに増やすのが手っ取り早いと思います。その人のことは“親友だけど、愚痴を言い合える関係ではない”と割り切り、悪い話を聞きたくないときは“最近楽しいことあった?”と質問して明るい話に持っていき、愚痴を避けてみるのはどうでしょう。せっかく親友と思えている相手なんだから、楽しく過ごせなくなるのはもったいないです」
争いたくない同士だと本音で話せているかわからず不安
「相手も自分も争いたくないタイプだとわかっている場合、話しているときに“相手は気をつかっていないか”“相手が本音を言えていないのではないか”と気になってしまう。多分相手も気にしており、会話が気のつかい合いになっている気がします」(受付事務・30歳)というパターンも!
まずは自分の「我慢している」という思いをなくす努力を
(大野さん)
「“気をつかってない?”とそのまま聞いてみるのがいちばん! あと、こういう方は自分が我慢してるから相手も我慢してると思ってしまうんですよね。だから、“自分は我慢している”という思いをなくすことが先決です。そのためには、意志をはっきりさせること。“何も言わない”という行動も、“私が私のためにそれを選んでいる”のであれば、我慢にはならないはず。本当にそう思えているのか、自分の本心を見つめてみてはいかがでしょうか」
気をつかわせないためには言葉よりもオナラ一発が効果的
(描き子さん)
「すごく気をつかう人をくずすには、こっちがむちゃくちゃするのが最も効きます。私の夫がよくやるのは、自宅に招いた相手の前でオナラすること(笑)。何度も“気をつかわないでくつろいでね”と言うより、オナラ一発のほうが効果があるんですよね。本音を言ってほしいなら、こちらが突拍子もないくらいの本音を言う。我慢させたくないなら、こちらも我慢しない。傷つけるのはNGですが、“この人私に全然気をつかってないな”と思わせるべし!」
カウンセラー
大野萌子さん
日本メンタルアップ支援機構代表理事。人間関係改善コミュニケーション、ストレスマネジメントなどが得意分野。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える働く人のための言いかえ図鑑』(サンマーク出版 1540円)など。
イラストレーター。エッセイスト。『推しにも石油王にも出会えない私たちの幸福論』(ディスカヴァー・トゥエンティワン 1650円)など、エッセイ本も出版。生きづらさ解消に関する情報を主にTwitter(@kaqico)で発信している。
撮影/花盛友里 イラスト/いいあい 取材・原文/東 美希 ※BAILA2021年12月号掲載