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【働く女性のヒット商品ストーリー②】お菓子メーカーの、まさにプライドをかけた「プライドポテト」。立役者が語る成功の理由とは?

「こんなものが欲しかった」。思わずそう声を上げたくなるヒット商品の数々は、実は、バイラ世代の女性たちが多くの壁や苦悩を乗り越えた末に生み出したものでした。ヒット商品に携わった女性たちの知られざる開発秘話をお届け! 湖池屋の伝説的商品「プライドポテト」の商品開発に初期から携わってきた野間和香奈さん。アイディアのヒントを得るための秘訣やリーダーとしての立ち回り方はぜひ参考に。

株式会社 湖池屋 野間和香奈さん(マーケティング本部 マーケティング部 部長 39歳)

2004年に湖池屋入社。2017年から社運をかけた「KOIKEYA PRIDE POTATO」のマーケティングを担当。現在は湖池屋の商品全てのブランドの管理・広告宣伝を担当。

株式会社 湖池屋 野間和香奈さん(マーケティング本部  マーケティング部 部長 39歳)

湖池屋プライドポテト
国産の中でもうまみの濃いじゃがいもを選定し、温度を変えながら素材本来のうまみや甘みを閉じ込めるなど、料理を作るように丁寧に仕上げたポテトチップス。現在「神のり塩」や食塩を一切使用していない「芋まるごと」ほか5味をラインナップ

湖池屋 プライドポテト

商品の開発はもちろん、お菓子メーカーとしてのプライドを取り戻す社内ブランディングも手がけました

創業時の思いを込めたブランドブックを製作

湖池屋を代表する新たなポテトチップスとして2017年に発売された「KOIKEYA PRIDE POTATO」は、2020年2月に行ったリニューアルが大きな反響を呼び、発売約4カ月で売上20億円を突破するヒットを記録。マーケティング部 部長の野間さんは、発売当初から指揮を執ってきた立役者だ。

「2017年は、会社自体もリブランディングをした年でした。実はポテトチップス市場は平均売価が下がり続けていて、過去10年で10円以上下落。賃金も生産に関わるコストも上がっているなか、売価が下がり続ければ私たちの利益は圧迫されていき、会社としての体力がなくなっていく。そこで、能動的に手に取っていただくために価格で勝負するのではなく、価値を高めて勝負していこうと舵を切ったんです」  

そこで野間さんがまず着手したのが、社内ブランディング。ポテトチップスを日本で初めて量産化した企業としてのプライドを取り戻すべく、創業者の思いや新CI、新たなブランドに込めた姿勢を共有するブランドブックを作った。

「商品開発をする私たちだけでなく、当時踏ん張りきれなくなっていたフロントにいる営業メンバーを鼓舞する意味もありました。“新しいほうへ、イケイケ! 難しいほうへ、イケイケ! 面白いほうへ、イケイケ!”というスローガンのもと、みんなで自信を持ってチャレンジしようというメッセージを伝えたかったんです」  

商品を開発する上で前提となるのは、「社会課題を解決していくこと」。どんな商品が社会に貢献できるかを探るため、世の中の空気をキャッチするタウンウォッチを欠かさない。

「SNSはもちろんチェックしますが、それは家や会社でできること。電車に乗るときは絶対にスマホを触りません。皆さんの洋服のカラーや髪型ひとつとっても、気持ちをくみ取るヒントになりますからね。雑誌も対象年齢問わず幅広くチェックしますし、ヒットしている映画や音楽についても、なぜ受け入れられているのか自分なりに研究するようにしています。コンセプトはいきなり生まれるものではないので、誰かと接したり、いろんな人の気持ちを察しながら考えるようにしています」 

困難を乗り越えすぎて今はストレスが何もない

これまで直面してきた壁は「たくさんありすぎます」と快活に笑う野間さん。「何度もトラブルや困難を乗り越えてきましたし、“楽しむ”というモチベーションがベースにあるから、今はストレスがありません」と断言する姿はパワフル。ついていきたいと思わせる吸引力を持っている。

気をつけているのは経験泥棒をしないこと。私が手を出しすぎることでメンバーの経験を奪うことは避けたいので、年齢や役割問わずフラットに接するようにしています。『これをやって』と指示されるより、自分がやりたいと思って行動するほうが断然エネルギーがわくじゃないですか。メンバーはそれぞれが『こうしたらいいんじゃないか』という仮説を持っているので、私はそれをフォローをしたり、違うアプローチを提案したりしながらベストな回答を決めるだけ。リーダーらしくはないかもしれないけれど、そのほうがいいものが生まれると信じています」

ヒットの裏側を深掘り

あの日あの人と…ヒットにつながるコミュニケーション
いつ:いつ、何時も!
誰と:ブランドごとのメンバーと
何を:LINEグループを作って「こんなことが起きてるよ」と気になったニュースなどを常に共有するようにしています。するとメンバーからも「だったらこんなことができそうですね」「僕はこのニュースを拾ってきました」と広がっていくので、密にコミュニケーションがとれています

名場面PLAYBACK
2020年にプライドポテトの味を4品に集約
もともと営業にいた女性メンバーから、商品数が多くて売り切れないのではという意見があり、6品から4品にしぼることを社長に提案。反対されましたがチームで粘り強く説得しました

プライベートでは
小学3年生の男の子のママです
欲張りな性格なので子どもとの時間を取れるように必死でやりくり。経験泥棒をしないのは息子に対しても同じで、彼の意見を聞きながら、決めつけないことを心がけてます

Q.仕事で大切にしていることは?

1.情熱 2.誠実 3.感謝
特に心がけているのは「ありがとう」という言葉をしっかり口に出すこと。そうすることで自分の心も救われるし、お互い気持ちがよくなると思うので。人はどうしても見捨てられたと思う瞬間にやる気もなくすし、関心を持たれていないと思った瞬間に自分の存在価値を疑ってしまうもの。仕事をする社内外のメンバーに対しては常に好意を寄せていますし、そのことをしっかりと表現していきたいと思っています

撮影/木村 敦 取材・原文/松山 梢 ※BAILA2021年12月号掲載

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