【スタイリスト加藤かすみのupdate BASICS】“今”の気分で選ぶ演出力のある「ニット」

肌当たりのいい上質さと、女性らしく、どこか抜けのあるムード。そんなニットが気になるというこの秋、かすみさんが“今”の気分で選ぶ3枚にはニットという存在ならではの素敵な演出力もあるという。

now.

brand:EXTREME CASHMERE

エクストリーム カシミアはアムステルダム発のニットウェアブランド。上質なカシミヤを使用した絶妙な色合いとタイムレスなデザインに心惹かれます。そんなブランドで、秋の気分にしっくりくる理想的なグレーのカーディガンに出会いました。カーディガンってコンサバ寄りのデザインが多いけれど品はありつつ、今の空気感に合ったゆるさがいいんです。

「高品質なカシミヤだから、丈夫で長もちするところも今の時代に合っていると思います。コーディネートにはネオングリーンのタイトスカートとシルバー小物の色やつやで遊びを加えて。メタリックな質感が今っぽさのカギに」。カーディガン(10月発売予定)¥115500/アルアバイル(エクストリーム カシミア) スカート¥39600/ロンハーマン(エブール フォー ロンハーマン) ネックレス¥51700/エイチ ビューティ&ユース(プリーク) バッグ¥45400/ヒラオインク(ブランドン ブラックウッド) 靴¥130900/ジミー チュウ

next.

brand:MADISONBLUE

毛足が長く、温かみのあるシャギーニットもこの秋冬の目を引くトレンド。マディソンブルーはふんわりやわらかな素材感に加え、たっぷりとしたビッグシルエットが魅力。着こなしはプルオーバーにおそろいのカーディガンを羽織り、さらなるボリュームを追加。収まりよくせず、ラフに重ねるのが今季流。

「次に狙うのは主役になるシャギーニット。いわゆるハイゲージのツインニットとは違う、ボリューミーなアンサンブルが新しいニュアンスとバランスを。このカーディガンはルーズに羽織ったり巻いたりすると、また洒落感が増して。テクスチャーの違う白を重ね、奥行きを出します」。ニット¥75900・肩にかけたカーディガン¥83600/マディソンブルー パンツ¥47300/キャバン 丸の内店(キャバン) バッグ¥68200/アルアバイル(ヴァニーナ) 靴¥130900/セルジオ ロッシ カスタマーサービス(セルジオ ロッシ)

about knit:

私の中でニットは肌触りがいちばん大事。肌が弱いので、チクチクするものは苦手なんです。ストレスがあると手に取らなくなってしまうし、自分の肌になじんでこそ上品で女性らしく見えると思うので、着心地は譲れないポイント。やっぱり品質のいいものに投資して大切に着ると、長く楽しめます。私は気に入ると色や形違いをリピート買いすることも。ベーシックな立ち位置のニットは、ずっと展開しているというのも心強いんです。そこに毎年、今季のカラーはこれという変化があるから、その年の本命となる色でアップデートを。色が変わるだけでこんなにも鮮度の違いが出るのは、ニットならではかもしれないですね。

また今年のニットはコーディネートで盛ってみるという工夫も。メタリックな小物を足すのも今の気分ですが、組み合わせや着方など、ニット自体で“演出”を加えることで新鮮なニュアンスを出します。私が言う“演出”とは、たとえば、朝起きて手に取ったニットをなにげなく着ているように見えること。それはわざと肩にかけたり、巻いたりすることでも生まれます。ちょっと計算しているけれど無造作に見えるムードが、着る人を魅力的に見せてくれると思うんです。

my BASIC.

brand:DRESSTERIOR

私がベーシックニットを探すとき、必ずチェックするのがドレステリア。良質で、信頼できるものがそろっていて、トラッドで変わらない世界観がずっと好きです。特に金ボタンのカーディガンと半袖ニットのクラシカルなアンサンブルがお気に入り。使い勝手がいいから、オールシーズン着ています。

「この秋はチェックジャケットを重ね、カーディガンの金ボタンをひとつ外すバランスが気分。丸首カーディガンはきちんと着るのも素敵なのですが、普段の私はストール代わりに巻いたり、あえて手に持つなど、ほぼ着ずに使うことも多く、そんなふうにアレンジできるのも魅力のひとつです」。カーディガン¥16500・インに着た半袖ニット¥14300/ドレステリア 渋谷スクランブルスクエア店(ドレステリア) ジャケット¥53900/アルアバイル デニムパンツ¥25300/RHC ロンハーマン(RHC) カチューシャ¥27500/エスケーパーズオンライン(ソフィー ブハイ) メガネ/スタイリスト私物

撮影/大塚三鈴 ヘア&メイク/笹本恭平〈ilumini.〉 スタイリスト/加藤かすみ モデル/比留川游 構成・原文/陶山真知子 ※BAILA2023年11月号掲載

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